デベロッパーの平均年収はいくら?転職を成功させる3つのポイント

この記事は約7分で読み終わります。

デベロッパーは不動産開発事業を行う企業のことで、マンションや商業施設、リゾート地など大規模なプロジェクトに関わります。そのため、「デベロッパーの年収は高いのでは」と気になる方も多いのではないでしょうか。 そこでこの記事では、デベロッパーの年代別平均年収と大手3社の平均年収をご紹介します。また、転職を成功させるポイントについても解説しているため、転職を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

【年齢別】デベロッパーの平均年収

以下は、年齢別のデベロッパーの平均年収です。

年齢

平均年収

20〜24歳

約350万円

25〜29歳

約456万円

30〜34歳

約525万円

35〜39歳

約576万円

40〜44歳

約620万円

45〜49歳

約656万円

50〜54歳

約683万円

55〜59歳

約674万円

60〜64歳

約505万円

出典:「ディベロッパーの平均年収」(doda)

厚生労働省の『令和4年賃金構造基本統計調査』によると、一般労働者の年収(「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」)は496万5,700円です。30代前半のデベロッパーの平均年収が約525万円であるため、デベロッパーの給与水準は高いことが分かります。

また上記の表から分かるとおり、年齢に応じて高い昇給に期待できるため、スキルや経験を磨くことでより高収入を目指せるでしょう。

参考:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況

デベロッパー大手3社の年収を比較

大手デベロッパーの年収について気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、特に年収が高いといわれる大手3社の平均年収をご紹介します。なお、各社の平均年収は金融庁が運営する『EDINET』に掲載された有価証券報告書を参照しています。

参照:金融庁「EDINET閲覧

ヒューリック

ヒューリックは東京23区を中心に、不動産賃貸事業や不動産投資、不動産開発を行う会社です。少数精鋭で編成されたプロフェッショナルチームによる、生産性を重視した効率経営を行っています。

開発事業の実績としては、防災性能や環境性能に優れたハイスペックな中規模オフィスの開発、繁華性の高いエリアで新たな商業施設、ホテルや高齢者住宅の開発などが挙げられます。

2022年に提出された有価証券報告書によると、ヒューリックの従業員の平均年収は、1,904万2,394円です。

三井不動産

三井不動産は日本を代表する大手不動産会社であり、三井グループに所属しています。三井不動産株式会社は1941年に設立され、東京都中央区に本社を置いています。幅広い不動産関連事業を展開しており、主に商業施設やオフィスビル、住宅、物流施設などの開発を手掛けています。有名な実績としては、「東京ミッドタウン」「ダイバーシティ東京」などです。

2022年に提出された有価証券報告書によると、三井不動産の従業員の平均年収は、1,273万8,000円です。

住友不動産

住友不動産株式会社は1949年に設立された大手不動産会社で、住友グループの一員です。大規模なオフィスビルや住宅、商業施設の不動産開発事業のほか、不動産の仲介や不動産ファンドの運営、フィットネスクラブ、ゴルフ場なども行っています。

2022年に提出された有価証券報告書によると、住友不動産の従業員の平均年収は、667万4,625です。

デベロッパーへの転職は技術職なら成功しやすい

デベロッパーへの転職は難しいと思っている方も多いのではないでしょうか。しかし、技術職(施工管理技士、建築士、宅建士など)の転職はそれほど難易度が高くありません。ここでは、その理由についてご紹介します。

学歴フィルターがなく中途入社が多い

「営業職は自社で育てたい」と考えるデベロッパーは多く、新卒採用がメインとなっている企業が多いです。新卒採用となると、過去の勤務経験や実績がないことから学歴を重視せざるを得ません。

しかし、技術職の場合は即戦力を求める企業が多く、中途採用にも積極的です。技術職に即戦力を求める大きな理由は、技術職の育成・コストに時間がかかることが挙げられます。設計事務所やゼネコンなどの専門企業で働いてきた人材はスキルが高く、採用を有利に進められるでしょう。

資格取得が必須ではない

技術職の転職において資格はそれほど重要視されません。資格よりも過去の実績や培ったスキルのほうが、企業側は注目していますどのような施工実績があるのか、何を意識して仕事に取り組んだのかを具体的なエピソードを交えて伝えれば、採用担当者にアピールできるでしょう。

専業デベロッパーならより転職しやすい

デベロッパーには大きく分けて「総合デベロッパー」「専業デベロッパー」の2種類があります総合デベロッパーとは、商業施設や住宅、オフィスビルなど、幅広い種類の不動産開発を手掛ける企業のことです。

