土木施工管理技士の難易度はどれくらい?必要な勉強時間とは

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土木施工管理技士は、主に自治体から請け負う土木工事の監督業務が仕事です。資格を取得することで施工管理として業務できる現場の範囲も広がります。 本記事では、土木施工管理技士の受験を考えている人のために、難易度や試験概要、そして、試験に向けて必要な勉強などを解説いたします。

土木施工管理技士の難易度

土木施工管理技士は一級と二級に分かれており、資格取得には第一次検定と第二次検定の2種類の試験にそれぞれ合格しなければなりません。

この章ではそれぞれの試験における合格率や難易度のほか、一級と二級の違いについて解説いたします。

二級の合格率・難易度

二級は毎年約3万人から4万人が受験しており、平成30年からの第一次検定の平均合格率は65.82%です。二級は土木、鋼構造物塗装など3つの区分がありますが、どの区分でも全設問1点のマークシート形式40問が出題され、60%正解すれば合格となります。

しかし、工事に必要な土木工学の知識から工事を行ううえでの法律関連まで、出題される範囲は多岐にわたります。加えて、令和3年度に出題範囲が改定されたことで、従来は第二次検定で実施されていた施工管理の能力に関する問題が追加されました。

また、第二次検定は記述式であり、実際に自信が携わった工事内容に関する記述が求められるなど、慣れていない人にとっては難易度が高い試験です。

一級の合格率・難易度

一級も二級同様に、毎年3万人から4万人が受験していますが、平成30年からの第一次検定の平均合格率は57.26%です。二級に比べて合格率は低く、さらに第二次検定は35.28%と1万人を割ります。

全体の60%以上の得点で、合格は二級と同様ですが、「全体65問で60%以上の正答率」かつ「施工管理法に関する分野の得点が60%以上」と条件が厳しくなります。

試験時間も午前午後の2部に分かれるなど長時間にわたり、土木工学や建築に係わる法律など幅広い内容が出題されるため、長年の実務経験があっても容易に突破できる試験ではありません。

一級と二級の違い

土木施工管理技士において一級は「監理技術者」、二級は「主任技術者」として施工管理に従事することが可能です。

工事現場には、現場監督として主任技術者を置くことが建築業法上義務付けられています。土木施工管理技士の資格があれば、各工事現場で現場監督として働くことができます。

しかし、特定建設業者が元請けとして4000万円以上を下請けに出す場合は、監理技術者が必要なため一級の資格が必要です。

また、一級は特定建設業の営業所における「専任技術者」としても従事できます。土木施工管理技士の平均給与は、約570万円ですが、一級所持者は任せられる業務の範囲が広いため、資格手当などの優遇が受けられます。

土木施工管理技士の試験概要

現在発表されている令和5年度の土木施工管理技士の試験概要について解説いたします。

試験日と申し込み期間

二級は、土木種別の第一次検定のみ前期と後期の年2回、受験機会が用意されています。前期の申込期間は、令和5年3月1日から15日まで、試験日は令和5年6月4日です。

後期日程は、3つの種別すべての第一次、第二次の両方の試験が受験できます。申込期間は令和5年7月5日から19日までの2週間、試験日は令和5年10月22日で統一実施です。

一級は、第一次、第二次の両方を受験する場合、どちらか一方を受ける場合のどちらでも、申込期間は令和5年3月17日から31日までの間です。試験日は第一次検定が令和5年7月2日、第二次試験が令和5年10月1日です。

試験内容

第一次検定は、一級、二級のどちらも4択式のマークシート形式です。ともに「土木工学」「施工管理法」などの建物に関する知識や、建築に関する法令である「法規」など、実際に現場を監督するうえで必要となる知識が幅広く出題されます。

令和3年度から試験内容が一部改訂され、これまでは第二次検定で出題されていた施工管理に関する応用能力も問われるようになりました。監理技術者補佐としての知識と応用能力がマークシート形式で出題されます。

