飲食業界から転職したい!未経験でも活躍できる職種・業種を紹介

この記事は約8分で読み終わります。

収入面や労働時間の長さなどの理由があり、飲食業界から転職を検討している方は多いのではないでしょうか。今回は、飲食業界からの転職について、アピールしやすいスキルや経験、転職を狙いやすい業種などを解説します。

飲食業界から転職したい理由

転職を成功させるには、転職理由を明確にしておくことが大切です。飲食業界からの転職理由で代表的な理由は、下記の通りです。

・年収が低い
・残業が多く労働時間が長い
・特別休暇や土日の休みを取りにくい
・コロナ禍を経て業績が悪化している
・体力的に厳しい
・手に職をつけたい

それぞれ詳しく解説します。

年収が低い

年収が低く上がりにくいことは、飲食業界からの転職理由の代表的なものです。厚生労働省の実施した調査でも、飲食サービス業の平均的な賃金は25万9,500円と、全産業の中で最も低い水準でした。年収アップを図ろうとする場合、別業種への転職が選択肢に入ってくるでしょう。

出典:厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査

残業が多く労働時間が長い

飲食業では開店の準備や閉店後の片付けなどがあるため、残業や労働時間が多くなりがちです。また、シフト制を採用していることが多く、ほかのスタッフの都合に労働時間が左右されやすい点も、転職を考える原因となりえます。

特別休暇や土日の休みを取りにくい

飲食店は土日や祝日も営業しているところが多く、なかなか休めないのが実情です。また、人手不足が慢性化しており特別休暇も取りにくいため、転職を考えるケースもあるでしょう。

コロナ禍を経て業績が悪化している

コロナ禍を契機に業績不振に陥った飲食店は多く、閉店を余儀なくされるケースもあります。こうして働く場所のなくなった従業員がやむなく転職するという背景もあるのです。

体力的に厳しい

飲食業は調理・ホールともに立ち仕事が中心です。体力を使う業務内容が多い点は、特に年齢を重ねた際に転職を考えるきっかけになりがちです。

手に職をつけたい

飲食業は、接客やコミュニケーションのスキルは身に付けられる反面、一般的なビジネスマナーやPCスキルなどは習得しづらい業界です。そのため、将来のキャリアに不安を抱く方もいるでしょう。

さらに、近年は配膳ロボットや調理ロボットなどの導入が進んでいることから、必要な従業員数は今後減っていく可能性があり、これもビジネススキルが不足している状況への不安感につながります。

飲食業界出身者が転職時にアピールしやすいスキルや経験

転職時に、飲食業界出身者がアピールしやすいスキルや経験の代表例は、下記の通りです。

1.顧客に対する対応力
2.顧客ニーズに対する洞察力
3.協調性
4.マネジメント力
5.食品や料理に関する知識
6.売上目標への貢献実績

どのようなアピールポイントなのか詳しくみていきましょう。

1.顧客に対する対応力

接客時の気遣いや言葉遣いなどの顧客への対応力は、飲食業界出身者が転職時にアピールしやすいスキルの代表例です。

飲食業では、顧客が快適に利用できるような丁寧な言葉遣いや印象の良い対応、希望を満たす接客などが常に求められます。このような経験から培われた対応力は、飲食業以外の顧客対応にも応用可能です。

また、外国語での接客経験や異文化を理解した上での対応力があれば、特に東京や大阪・京都など訪日外国人旅行者が多いエリアでの求人で重宝されます。

2.顧客ニーズに対する洞察力

顧客ニーズに対する洞察力も重要なアピールポイントです。下記の通り、飲食業では顧客ニーズの見極めと自主的な対応を日常的に数多く行っています。

・店内の温度調節に気を配る
・アレルギーに配慮する
・子ども連れの来客には、キッズメニューや子ども用のいすを準備する など

このような洞察力や行動力は、営業をはじめとする顧客対応や商品企画などで活かせるでしょう。

3.協調性

飲食業では、スムーズに現場のオペレーションを回すために、チーム内で連携できる力や協調性が不可欠です。このような協調性の高さはどのような組織においても歓迎される能力なため、転職時に積極的にアピールしましょう。

同僚や上司・部下と良好な関係を築く、チームでプロジェクトを進める、異なる立場の利害関係者の意見を調整するなど、他業種で協調性が必要とされる場面は多くあります。チームで協力して乗り切った経験などを面接で話すことで、プラスの印象を得られるでしょう。

4.マネジメント力

飲食業でマネジメント関係の業務を担当していた場合、転職時にマネジメント力をアピールポイントにできます。マネジメント関係の業務とは、例えばスタッフの育成や現場での指示・売上管理・店舗目標達成に向けたプランニングなどです。

さまざまなリソースを管理し目標達成につなげられる能力は、多くの組織で求められます。面接などで具体的な経験談とともにアピールしましょう。

5.食品や料理に関する知識

飲食業で身に付く食品や料理に関する知識も、転職時の貴重なアピールポイントです。食料品加工メーカーや食材を扱う企業、食品開発など、さまざまな分野で役立てられます。また、飲食業で培った経験を活かして、グルメ関係のライターを志すという選択肢もあるでしょう。

