目次
3Kとは?
3K労働とは、「きつい、汚い、危険」という3つの頭文字「K」から作られた言葉で、1990年ごろに流行語として登場しました。主に労働条件が厳しい仕事を指す労働用語として一般的に知られています。
特に「ブルーカラー」と呼ばれる職種に多いのが特徴です。ブルーカラーとは、主に製造業や建設業など、体力を要する現場作業に従事する労働者を指します。具体的には、工場の生産ライン作業員、建設現場の作業員、運輸業における荷役や配送業務などが該当します。
このような職場では、肉体的な負担が大きいことや、労働環境が厳しい場合があるため、3Kのイメージが根付いています。近年では労働環境の改善を図る企業も増えていますが、業界全体としては依然として改善の余地があるといえます。
6K・新3Kとの違い
6Kや新3Kは、従来の3Kと呼ばれる仕事に対して、時代の変化や労働環境の多様化を考慮し、新たに生み出された分類です。ここではそれぞれの概要を紹介します。
6Kとは?
6Kとは、従来の3K「きつい、汚い、危険」に、新3K「帰れない、厳しい、給料が安い」を加えた職種のことを指します。3kと同様に、多くのブルーカラーの職種が該当する分類です。労働時間が長いわりに給与が低い傾向があるのが特徴で、体力的にも精神的にも厳しい環境が多いとされています。
例えば、建設現場や清掃業、危険物の取り扱いを伴う工場作業などが該当します。
新3Kとは?
新3Kとは、「帰れない」「厳しい」「給料が安い」の3つの頭文字(K)を取った言葉です。主にホワイトカラー職種に該当するとされており、従来の3Kとは異なる視点で労働環境の課題が浮き彫りになっています。
具体的には、長時間労働や厳しいノルマに追われる営業職、低賃金での働き方が問題視されるIT業界などがあげられます。これらの職種は、肉体的な負担が少ない一方で、精神的な負担が大きいことが特徴です。
なお、建設業における新3kについては、こちらの記事も参考にしてください。
3Kと呼ばれる仕事の現実
3Kと呼ばれる仕事は、社会にとって必要不可欠なものですが、働く人にとっては大きな負担をともないます。ここでは、3Kの仕事が抱えるマイナス面について詳しく解説します。
体力やメンタルがもたないことがある
3Kの仕事の多くは肉体労働が中心であり、長時間にわたる労働も珍しくありません。体力が削られる一方で、休息を十分に取ることが難しい場合が多く、結果として疲労が蓄積します。さらに、少ない体力で仕事を続けるためには気力を使わざるを得ず、精神的な負担も増加します。
このような状況が続くと、心身ともに疲弊し、働くことそのものが辛く感じられるようになります。また、休日は疲労回復に充てざるを得ず、プライベートな時間を十分に確保できないため、仕事中心の生活になりがちです。その結果、労働と生活のバランスを取ることが難しくなり、自己実現や楽しみを見失ってしまうケースもあります。
給料が労働時間の割に合わない
給料は通常、業務の生産性や利益に比例する傾向がありますが、3Kの仕事ではこのバランスが不均衡であるといえます。3Kの仕事は、多くの人が比較的容易に取り組める一方で、専門性があまり求められないため、生み出される利益が低くなりやすく、結果的に給料も低く抑えられることが多いのです。
さらに、年間休日が少ない、労働時間が長いといった環境が重なるため、長時間働いても収入が低い状況は、働く人のモチベーションを大きく削ぐ要因となります。
周りから評価されにくい経験をする場合がある
仕事は、社会人にとってひとつのステータスと見なされる場合があります。しかし、3Kの仕事に対しては、社会全体で必ずしもポジティブな評価がされていないのが現実です。その結果、職場以外の場面、例えば同窓会や出会いの場などで、自分の仕事について説明した際に、否定的な反応をされる経験をする可能性もあります。こうした経験が、本人の仕事への誇りを損ない、精神的な負担になることがあります。
3Kと呼ばれる仕事に就く利点
3Kと呼ばれる仕事には、「きつい」「汚い」「危険」といったイメージがある一方で、他の職種にはないプラスの側面もあります。
就職しやすい
3Kの仕事は、多くの業界で人手不足が問題となっており、求人件数が豊富にあります。特に、特別な資格やスキルを求められることが少なく、実務経験がなくても採用されやすいのが特徴です。正社員としての採用だけでなく、派遣社員やアルバイト、パートといった多様な働き方が選べるため、自分の生活スタイルに合わせた勤務が可能です。