第二次検定は記述式で、施工管理法に基づいた監理技術者としての知識と応用能力が出題されます。

受検資格

二級の第一次検定は、受験時に17歳以上であれば誰でも受験することが可能ですが、第二次試験には指定以上の実務経験が求められます。

必要な実務経験は卒業区分によって異なり、大卒の場合は土木や建築学科などの指定された学科の卒業であれば1年、それ以外は1年6か月以上の現場経験が必要です。

一級の受験には、さらに長期の実務経験が求められます。指定学科の大卒ならば3年以上、それ以外ならば4年6か月以上の現場での経験がなければ受験できません。

一級の受験に求められる実務期間は、現場での主任管理者としての経験によっても変化するため、出願前に自分の実務内容についての確認が必要です。

すでに過去12年以内の試験で第一次検定に合格している、または土木関連の技術士資格を得ている場合は、第一次検定は免除されます。

受検区分

土木施工管理技士は、一級、二級の受験のなかで、「第一次、第二次両方を受験する」、「第一次のみ受験する」、「第二次のみ受験する」と3つの受検区分が存在します。

いずれの受検区分であっても、初回受験のときは実務経験などの受験資格の審査が行われるので、書面での申し込みが必須です。2回目以降は、インターネットでの申し込みが可能になります。

土木施工管理技士の資格取得に向けた準備

出題される範囲は多岐にわたり、試験時間も長時間になる厳しい試験のため、合格には入念な準備が必要です。

この章では、土木施工管理技士の資格取得に向けた準備について解説いたします。

資格取得に向けた学習方法

資格取得に向けた学習方法は主に3つあります。

ひとつ目は、独学で勉強する方法です。必要なコストは参考書だけで、場所を選ばずに勉強できる手軽さがポイントです。

しかし、わからないところがあっても誰にも質問できず疑問がそのまま残る点や、実際に業務をしながらの勉強だとスケジュール調整が難しく、必要な時間が取りにくいというデメリットがあります。

二つ目は、WEBサイトやDVDなどの動画利用です。専門の講師のわかりやすい解説で内容が理解しやすく、スマートフォンがあれば勉強する場所を選ばないのが大きな利点です。しかし、参考書などの書籍利用に比べて費用負担が大きくなります。また、一方的な解説だけのため質問ができず、試験までのスケジュール管理が難しいところが欠点です。

三つ目は、専門学校や通信教育を利用する方法です。スクールに通うことで試験に合わせたスケジュール調整ができるほか、専門講師がわかりやすく解説してくれます。スクールによっては模擬試験などの実施もあり、確実に実力をつけられるのは大きな魅力です。

しかし、数十万円近い経費がかかるほか、業務をしながらでは通いにくいという欠点もあります。

どの勉強法にするかは、試験まで確保できる勉強時間や開設されているスクールの所在などと相談して決めましょう。

合格するために必要な勉強時間

合格のために必要な勉強時間は、二級で約300~400時間、一級で約500~600時間といわれています。1年に1度しか受験機会がないため、1年を通して勉強し続けることが必要です。とくに一級は出題範囲が広く、難易度も高いため一朝一夕の勉強ではとても間に合いません。

土日などにまとまった勉強時間を確保し、さらに1日1時間ほど勉強が出来る環境を準備して合格を目指しましょう。

実地試験対策

第二次検定は、実際の施工現場での行動が直に問われる試験であるため、第一次検定に比べて合格率は3分の1しかありません。合格のためには、第二次試験への対処が重要です。

とくに、実際の現場監督をしたときの経験記述の問題は配点が大きく、確実に得点する必要があります。テーマが決まっているので、過去の模範解答に沿って記述し、添削した文章を用意するのもひとつの手段です。

まとめ

第一次検定では知識、第二次検定では経験が、土木施工管理技士の試験では問われます。合格のためにはどちらも欠かせないため、受験までのスケジュールを立て、自分に合った方法で勉強することが重要です。