目次
2級建築施工管理技士とは
2級建築施工管理技士とは、一般社団法人建設業振興基金が認定している資格です。ここでは、2級建築施工管理技士を取得するメリットや1級との違いについて紹介します。
2級建築施工管理技士を取得するメリット
2級建築施工管理技士を取得すると、スキルアップにつなげられ従事できる仕事を増やせます。また、実務経験を積むことで主任技術者を務められるようにもなります。
2級建築施工管理技士を取得するメリットをまとめると、以下のとおりです。
【2級建築施工管理技士を取得するメリット】
・建築工事の施工計画を作成できる
・実務経験を積めば主任技術者になれる
・1級建築施工管理技士よりもハードルが低い
2級の試験では、第二次検定(実地試験)に落ちても、第一次検定に合格していれば建築施工管理技士補の資格が付与されます。建築施工管理技士補とは、監理技術者の補佐として現場で活用できる資格です。また、建築施工管理技士補の資格を持っていると、毎年第一次検定の受検を免除され第二次検定から受検できます。
施工管理技士補の詳細については、以下の関連記事で紹介しています。
「【1級・2級】施工管理技士補とは?受験資格と試験内容について」
1級建築施工管理技士との違い
2級建築施工管理技士の対応可能な範囲は1級とそこまで大きな違いはありません。しかし、1級を取得することで主任技術者・監理技術者として認められるため、より大規模な建設工事の施工に携われます。そのため、2級よりも1級の方が就職先の選択肢を広げたり、年収アップを図ったりする際に有利になります。
1級建築施工管理技士との違いを比較すると、以下のとおりです。
2級建築施工管理技士 | 1級建築施工管理技士 | |
できること | 主任技術者になれる | 主任技術者・監理技術者になれる |
携われる建設工事の規模 | 外注総額4,000万円未満の建築工事 | 外注総額4,000万円以上の建築工事 |
難易度 | 低い | 高い |
昇給・昇進・転職 | △ | 〇 |
受検資格(※) | 1年以上の実務経験年数が必要 | 3年以上の実務経験年数が必要 |
※受検資格は最終学歴によって必要な経験年数が変わる
なお、2023年4月時点で、携われる工事の規模や受験資格などに見直しが検討されています。今後変更になる可能性がある点に注意しましょう。
1級建築施工管理技士に関して、関連記事に解説しているので、詳しく知りたい人は参考にしてみてください。
「1級建築施工管理技士の平均年収は約590万円!最短で資格を取得するコツは?」
2級建築施工管理技士試験の合格率・難易度
2級建築施工管理技士は、1級に比べると取得しやすいとはいえ、合格率や難易度についても把握しておくことが必要です。
2級建築施工管理技士試験の直近5年間の合格率は、20%台〜40%台を推移しています。
ここでは第一次検定・第二次検定それぞれの合格率や難易度・試験内容を紹介します。
第一次検定の合格率・難易度・試験内容
2級建築施工管理技士試験の第一次検定の合格率は、直近の令和4年度のデータで79.7%です(受験者数27,004名に対し、合格者数が11,421名)。
令和4年度の合格率は例年と比較すると、上昇傾向にあります。例年の合格率は、40%前後を推移している状態です。出題範囲は広いものの、難易度は内容をしっかり覚えておけば問題なく解答できる程度です。
試験内容も過去問から出題される傾向にあるため、第一次検定は過去問を繰り返し勉強することで、合格に必要な知識の定着につなげることが大切です。
第二次検定の合格率・難易度
2級建築施工管理技士試験の第二次検定の合格率は、直近の令和4年度のデータで36.6%です(受験者数21,625名に対し、合格者数が7,924名)。
2級の第二次検定は記述式のため、合格率は例年1級の第二次検定よりも低い傾向にあります(令和4年度の1級の第二次検定の合格率は、83.7%)。
参照元:「2級建築施工管理技士・合格発表」(CIC日本建設情報センター)
試験内容は、建築工事を経験していることを前提にしているため、すでに現場の業務に携わっている人は解答しやすいといえます。しかし、現場での実務経験が少ない人は、以下で紹介するような準備が必要です。
2級建築施工管理技士になるには
2級建築施工管理技士試験の内容は、過去問から出題される傾向にあるため、しっかりと勉強をすれば合格を目指せます。ここでは2級建築施工管理技士になるための勉強時間や方法を紹介します。
2級建築施工管理技士の勉強期間
2級建築施工管理技士に合格できるかどうかは、どれくらいの勉強時間を確保できるかによって異なります。
多くの合格者は、100〜300時間程度の勉強時間を確保しています。そのため、試験日から逆算して自分がどれくらい時間を確保できるか確認しておきましょう。
2級建築施工管理技士試験は前期と後期の2回あり、具体的な日にちについては年によって異なります。前期は第一次検定のみ、後期には第一次検定・第二次検定もしくはそれぞれのみも受検可能です。そのため受検する年の試験日に合わせて勉強時間を設定しなければなりません。
たとえば、平日1日3時間、週15時間の勉強時間を確保できるなら、150時間勉強するためには2.5か月必要です。6月に試験がある場合、遅くとも3月には勉強を始めないと、十分な時間を確保できなくなってしまいます。
また、後期に第一次検定・第二次検定の両方を受験する場合は、学科試験と実地試験の両方の対策が必要なため、より多めに勉強時間を取っておくことが大切です。自分の都合に合わせて勉強のスケジュールを立てましょう。
覚えるだけでなく内容の理解が大切
勉強のスケジュールを立てたら、次に大切なのがテキスト選びです。2級建築施工管理技士試験に関するテキストは、数多く出版されています。その中でも、過去問に特化したものがおすすめです。過去問の解説や説明をわかりやすく解説しているテキストを選べば、効率良く勉強できます。
また、勉強をするときには問題を解きっぱなしにするのではなく、解説も読んで理解を深めることも重要です。解説を読んで、理屈や要点を把握することで知識の定着を図れます。
第二次検定の合否の鍵を握るのは、施工経験記述の対策です。施工経験記述とは、自分が経験した施工管理の事例をもとに、工程管理・品質管理・安全管理について問われる問題です。施工経験記述の書き方の対策も行っておくと、試験間際でも余裕をもって勉強に取り組めます。
講習や通信講座も活用すると効果的
最近はYouTubeをはじめとした動画でも有益な学習が可能です。無料で勉強できるので、過去問の解説動画は非常に効率良く学習できます。
体系的にしっかり学びたい場合は、2級建築施工管理技士試験対策をしているスクール講習や通信講座の受講がおすすめです。
講習・通信講座を活用すると、ポイントを細分化した動画などで続けやすく、効果的に学習できます。また、実務経験が少ない人は第二次検定の対策として実務経験を積んでおくことが大切です。
まとめ
2級建築施工管理技士は、実務経験があり、きちんと勉強すれば比較的取得しやすい資格です。取得すると、キャリアアップのための実務経験を積めるようになり、1級建築施工管理技士資格を取得するのも夢ではなくなります。1級建築施工管理技士資格を取得すると、年収1,000万も目指せるうえに、より大きなやりがいを感じられる業務に携われます。
共同エンジニアリングでは、2級建築施工管理技士の取得支援も行っているため、未経験から建設のプロを目指せます。共同エンジニアリングの建設施工管理の職務に携われば、職人の管理やサポートを行いながら、着実に実務経験を積んでいけます。経験した内容を第二次検定にも活かせるので、キャリアアップや年収アップも期待できるのです。