【前提知識】30代の離職率
30代は、離職率が比較的高い年代とされています。ここでは厚生労働省の「令和3年雇用動向調査結果の概況」をもとに30代の離職率を紹介します。
男性の場合、30~34歳で12.8%、35~39歳で9.0%の離職率が報告されています。一方、女性は同じ年代でそれぞれ15.8%と12.1%と、男性よりもやや高い傾向が見られます。他の年代と比較すると、いずれも20代に次いで高い水準です。これは、キャリアの転換期や家庭との両立など、30代ならではの生活環境や働き方に関する悩みが影響していると考えられます。
出典:厚生労働省「-令和3年雇用動向調査結果の概況- 」
30代で仕事を辞めたい、疲れたと感じる理由
ここでは、仕事を辞めたい、疲れたと感じる具体的な理由について詳しく解説します。
理由1|職場における人間関係に悩んでいるため
30代になると、昇進や部署異動によって新たな人間関係が求められる場面が多くなります。20代で築いてきた良好な関係が、新しい環境で一変してしまうことも珍しくありません。また、管理職になると部下に注意を促す役割を担うため、心理的な負担が増加し、人間関係のストレスが大きくなる場合もあります。
理由2|給与が見合っていないと感じるため
30代は収入面に対する不満が顕著になる年代です。周囲と収入を比較し、「今の給与で十分なのか」「もっと年収を上げるべきではないか」と考える人が増えます。特に責任の増えるマネジメント業務をこなしているのに、それに見合った報酬を得られないと感じることは、大きなストレス要因となります。
理由3|やりがいを感じられないため
仕事に慣れてくる30代では、新鮮さや充実感を失いやすくなります。毎日同じことを繰り返していると感じると、モチベーションが低下し、「燃え尽き症候群」に陥るケースも見られます。これまで全力で働いてきた人ほど、この状態に直面しやすいといわれています。
理由4|キャリアアップが望めないため
年功序列やポスト不足が原因で昇進の見込みが薄い職場では、30代になると自分のキャリアパスが明確に見えてきます。正当な評価を受けられない環境では、やる気を失い、辞めたいと考える人が増える傾向があります。
理由5|プライベートとのバランスが取れないため
30代は結婚や育児、住宅購入など、ライフイベントが多い時期です。さらに上記のような収入面の不安や人間関係の悩みが合わさり、仕事とプライベートの両立が難しく感じられることがあります。また、親の介護や子どもの進学といった新たな課題に直面するケースも多く、仕事の負担感をさらに増幅させる原因になります。
理由6|仕事についていけないと感じるため
30代になると、業務内容が複雑化し、マネジメントや部下の育成などの新しい役割を任されることが増えます。これに対応しきれず、業務についていけないと感じる人も少なくありません。また、20代の頃に比べて体力が低下し、同じ仕事でも負担が大きくなることで疲れを感じやすくなります。
理由7|自分のスキルや経験を活かせていないと感じるため
自身のスキルや経験が現在の仕事で十分に活かされていないと感じる場合、新しい環境を求める意欲が高まります。30代は、積み上げてきた専門性が一定磨かれてくるタイミングでもあるため、この点が転職や退職を検討するきっかけとなることがよくあります。
30代で仕事を辞めるときの判断基準
30代が仕事を辞める際には、ライフステージの変化も考慮しつつ、慎重に考えることが重要です。ここでは、辞めるかどうかの判断基準をいくつか紹介します。
判断基準1|仕事で精神的に追い込まれているか
仕事で精神的に追い込まれている場合、転職を検討することが必要です。精神的な負担が限界を超えると、睡眠障害や食欲不振、集中力の低下など、日常生活にも悪影響を及ぼします。心身の健康を守るためにも、早めに周囲に相談し、環境を変えることを検討しましょう。
判断基準2|自分のやりたいことができているか
現在の仕事が自分のやりたいことに一致しているかを見直すことも重要です。自分の目標や価値観と合わない仕事を続けると、長期的には不満やストレスが蓄積します。現状に満足していないなら、自分の理想に近づく選択肢を模索してみてください。
判断基準3|仕事を辞めても生活に困らないか
仕事を辞める際には、退職後の生活費を確保できるかを確認する必要があります。総務省の家計調査によれば、単身世帯の1か月あたりの平均支出は約16.7万円です。そのため、半年間の転職活動を想定する場合、少なくとも100万円以上の貯蓄が必要となるでしょう。貯蓄が不十分な場合は、転職先を見つけてから辞める、またはアルバイトで収入を補う対策を取ることが賢明です。
出典:総務省「家計調査」
判断基準4|今の職場で3年後のキャリアを想像できるか
現在の職場で3年後のキャリアをイメージできるかを考えることも重要です。自分より長く勤務している上司や先輩の働き方を参考にすれば、将来的なキャリアや給与を予測しやすくなります。昇進や給与アップの見込みが薄い場合、現職を続けるメリットが少ないと感じるなら、転職を視野に入れるべきでしょう。
判断基準5|現職よりも高待遇で働けるか
現職よりも高待遇の転職先が見つかりそうかも大切な判断材料です。給与や福利厚生が改善されない場合、転職しても同じ悩みに直面する可能性があります。また、社風や勤務形態なども事前に確認し、自分に合った職場環境を選ぶことが重要です。待遇だけでなく、働きやすさや成長の可能性を総合的に判断することを心がけてください。
30代の転職活動のコツ
30代の転職活動では、年齢や環境の変化を考慮しながら計画的に進めることが重要です。ここでは、成功する転職活動のための具体的なコツを紹介します。
コツ1|スキルや経験の棚卸しを行う
30代の転職活動では、これまでの経験やスキルを整理し、自分の価値を明確にすることが出発点となります。過去に取り組んだ業務内容をリスト化し、自身の得意分野や成果を洗い出してみましょう。特に周囲に評価された業務や、自分が強みと感じるスキルを明確にすると、応募企業でのアピールポイントが分かりやすくなります。
コツ2|転職市場の動向を知る
転職を成功させるためには、まずは現在の転職市場の動向を知ることが重要です。どの業界が成長しているのかを把握することで、将来性の高い企業を探す手がかりを得られます。また、その業界ではどのようなスキルや経験が重視されているかも合わせて調べましょう。
コツ3|自分の市場価値を知る
自分が市場でどれだけの価値を持っているのかを理解することも大切です。市場価値は、保有スキルや経験、資格などの総合評価で決まります。適正年収を調べたり、転職エージェントに意見を求めたりして、自分のポジションを客観的に評価しましょう。
コツ4|業界や業種にこだわりすぎない
30代になると、20代と比べてポテンシャル採用の枠が減少するため、業界や業種に固執しない柔軟な転職活動が求められます。視野を広げることで、自分のスキルを最大限に活かせる企業を見つけられる可能性が高まります。
コツ5|自分の希望に優先順位をつける
30代の転職活動では、何を最も優先したいかを明確にすることも大切です。譲れない条件や妥協できる点を整理し優先順位をつけておくことで、選択肢が広がるほか、複数の内定が出た際に迷わず選択できます。
まとめ
30代は、昇進や部署異動、ライフステージの変化などが重なりやすく、精神的にも経済的にも負担が大きくなりやすいことから、仕事を辞めたいと感じやすい時期です。とはいえ、焦って決断するのは禁物です。自分のやりたいことができているのか、仕事を辞めても生活に困らないかなどを考慮し、慎重に検討しましょう。
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