電気通信工事施工管理技士とは?受験資格など試験概要や難易度を解説

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施工管理は資格がなくても従事できる仕事です。しかし、電気通信工事の現場で重宝される施工管理者になりたい場合は、「電気通信工事施工管理技士」の資格を取得するのがおすすめです。 今回は、電気通信工事施工管理技士を目指す方に向けて、試験の概要や難易度について解説します。

電気通信工事施工管理技士とは

電気通信工事施工管理技士は、電気通信工事における施工管理技士としての適切な知識と技術を認定する国家資格です。インターネットやスマートフォンの普及に伴って電気工事の需要が増加したことから、2019年に新設された比較的新しい資格です。

電気通信工事施工管理技士を取得することで、インターネット回線や固定電話など、電気通信系設備における責任者としての技術力や専門性を証明できます。また、建設業許可を受ける際の「専任技術者」として重宝される点もメリットです。

電気通信工事施工管理技士には、1級と2級があります。1級を取得すれば「監理技術者」、2級であれば「主任技術者」として、責任のある立場で仕事ができます。

電気通信工事施工管理技士の学習難易度・合格率

資格試験に臨む前に、合格率や学習難易度を把握することは、学習の計画を立てる上で重要です。ここでは、電気通信工事施工管理技術検定の学習難易度と合格率を紹介します。

なお、本記事で記載している情報は2024年11月時点のものです。最新の情報を知りたい方は、公式サイトからご確認ください。

出典:
一般財団法人 全国建設研修センター「1級電気通信工事施工管理技術検定
一般財団法人 全国建設研修センター「2級電気通信工事施工管理技術検定

合格率

電気通信工事施工管理技術検定の1級と2級の合格率は下記の通りです。

【1級】

検定の種類/実施年

 

2019年

2020年

2021年

2022年

第一次検定

受験者数

13,538人

8,532人

8,076人

7,300人

合格率

43.1%

49.1%

58.6%

54.5%

第二次検定

受験者数

5,781人

6,707人

6,147人

5,630人

合格率

49.5%

49.3%

30.1%

37.4%

【2級】

検定の種類/実施年

 

2019年

2020年

2021年

2022年

第一次検定

受験者数

7,015人

3,648人

3,385人

3,074人

合格率

57.7%

63.9%

70.0%

59.1%

第二次検定

受験者数

4,790人

4,101人

4,060人

3,557人

合格率

41.9%

33.9%

35.0%

35.6%

※2021年以降の第一次検定に関しては後期の数字のみを参考にしています。

上記の、第二次検定の受験者数及び合格率は、第一次検定と第二次検定同日受検者のうち、第一次検定合格者と第二次検定のみ試験受検者の合計した数値を記載しています。

なお、2021年度から施工管理技術検定は制度が変わり、「学科試験」→「第一次検定」、「実地試験」→「第二次検定」と名称が変更されました。

第一次検定の出題内容も、学科試験の知識問題をベースに、従来の「実地試験」で問われていた能力問題の一部が追加されました。しかし、上記の表を見ると合格率に大きな変化はみられず、難易度はそれほど変わっていないことがわかります。

学習難易度

電気通信工事施工管理技術検定の合格率をみると、第一次検定の合格率は50%を超え、第二次検定であっても30%以上の数値であることから、難易度はそれほど高くないように感じる方もいるでしょう。しかし、実務経験者が多く受験する試験であるため、見た目以上に難易度は高いといえます。

一般的に合格に必要となる学習時間は、下記の通りです。

・1級:300〜500時間
・2級:50〜100時間

実務経験の長さや学習に用いる教材によっても、必要となる学習時間は異なります。スケジュールに余裕をもって学習を進めましょう。

電気通信工事施工管理技士の試験概要

ここでは、電気通信工事施工管理技術検定の申し込み期間や受験資格、出題範囲など、試験の概要について解説します。 なお、本記事で記載している情報は2024年6月時点のものです。最新の情報を知りたい方は、公式サイトからご確認ください。

出典:
一般財団法人 全国建設研修センター「1級電気通信工事施工管理技術検定
一般財団法人 全国建設研修センター「2級電気通信工事施工管理技術検定

1.申し込み期間

電気通信工事施工管理技術検定の申し込み期間は、例年下記の通りです。年度によって申し込み期間が異なる場合もある点に留意してください。

【2級電気通信工事施工管理技術検定】
・第一次検定(前期):3月上旬~3月中旬
・第一次検定(後期)、第二次検定:6月下旬~7月下旬

【1級電気通信工事施工管理技術検定】
・第一次検定:5月上旬~5月下旬
・第二次検定:10月上旬~10月中旬

申し込み方法には、インターネットと書面の2種類があります。書面で申し込みをする場合は申し込み用紙の購入が必要である点に注意しましょう。

2.試験の受験資格

電気通信工事施工管理技術検定の受験資格は、2024年度から改正されました。しかし、経過措置として、2024年度から2028年度までは、旧受験資格と新受験資格の双方が適用されます。

下記で紹介するのは、新受験資格です。旧受験資格は、公式サイトからご確認ください。

【1級】

第一次検定

19歳以上(受検年度末時点での年齢)

第二次検定

2021年以降の1級第一次検定合格した者

・5年以上の実務経験年数

・特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数

・監理技術者補佐として1年以上の実務経験年数


2級第二次検定合格後、1級第一次検定に合格した者


・5年以上の実務経験年数

・特定実務経験1年以上を含む3年以上の実務経験年数

【2級】 

第一次検定

17歳以上(受検年度末時点での年齢)←旧受験資格から変更なし

第二次検定

・2021年以降の1級第一次検定合格者:実務経験1年以上

・2021年以降の2級第一次検定合格者:実務経験3年以上

3.試験の科目や出題範囲

【1級】第一次検定

検定科目

出題内容

電気通信学など

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための「電気通信」「学」「電気工学」「土木工学」「機械学及び建築学」に関する般的な知識

