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実務経験なしで受けられる建設系の資格14選

ここでは、実務経験なしでも受けられる(※)建設系の資格を14個ピックアップして紹介します。
※以下に紹介する資格は、初級段階の試験であれば実務経験なしで受験可能なものです。二次試験や免状取得時には実務経験が必要になる資格もありますのでご注意ください。
施工管理技士(全7種)
施工管理技士は、工事現場において品質管理・工程管理・安全管理などを担う技術者の資格です。資格の種類は、「建築」「土木」「電気工事」「管工事」「電気通信工事」「造園」「建設機械」の7種類に分かれており、それぞれの分野に応じた専門知識が必要です。
施工管理技士には2級と1級があり、それぞれ第一次検定(学科試験)、第二次検定(実地試験)に分かれています。第一次検定は2級・1級いずれも実務経験なしで受けることができ、合格後は2級施工管理技士補・1級施工管理技士補になれます。
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第二次検定の受検にはそれぞれ一定年数の実務経験が必要になり、2級を取得すると主任技術者として現場での技術的な管理が可能になります。1級の資格を取得すれば、より高度な管理を担う監理技術者として認められ、大規模な工事現場の管理業務に従事できます。
下記で、施工管理技士の7つの資格をみていきましょう。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、建築工事の現場で品質・工程・安全管理を担う技術者の資格です。試験は「一般財団法人 建設業振興基金」が主催しています。マンション、住宅、商業施設、オフィスビルなど、あらゆる建築物の工事において施工管理を担当します。
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土木施工管理技士
土木施工管理技士は、道路・橋梁・ダム・トンネル・河川工事などの土木工事における施工管理の資格です。試験は「一般財団法人 全国建設研修センター」が主催しています。公共インフラや民間の土木工事が対象となり、施工が計画通りに進むよう現場の管理や調整をします。
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電気工事施工管理技士
電気工事施工管理技士は、建築物やインフラの電気設備工事における施工管理の資格です。試験は「一般財団法人 建設業振興基金」が主催しています。対象となる工事は、ビルや工場の電気設備、送配電設備、発電設備など多岐にわたります。
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管工事施工管理技士
管工事施工管理技士は、建築物やプラントの給排水・空調・冷暖房・ガス設備などの管工事における施工管理の資格です。試験は「一般財団法人 全国建設研修センター」が主催しています。対象となる工事は、ビルや住宅の配管工事、工場の設備配管、上下水道設備工事など多岐にわたります。
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電気通信工事施工管理技士
電気通信工事施工管理技士は、通信インフラや情報ネットワークの工事における施工管理の資格です。試験は「一般財団法人 全国建設研修センター」が主催しています。対象となる工事は、光ファイバーや携帯基地局の設置、放送設備、セキュリティシステム、LAN配線工事など幅広く、通信設備の円滑な施工を支えます。
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造園施工管理技士
造園施工管理技士は、公園・庭園・街路樹・緑地整備などの造園工事における施工管理の資格です。試験は「一般財団法人 全国建設研修センター」が主催しています。対象となる工事は、公園や学校の緑化、都市の景観整備、屋上庭園の施工、ゴルフ場の造成など多岐にわたり、自然環境と調和した空間づくりを担います。
建設機械施工管理技士
建設機械施工管理技士は、土木・建築工事で使用される建設機械の施工における施工管理の資格です。試験は「一般社団法人 日本建設機械施工協会」が主催しています。対象となる工事は、道路やダムの造成、土地の造成、橋梁工事の基礎工事などで、ブルドーザーやクレーン、ショベルカーなどの重機を用いた施工管理を担います。
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電気工事士