一方、専業デベロッパーは特定の分野や業態に特化した不動産開発を行う企業を指します。例えば、「住宅開発に特化したデベロッパー」「商業施設の開発に特化したデベロッパー」などです。

転職の難易度は総合デベロッパーのほうが高いため、実績やスキルに自信のない方は専業デベロッパーへの転職を目指すのもよいでしょう。また専業デベロッパーはゼネコンや設計職からのステップアップ、未経験転職にもおすすめです。

しかし、デベロッパーは専業・総合に限らず、基本的には即戦力が求められます。建設業界のなかでもデベロッパーを目指す人は多いため、倍率が高くなることは覚悟しましょう。

デベロッパーに求められる知識・スキル

デベロッパーへの転職を目指す場合は、どのような知識やスキルが求められるのか知っておくことが大切です。ここでは、デベロッパーに求められる知識・スキルをご紹介します。

不動産に関する知識

デベロッパーは土地の取得からプロジェクトの企画・設計・建設・販売まで、不動産開発の幅広い業務に携わります。そのため、以下のように不動産に関する幅広い知識が求められます

・不動産市場の知識

・不動産の法律や規制

・不動産評価の基礎知識

・建築やプロジェクトマネジメントの知識

・土地利用や都市計画の理解

これらの不動産に関する知識を持つことで、不動産開発のプロセスやビジネスモデルを理解し、デベロッパー企業での業務に役立てられます。また不動産に関する情報収集やトレンドの把握ができることも重要です。

コミュニケーションスキル

デベロッパーは複数の関係者と連携してプロジェクトを進めるため、チーム内での円滑なコミュニケーションが求められますほかのメンバーや関係部署と協力し、情報共有や意見交換を行いながらプロジェクトを推進する能力が必要です。

英語力

大手デベロッパーはグローバルに事業展開を行なっていることが多く、プロジェクトが国際的な規模で展開される場合、英語を使ったコミュニケーションが必要になるケースがあります。外国のクライアントやチームメンバーと円滑に意思疎通を図るため、英語力は重要です。

デベロッパーへの転職を成功させる3つのポイント

デベロッパーへの転職は簡単ではありません。しかし、下記のポイントを押さえれば成功確率を上げられるでしょう。

1.アピールになる経験・スキルを整理する

デベロッパーに限った話ではありませんが、転職ではまず過去の経験やスキルを整理することが大事です。特に中堅・大手デベロッパーは即戦力を求めているため、訴求力の高い強みをピックアップして効果的にアピールする必要があります。

デベロッパーへの転職では、技術力・管理能力・実務能力の3つを軸に過去の経験を伝えてみてください。また採用においては人間性や考え方も重視されるため、その行動に至った背景や思いなども詳細に説明するとよいでしょう。

2.企業研究を徹底する

応募先企業の特徴や独自の強み、過去の実績など、企業研究は徹底的に行いましょう。企業研究は応募先企業の理解を深め、選考を有利に進めるための重要なプロセスです。

企業側は応募者の志望動機から、「数ある企業の中でなぜ自社を選んだのか」を注意深くみます。志望動機がどの会社でも通じるような汎用的な内容だと、入社意欲が低いと判断されてしまうでしょう。

また企業研究が大事な理由として、応募先企業が自分に合うか見極め、ミスマッチを防止できる点も挙げられます。求人情報に掲載された情報だけでなく、インターネットを駆使して情報を集めてみてください。

3.転職のサポートを受ける

転職活動はひとりで行うことも可能ですが、転職活動に慣れていない方や異業種から転職する方は、転職エージェントのサポートを受けることがおすすめです。

転職エージェントに在籍するキャリアアドバイザーは転職事情に精通しており、多くの求職者を転職成功に導いています。プロの視点からサポートやアドバイスを得ることで、転職をスムーズに進められるでしょう。

まとめ

デベロッパーの年収は一般労働者の平均年収と比較しても高いほうで、大手になると年収1,000万円を超えるケースもあります。しかし、転職先として人気があり、倍率も高いことから転職するのは簡単ではありません。

そこで、デベロッパーへの就職・転職をゴールにするのではなく、発注者支援業務に就くことを目指してみるのもおすすめです。発注者支援業務は発注者(デベロッパーやコンサル、市役所など)の支援を行う仕事です。

発注者支援業務はダムやトンネルなど、大規模な公共工事に携われるのが魅力で、技術者としての最高峰の仕事ともいえます。ぜひ選択肢のひとつにしてみてください。