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための「有線電気」「通信設備」「無線電気通信設備」「放送機械設備など(電気通信設備)」に関する般的な知識

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための「設計図書」に関する般的な知識

施工管理法

・監理技術者補佐として、電気通信事の施工管理を適確に実施するための「施計画の作成法及び程管理」「品質管理」「安全管理」など、事の施管理の法に関する知識

・監理技術者補佐として、電気通信事の施工管理を適確に実施するための応知識

法規

建設事の施工管理を適確に実施するための「法令」に関する般的な知識

【1級】第二次検定

検定科目

出題内容

管理法

・監理技術者として、電気通信事の施工管理を適確に実施するための知識

・監理技術者として、電気通信設備における設計図書の理解・作成、必要な機材の選定・配置などを適切に実施できる応用能力

【2級】第一次検定

検定科目

出題内容

電気通信学など

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための「電気通信工学」「電気工学」「土木工学」「機械工学及び建築学」に関する概略の知識

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための電気通信設備に関する概略の知識

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための設計図書を正確に読むための知識

施工管理法

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための「施工計画の作成方法及び工程管理」「品質管理」「安全管理」など、工事の施工管理の方法に関する基礎知識

・電気通信事の施工管理を適確に実施するための基礎的な能力

法規

建設工事の施工管理を適確に実施するための「法令」に関する概略の知識

【2級】第一次検定

検定科目

出題内容

管理法

・主任技術者として、電気通信工事の施工管理を適確に実施するための知識

・主任技術者として、電気通信設備における設計図書の理解・作成、必要な機材の選定・配置などを適切に実施できる応用能力

4.出題形式

電気通信工事施工管理技術検定の出題形式は、1級・2級どちらも第一次検定が択一式(解答はマークシート方式)、第二次検定が記述式(筆記試験)です。

5.試験時間

試験時間は、1級電気通信工事施工管理技術検定の第一次検定が270分(午前午後含む)、第二次検定が165分(午後)です。2級電気通信工事施工管理技術検定は、第一次検定が130分(午前)、第二次検定が120分(午後)です。

6.受験料

1級電気通信工事施工管理技術検定の受験料は、第一次検定と第二次検定それぞれ13,000円(非課税)です。2級電気通信工事施工管理技術検定の受験料は、第一次検定が6,500円(非課税)、第二次検定が6,500円(非課税)となっており、合わせて13,000円(非課税)です。

7.試験会場

2024年度の電気通信工事施工管理技術検定の試験地は、下記の通りです。

【1級電気通信工事施工管理技術検定】
「第一次検定」12地区
東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、新潟、広島、高松、福岡、那覇、金沢、熊本
※金沢、熊本は当面の間臨時開催地区

「第二次検定」10地区
東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、新潟、広島、高松、福岡、那覇

【2級電気通信工事施工管理技術検定】
「第一次検定(前期)」
10地区
東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、新潟、広島、高松、福岡、那覇

「第一次検定(後期)」14地区
東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、青森、新潟、金沢、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇、静岡 ※静岡は当面の間臨時開催地区

「第二次検定」
14地区
東京、大阪、名古屋、札幌、仙台、青森、新潟、金沢、広島、高松、福岡、鹿児島、那覇、静岡 ※静岡は当面の間臨時開催地区

電気通信工事施工管理技士の学習方法

電気通信工事施工管理技術検定は、簡単な資格試験ではありません。試験に1発で合格するためにも、自分に合った学習方法を選びましょう。ここでは、電気通信工事施工管理技検定の主な学習方法を3つ紹介します。

書籍で独学する

参考書や過去問で独学する方法があります。費用は書籍代だけで、講習会や通信講座で学習するよりもお金がかからない点がメリットです。ただし、複雑な問題に直面すると挫折してしまう可能性がある点はデメリットといえます。

講習会に参加する

独学が難しい場合は、講習会に参加するのも手です。講師から資格取得のコツやポイントを教えてもらえるため、合格率を上げられます。また、対面の講習によって緊張感をもって学べるため、独学のモチベーションが上がらない方にもおすすめです。ほかにも、短期間で集中的に学習したい方にも適しています。

また、社内で研修や講習を行っている会社に転職する方法もあります。共同エンジニアリングでは、スキルアップや資格取得に関する研修を実施しており、未経験でも学べる環境があります。気になる方はぜひご確認ください。

通信講座を受ける

独学が難しい場合は、通信講座で学習するのが有効です。独自のカリキュラムが用意されており、合格に必要なポイントに絞って効率良く学習を進められます。また、質問に答えてくれるサービスを提供している場合もあるほか、時間や場所に縛られずに学習できる点もメリットです。

まとめ

電気通信工事施工管理技士の資格試験の難易度は、それほど高くはありません。とはいえ、1級で300〜500時間、2級で50〜100時間程度の学習時間が必要です。資格取得を目指す際は、余裕のある学習計画を立て、1発で合格できるように学習を進めましょう。

共同エンジニアリングでは施工管理者を募集しています。資格取得支援制度も導入しており、毎月2回の研修実施やテキストの無料配布、取得後の資格手当など、他にもさまざまな支援を行っております。未経験からの入社も80%以上のため、スキルに自信がない方でも安心です。また、大手ゼネコンとのつながりが強いので、大きな案件に携われる点も魅力です。ぜひご応募ください。