電気工事士は、電気設備の工事や取り扱いで必要となる国家資格です。試験は「一般財団法人 電気技術者試験センター」が主催しています。資格には第一種と第二種があり、第一種は工場やビルなどの大規模な電気設備の工事が可能で、第二種は一般住宅や小規模な建物の電気工事が対象です。
近年、有資格者の高齢化が進み、人材不足が懸念されていることから、電気工事士の需要は高く、今後も有望な資格といえます。
試験の合格率は、第一種電気工事士の学科試験が約40%、技能試験は近年上昇傾向にあり約60%です。第二種電気工事士の合格率は平成9年度以降上昇し、近年では学科試験が約60%、技能試験は約70%と高い水準を維持しています。
受験資格は設けられておらず、第二種電気工事士は実務経験なしで免状も取得できます。なお、第一種電気工事士では免状取得に3年以上の実務経験が必要です。
電気主任技術者
電気主任技術者とは、電気事業法で定められた国家資格で、発電所・変電所・工場などに設置されている電気設備の保守や監督を担う電気のスペシャリストです。試験は「一般財団法人 電気技術者試験センター」が実施しています。
資格には第一種(電験一種)、第二種(電験二種)、第三種(電験三種)があり、それぞれ管理できる電気設備の規模が異なります。受験に制限や条件はなく誰でも受験可能ですが、免状の取得には、学歴や保有資格に応じて一定年数の実務経験が必要になります。試験の難易度は高めで、合格率は電験三種が約10%、電験二種が約20%、電験一種は10〜20%程度です。
エネルギー管理士
エネルギー管理士とは、省エネ法の制定に伴い設けられた国家資格で、工場や事業所においてエネルギーを効率的に使用するための管理や改善を担います。試験は「一般財団法人 省エネルギーセンター」が主催しています。
受験資格はなく、誰でも受験可能ですが、免許を取得・登録するには1年以上の実務経験が必要です。試験の合格率は約30%と難易度はやや高めですが、実務経験が3年以上ある場合は7日間の研修を受講し、試験(合格率約60%)に合格することで免許を取得することも可能です。
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石綿作業主任者
石綿作業主任者は、アスベスト(石綿)を含む築20年以上の建物の改修や解体工事において、安全管理を担うための資格です。講習は「建設業労働災害防止協会」が実施しています。
アスベストは1960年代から1980年代にかけて屋根や外壁、床のタイルなどに使用されていましたが、吸入による肺がんや中皮腫などの健康被害が明らかになり、2004年に使用が禁止されました。
現在は労働安全衛生法によって、アスベストを含む建材を扱う際には石綿作業主任者を配置し、安全対策を講じることが義務付けられています。資格を取得するには、2日間(11時間)の講習を受講し、修了試験に合格する必要があります。
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玉掛け技能者
玉掛け技能者は、クレーンを使用して荷物を運搬する作業において、荷物を安全に吊り上げる「玉掛」作業に必要な資格です。試験は「公益社団法人東京労働基準協会連合会」が実施しています。
取得には特別教育として2日間(9時間)、その後に技能講習として3日間(15〜19時間)が必要です。年度によって技能講習の試験合格率は異なりますが、一般的に合格者が多く、合格率は90%以上と高いため、国家資格の中でも比較的取得しやすいといえます。
冷凍機械責任者
冷凍機械責任者は、高圧ガス製造保安責任者の国家資格のひとつで、冷凍設備に関する保安業務を行うために必要です。試験は「高圧ガス保安協会」が主催しています。第一種、第二種、第三種があり、いずれも受験資格は不要で、誰でも受験可能です。
冷凍機械責任者の資格を持っていると、冷凍設備や冷蔵設備に関する専門的な知識を有している証明となり、ビルメンテナンス会社や管理会社への就職・転職が有利になる場合があります。試験の合格率は、全科目受験の場合で30〜40%前後です。
有機溶剤作業主任者
有機溶剤作業主任者は、指定された有機溶剤を取り扱う現場にて作業の指揮・監督をし、作業者の安全を確保する技術者の資格です。講習は「公益社団法人東京労働基準協会連合会」が実施しています。
有機溶剤は塗装や洗浄作業で使用されることが多く、皮膚や呼吸器から吸収されやすい特性があり、長時間吸収してしまうと、健康に深刻な影響を及ぼすおそれがあります。
有機溶剤作業主任者を取得すれば、自身や作業者を守るための知識を身に付けられます。講習では、有機溶剤の特性をはじめ、健康リスクや作業環境の管理方法、保護具の適切な使用について学びます。資格取得には、1時間の修了試験を含めて2日間(13時間)の講習が必要です。
建設系の資格を取得するメリット

資格を取得する最大のメリットは、現場で必要不可欠な存在になれることです。現場では、現場の効率を向上させ、労働災害を防ぐために、安全や指揮に関する知識をもつ有資格者が重宝されます。
特定の作業においては、法律で配置が義務付けられている主任者系の国家資格が多く、これらの資格をもっていることで現場での信頼性が高まります。
また、資格を取得していることで客観的なスキルの証明となり、事業者からの信頼を得られる点もメリットです。資格をもつことで即戦力として期待される機会が増え、キャリアの向上にもつながります。
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まとめ
未経験でも取得できる建設系の資格は多数あります。資格を取得して専門知識を身に付ければ、就職・転職を有利に進めることが可能です。とはいえ、無資格・未経験でも建設系の仕事を目指せるため、資格取得を目指しながら転職活動を進めるのも良いでしょう。


