現場監督の平均年収は?仕事内容や給与アップの方法も紹介

この記事は約7分で読み終わります。

建設現場を統括する重要な役割を担う現場監督は、責任感の強さや一定の専門性が求められるものの、全国平均を上回る年収が見込まれる魅力的な職業です。多岐にわたる業務を通じて、現場の成功を支える中核的存在ともいえます。男性と女性で平均年収に差があるものの、性別を問わず実務経験の豊富さやスキルアップが収入増加につながるのも特徴です。 今回は、現場監督の具体的な仕事内容や給料の水準、さらに年収を上げるための実践的な方法について詳しく解説します。これから現場監督を目指す方も、現在従事している方も、キャリア形成に役立つ情報を紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。

現場監督の平均年収

例として賃金構造基本統計調査によると、現場監督を含む建築技術者の平均年収は約632.8万円とされています。この数字は「きまって支給する現金給与月額」を12倍した金額に、年間賞与や特別給与を加えたものです。

一方、日本の給与所得者全体の平均年収は約460万円であり、この差から現場監督の年収水準が高めであることがわかります。建設技術者としての責任や専門知識の必要性の高さが、こうした水準に影響していると考えられます。

出典:
e-start「賃金構造基本統計調査
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査

現場監督の年収は男女で違う?

現場監督を含む建設技術者における男女の年収差は顕著です。例として賃金構造基本統計調査によると、建築技術者における男性の平均年収は約655.2万円であるのに対し、女性は約488万円となっているのが現状です。その差は150万円以上に及びます。

こうした差が生じる理由として、男性の平均年齢や勤続年数が女性より高い傾向があることがあげられます。職場経験の長さが給与に反映されるため、男女間の年収差が広がっていると考えられるのです。

ただ、2025年3月には「建設産業における女性活躍・定着促進に向けた実行計画」が策定され、女性の活躍を促進する取り組みも広がっているため、年収の差が縮まってくる可能性もあります。

出典:
e-start「賃金構造基本統計調査
国土交通省「建設産業における女性の定着促進に向けた取組について

現場監督の仕事内容

現場監督の仕事は、建設現場におけるプロジェクト全体を管理する重要な役割を担っています。具体的には、建設工事のスムーズな進行を確保するための、工程管理、安全管理、原価管理、品質管理の4つが主要な業務です。それぞれどのような内容なのかを詳しく解説します。

工程管理|納期を守る

現場監督の主な仕事のひとつが、建設プロジェクトのスケジュール管理です。納期までに施工を完了させるため、人員の手配や材料の準備、各作業工程の調整を行います。予定通り進行できていない場合は、必要に応じて再調整を実施し、追加の人員を配置することも必要です。

また、状況によってはスケジュールの変更を検討することも求められます。このような柔軟な対応を通じて、プロジェクトを確実に進行させる責任を果たすのが、工程管理の仕事です。

安全管理|事故を防ぐ

安全管理も、現場監督にとって欠かせない業務のひとつです。労働者が安全に作業できる環境を整えるため、危険予知活動(KYK)や危険予知訓練(KYT)を実施し、潜在的なリスクを洗い出します。

さらに、リスクを回避するための具体的な対策をシミュレーションし、実際の作業で安全が確保されるよう努めます。また、整理・整頓・清掃・清潔・しつけを実践する「5S活動」を通じて、現場環境の整備を徹底することも重要な業務です。

原価管理|予算内で収める

現場監督は、プロジェクトの予算を守るために原価管理を行います。施主の希望に基づき、材料費や人件費を考慮しながらコストを最適化する判断を求められます。

必要な計算能力を駆使して、利益を確保しつつも品質を損なわない範囲でコストを管理することが重要です。こうした原価管理の仕事を通じて、プロジェクト全体の収支バランスを維持する役割を担います。

品質管理|質の高さを担保する

現場監督は、建造物の品質が基準を満たすように、品質管理も行います。具体的には、使用する材料が規格に適合しているか、寸法が設計通りであるかなどを確認する仕事です。工程ごとにチェックを行い、完成後に重大な問題が発生しないよう注意を払います。

また、建設途中の写真や施工記録を保存し、客観的に評価できる体制を整えることも重要です。これらを通じて、高品質な建造物を提供するのも、現場監督が果たすべき責任のひとつです。