管理栄養士や調理師などの資格を保持している場合、介護施設・医療施設や学校などの調理やメニューの開発を担当することもできます。

6.売上目標への貢献実績

店舗の売上目標への貢献実績がある場合、転職活動で積極的にアピールしましょう。売上目標の達成は、業種を問わずあらゆる企業で必要だからです。面接では「どういう目標の達成に、どのようにして貢献したのか」をできるだけ具体的に説明すると、評価を上げやすくなります。特に力を入れて取り組んだことや意識したことなどにも触れると良いでしょう。

飲食業界のスキルを活かしやすい業種・職種

飲食業界のスキルを活かしやすい業種・職種である、食品業界・販売業界・営業職・事務職について、スキルを活かしやすい理由や活かせるスキル例などを紹介します。

食品業界

食品業界は、飲食業界での経験や身に付けた知識を存分に活かせるため、おすすめの転職先です。活かせるスキル例として、食品や料理に関する知識・顧客ニーズに対する洞察力などがあげられます。

販売業界

販売業界は、飲食業とは直接関わりはないもののコミュニケーションスキルなどを応用できるため、転職してもスムーズに馴染めます。活かせるスキルの代表例は、顧客に対する対応力・売上目標への貢献実績などです。

営業職

営業職は、経験がなくても始めやすく求人が多いため、転職のハードルが低くおすすめです。飲食業で身に付けた顧客に対する対応力・顧客ニーズに対する洞察力・売上目標への貢献実績などのスキルを活かせます。

事務職

事務職は、一般的に基本的に座って業務ができる・土日に休みやすいなど、飲食業では実現しづらい職場環境が魅力です。飲食業で身に付けた協調性などのスキルを活用できるので、転職先として適しています。

需要が高く飲食業界から転職を狙いやすい業種

飲食業界で得たスキルや経験が直結はしないものの、需要が高く転職を狙いやすい業種もあります。ここではその代表例として、IT業界・介護業界・建設業界について特徴や利点などを紹介します。

IT業界

近年、デジタル化の急速な進行により、IT関連業界は大きく成長しています。経済産業省によると、2030年にはITエンジニアが最大でおよそ79万人不足する見通しです。

出典:経済産業省「IT 人材需給に関する調査

そのため転職先を見つけやすく、就職後の将来性も期待できます。ただし、企業や職種によっては転職難易度が高く、プログラミングに関する知識やスキル・業務経験などが必要の可能性もあります。プログラミングのスキルを習得してから転職活動をすると、選択肢を増やせるでしょう。

介護業界

介護業界は、高齢化社会の進展により人手不足が深刻な業界です。厚生労働省の推計によると、介護職員の不足数は2025年度で約32万人、2040年度は約69万人とされています。

出典:厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について

介護業界には資格や経験がなくても携われる職種が多数あり、転職しやすいのが魅力です。転職後に介護福祉士の資格を取得すると、仕事の幅を広げられます。

建設業界

人手不足が慢性化している建設業界は、未経験でも転職しやすい傾向にあります。2025年には従業員の高齢化にともない大量の離職者が出ると予測されており、人手不足は極めて深刻です。今後、従業員の需要はますます高まるでしょう。

関連記事:【2024年】建設業界は今後どうなる?業界のふたつの課題と対策

また、国土交通省が「建設業働き方改革加速化プログラム」を作成し、長時間労働の是正・給与や社会保険の適性化などを後押ししています。業界としても持続可能性を高める努力を続けているのは、転職者にとって好材料です。

出典:国土交通省「『建設業働き方改革加速化プログラム』を策定 ~官民一体となって建設業の働き方改革を加速~

建設業界の職種は、営業・設計・CADオペレーターなど、多岐にわたります。中でも建設現場を管理する施工管理は未経験が転職しやすい職種です。建築施工管理技士・土木施工管理技士・電気工事施工管理技士などの資格を取得すると、スキルアップや年収アップを目指せます。

飲食業界から施工管理への転職を目指すなら、共同エンジニアリングがおすすめです。未経験者向けの教育プログラムが整っており、資格取得支援制度もあるため、手に職をつけられる環境があります。飲食業から転職した方も多く活躍しており、下記に実際の声を掲載しているので、参考にしてください。

【Aさん】
飲食業ではシフトが不定期だったことと、スキルがない状態に不安があり、安定していて資格が取れる職種への転職を志望していました。施工管理への転職後は、職人とのやり取りやスムーズな受け答えなど、対人コミュニケーション面で前職の経験が活きていると感じます。

まとめ

飲食業から転職する際には、顧客に対する対応力・顧客ニーズに対する洞察力・協調性などのスキルをアピールすると、転職の成功率を上げられます。また、食品業界・販売業界・営業職・事務職といったスキルを活かしやすい職種や、人手不足で需要の高い業種を選ぶのもおすすめです。