比較的仕事を覚えやすい
3Kの仕事は、頭を使う作業よりも体を使う作業が中心となるため、体力がある方や体を使う仕事に慣れている方は比較的短期間で仕事を覚えやすい特徴があります。業界全体として、未経験の人材を多く雇用する仕組みがあるため、業務内容がシンプル化されているケースも少なくありません。複雑な作業に苦手意識を持つ人や、難しいスキルを身に付けることに抵抗がある人でも、安心して働くことができる環境が整っています。
やりがいがある
3Kの仕事の中には、成果が目に見えやすく、達成感ややりがいを得られるものが多いです。例えば、建設現場での作業では、完成した建物を見ることで努力の成果を実感できます。また、清掃や介護といった職種では、お客様に直接感謝される場面も多く、やりがいを感じやすい点が魅力です。
社会への貢献度が高い
3Kの仕事は、私たちの生活を支える重要な役割を果たしています。例えば、建設業では都市インフラを整備し、清掃業では街の美化を担い、介護職では高齢者が安心して生活できる環境を提供しています。このように、社会全体に不可欠な仕事であるため、自分が社会に貢献している実感を得やすいのが特徴です。
体力がつきやすい
「きつい」と形容される3Kの仕事では、身体を動かす機会が多いため、自然と体力をつけられます。日々の業務を通じて健康的な体を維持しやすく、運動不足が気になる方にも向いている仕事です。また、体を動かすこと自体にやりがいを感じる方には特に魅力的な選択肢になります。
専門的なスキルが習得できる
3Kの仕事では、多くの経験を積むことで業務の幅が広がり、その分野のプロフェッショナルになれる可能性もあります。はじめは未経験から始めやすい仕事を任された場合でも、一つの分野を突き詰めることによって、その現場では欠かせない人材を目指せるでしょう。
さらに、介護福祉士(介護業界)や施工管理技士(建設業界)など、得られた知識を活かして資格を取得すれば、客観的なスキルの証明にもなり、転職も有利に進められます。
関連記事:建設業で役立つ資格とは?キャリアアップ・転職に有利なおすすめ資格一覧
3Kと呼ばれる仕事の業種例
最後に、3Kの仕事の具体例と、それぞれの特徴を紹介します。
業種例1|介護業
介護業界は3Kと呼ばれる仕事の代表例です。高齢者や障がい者の介助を行う際には、要介護者の移動補助やおむつ交換、排泄介助といった身体的・精神的負担の大きい作業が含まれます。また、施設利用者の抵抗力が弱いため、ノロウイルスやインフルエンザなどの集団感染のリスクがともないます。
一方で、人材不足を解消するための取り組みも進んでいます。労働環境の改善や設備の拡充、衛生管理の向上により、働きやすい現場を目指している施設も多くあります。
業種例2|清掃業
清掃業界も3Kとされる仕事にあげられます。特に、ゴミ回収やビル清掃といった業務では、汚れた環境で作業することが多く、体力的な負担が大きい点が特徴です。そのため、きついと感じる人が多い傾向にあります。
それでも、清掃業にはやりがいも存在します。専門的な清掃スキルを身に付けられるほか、仕上がりに対するお客様の感謝の言葉が励みとなるでしょう。
業種例3|建設業
建設業界は、建築中の建物や高所での作業が多いため、危険がともないます。また、泥や土埃にさらされることもあり、汚れる環境での作業が避けられません。加えて、肉体労働が主なため、きついと感じる場面が多い職種です。
ただし、職人や施工管理、CADオペレーターなど、職種によっても労働条件が異なります。職種や企業によっても比較的良好な労働条件で働ける場合があります。また、業界全体としては、給与水準の引き上げや資格取得の支援を通じて、若者離れを防ぐ努力が進んでいます。
建設業における現状や今後について、詳しくはこちらの記事も参考にしてください。
建設業「新3K」とは?実現するための取り組みも解説
【2024年】建設業界は今後どうなる?業界のふたつの課題と対策
まとめ
3Kの仕事はネガティブなイメージを持たれがちですが、社会への貢献度ややりがいなど、他の職種にはない価値もあります。中でも、建設業に興味がある方は、共同エンジニアリングで働いてみませんか。
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