現場監督の給料を上げる方法

現場監督は給与水準の高い職種ですが、仕事への取り組み方やキャリアプランの考え方次第で、給与アップを狙えます。ここでは、現場監督の給与を上げるためのポイントを3つ紹介します。

社内での評価を高め役職に就く

現場監督としての評価を高め、役職に就くことは年収アップにつながります。建設業界では、実績や就業年数に応じて役職が与えられる傾向があり、長期間勤めることで昇進の可能性が高まります。

昇進を目指すには、単に経験や実績を積むだけでなく、計画的な立案や安全管理の徹底も必要です。工期を守るためには、実現可能な工程計画を立て、遅延なく遂行することが求められます。また、現場での安全を確保することは、事故を防ぎ、工期遅延や補償問題を避けるためにも欠かせません。

こうした努力が社内での信頼を築き、昇進や役職手当に結びつくのです。

資格を取得する

関連資格を取得することも、現場監督として年収を上げる方法のひとつです。建設業界で評価される資格には、建築士や施工管理技士があります。特に一級建築士や1級施工管理技士の資格は、仕事の幅を広げるだけでなく、資格手当の対象となる場合も多く、収入アップに直結する要素です。

なお、施工管理技士には下記7種類の分野があり、それぞれ1級と2級が用意されています。

・建築施工管理技士
・土木施工管理技士
・管工事施工管理技士
・電気工事施工管理技士
・建設機械施工管理技士
・造園施工管理技士
・電気通信工事施工管理技士

2級では主任技術者、1級では監理技術者として現場を任されるのが特徴です。担当する現場や業務内容に応じて、適切な資格を取得していきましょう。資格取得を通じてスキルアップを図ることが、上記の社内評価にもつながります。

より好条件な会社に転職する

現場監督は高収入といわれる職種ですが、会社の規模や請け負う仕事の内容によって年収に差が出ることもあります。現在の会社で昇給が難しい場合は、転職を検討するのも有効な手段です。

転職先を選ぶ際には、持っている資格やスキルが生かせるか、希望する働き方が実現できるかなどを慎重に確認することが重要です。年収だけでなく、働きやすい職場環境や長く続けられる条件を重視することで、キャリアの安定と年収アップの両立を図れるでしょう。

この記事をお読みの方におすすめの求人

「未経験で施工管理になりたい」「働きやすい職場に転職したい」といった方は、共同エンジニアリングがおすすめです。共同エンジニアリングでは、施工管理未経験でも安心して働ける環境を整備しています。

「キャリア形成」「適正配属」「社内情報連携」の3つの項目を軸として活動するキャリアサポート課が、面談や社内研修を通じて、一人ひとりがより幸せな未来、充実したキャリアを築くための支援をしています。

スタートアップ研修や専門技術研修(建設業界に関する基礎知識)、建築設計ソフト講座など、研修制度も充実していますので、未経験で施工管理に挑戦したい方は、ぜひご応募ください。

施工管理の求人を見てみる

まとめ

現場監督は、高い責任感と多岐にわたるスキルが求められる職種です。建築技術者の場合は年収約632.8万円と大きく全国平均を上回り、特に男性が高い傾向にあります。具体的な業務内容としては、スケジュールを管理して納期に間に合わせる工程管理、作業員が安全に働けるようにする安全管理、予算内に収めるためのコストを管轄する原価管理、そして建造物物が基準を満たしているかを確認する品質管理があります。

給与を向上させるには、社内での評価を高める努力や、資格取得によって専門性を証明するのが有効です。これから現場監督を目指す方も、現在従事している方も、今回紹介した内容を参考に、現場監督としてのキャリアを積み上げてみてください。

未経験から現場監督を目指したい方や働き方を変えたいと考えている経験者の方は、共同エンジニアリングへの転職もご検討ください。共同エンジニアリングでは、未経験スタートでも安心の基礎研修やキャリアアップに向けた資格支援研修など、安心して働けるための研修を用意しています。

土日祝休み、年間休日120日以上でプライベートも充実させやすい環境です。共同エンジニアリングで安定とやりがいを両立したい方は、下記から詳細をご確認ください。

>>共同エンジニアリングの未経験者向けページはこちら
>>共同エンジニアリングの経験者向けページはこちら