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施工管理の休み事情
ここでは、国土交通省や厚生労働省のデータを基に、施工管理の休み事情について解説します。
休みは4週6休程度が多い
国土交通省が公表している「建設業を巡る現状と課題」(2023年)によると、建設業における平均的な休日の取得状況は以下のとおりです。
・4週6休程度:44.1%
・4週5休程度:22.9%
・4週4休程度以下:13.2%
・4週7休程度:10.0%
・4週8休以上:8.6%
・不定休:1.0%
・その他:0.3%
上記のとおり、建設業では4週6休程度が多く、他産業では当たり前となっている週休2日を確保できていないことがわかります。また、4週5休程度、4週4休程度以下も多いことから、比較的休みが少ない業界といえます。
とはいえ、4週8休以上の休みを確保できている会社もあるため、休みを重視する場合は、勤務先の選び方が重要です。
出典:国土交通省「建設業を巡る現状と課題」
残業は月に14.6時間
厚生労働省が公表している「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」によると、建設業の所定外労働時間は一般労働者で14.6時間、パートタイム労働者で1.7時間、建設業全体で13.8時間となっています。全産業の所定外労働時間である10.1時間と比較すると、建設業は残業が多い業界といえるでしょう。
また、国土交通省が公表している「建設業を巡る現状と課題」によると、建設業の年間の総実労働時間は、全産業と比べて90時間長いと記載されています。とはいえ、20年前の総労働時間を比べると、建設業は約50時間減少しています。
2024年4月以降は、建設業でも時間外労働の上限規制が適用されるため、残業時間は減少していくでしょう。
出典:厚生労働省「毎月勤労統計調査 令和4年分結果確報」
出典:国土交通省「建設業を巡る現状と課題」
関連記事:施工管理技士の残業時間はなぜ多い?残業を減らして働くには
有給取得率は57.5%
厚生労働省が公表している「令和5年就労条件総合調査の概況」によると、建設業の労働者1人あたりの有給取得状況は以下のとおりです。
・平均付与日数:17.8日
・平均取得日数:10.3日
・平均取得率:57.5%
以下は、全産業の有給取得状況です。
・平均付与日数:17.6日
・平均取得日数:10.9日
・平均取得率:62.1%
建設業の有給取得率は、平均以下ではあるものの、悪い数値ではないといえるでしょう。また、建設業以外で有給の平均取得率が低い産業は、「宿泊業、飲食サービス業」で49.1%、「教育、学習支援業」で54.4%、「卸売業、小売業」で55.5%となっています。
出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査の概況」
労働基準法の改正により週休2日確保が推進されている
国土交通省が公表している「建設業を巡る現状と課題」によると、令和3年度における週休2日の取得状況(都道府県)は、全国平均で30.7%でした。
この数値から、建設業で週休2日を確保できている会社は少ないことが明らかです。とはいえ、労働基準法の改正により、建設業では2024年4月から罰則付きの時間外労働規制が適用されます。
それにともない、建設業で週休2日を確保するための取り組みが実施されています。以下は、その施策パッケージです。
・週休2日を標準とした取り組みへの移行
・工期設定のさらなる適正化
・柔軟な休日の設定
・経費補正の修正
・ほかの公共発注者と連携した一斉閉所の取り組みを拡大
週休2日の確保には時間がかかる可能性もありますが、国交省直轄工事においては「週休2日モデル工事の取り組み件数を拡大」「地方公共団体や民間発注者、建設業者への直接的な働きかけ」といった取り組みも実施されています。
政府は建設業の働き方を変えようと積極的に行動しているため、週休2日が当たり前となる将来に期待できるでしょう。
出典:国土交通省「建設業を巡る現状と課題」
【施工管理】土日休みを確保できている会社もある
国土交通省や厚生労働省のデータから、建設業の休みは少ない印象を受けますが、きちんと土日休みを確保できている会社もあります。週休2日を確保したい場合は、求人選びに慎重になると良いでしょう。
共同エンジニアリングでは、土日祝休み + 長期休暇(年間休日120日程度)の施工管理の求人も扱っています。GW・SWや夏季休暇、年末年始休暇、慶弔休暇などの休暇もきちんと取得できます。
勤務時間は配属先によって異なる場合もありますが、基本的には「9:00〜18:00」または「8:00〜17:00(うち休憩60分)」の実働8時間です。
福利厚生も充実しており、独自の研修プログラムも用意しているので、未経験者でも働きながらスキルを身につけ、一人前の施工管理者を目指せます。働きやすい会社に転職したい場合は、ぜひご応募ください。
施工管理の仕事は魅力が多い!
施工管理の仕事には大変な部分もありますが、働くメリットも多くあります。ここでは、施工管理の魅力を3つ紹介します。
安定した需要がある
施工管理の仕事は、人々の暮らしを支える重要な役割を担っています。昨今では、全国各地で老朽化した建物が増えており、その建物の修繕・解体のための工事が必要です。また、地震や津波などの自然災害が多い日本では、建築物の復旧工事も欠かせません。
このように、施工管理の仕事は常に安定した需要があります。現在はAIやロボットに仕事が奪われる心配も少なく、一度施工管理のスキルを習得すれば、長く安定して働けるでしょう。
施工管理者になるには専門的なスキルが必要ですが、業界として慢性的な人手不足であることから、未経験者を募集する企業も多くあります。異業種からの転職も可能なため、ぜひ目指してみてください。
平均年収が高い
厚生労働省による職業情報提供サイト「job tag」によると、施工管理技術者の平均年収は620.4万円となっています。
国税庁が公表している「令和4年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均年収は458万円となっており、施工管理技術者の平均年収は高めであるといえるでしょう。さらに、資格を取得したり経験を積んだりすれば、高収入も目指せます。
年収が転職先選びのすべてではありません。とはいえ、年収が高ければプライベートに多くのお金を使えるようになるほか、老後の備えとしての十分な貯蓄が可能となります。
出典:職業情報提供サイト「job tag」「建築施工管理技術者 - 職業詳細」
出典:国税庁「令和4年分 民間給与実態統計調査」
目に見える成果物を残せる
施工管理の仕事は、目に見える建造物が成果として残ることから、やりがいを感じやすい点も魅力です。日常生活で自分が手がけたものを目にするたびに、「自分の仕事が社会や誰かの役に立っている」と実感できます。
また施工管理は、小さな建築物から病院やダムなどの大きな建設プロジェクトまで、経験を積むことでさまざまな現場に携わることとなります。
大規模なプロジェクトの場合、工事のスタートからゴールまで数年かかるケースも少なくありません。しかし、時間がかかった分だけ、得られる達成感や喜びも大きくなります。
ときには、自分が関わった建物や建造物がメディアで取り上げられることもあるでしょう。そういった際に、「あれは自分が携わった建物だ」と周囲に自慢できます。
また、そのほか施工管理のやりがいは以下の記事でも詳しく解説しています。
まとめ
施工管理の休みは4週6休程度が多く、他産業に比べると休みが多いほうではありません。しかし、労働基準法の改正によって、建設業では2024年4月から罰則付きの時間外労働規制が適用されます。これにより、政府主導で週休2日の確保が推進されているため、建設業の働き方は大きく変化していくでしょう。
休みが少ない印象を持たれやすい施工管理の仕事ですが、土日休みをきちんと確保できている会社もあります。週休2日を重視したい方は、求人選びにこだわってみてください。