目次
【基本】施工管理の一日の流れ
施工管理に関する業務内容の一例を、出勤時から退勤時までのスケジュールに沿って解説します。
朝(7:00~8:30)
本社や事務所などのオフィスもしくは現場に出勤後、朝礼を行います。オフィスから現場に向かう場合もあるので、施工管理者は早めの時間帯の出勤が基本です。朝礼は次のような内容で行います。
・挨拶
・スケジュールや注意事項といった共有事項の確認
・安全チェック
・ラジオ体操
朝礼では、その日の工事に関わるメンバーに必要な情報を周知・共有します。また、事故防止のため、ヘルメットや安全靴などの点検、KY宣言(危険予知活動推進のための安全標語)などにも時間を使います。
午前(8:30~12:00)
朝礼後は、工事現場の巡回に入ります。巡回は、現場を回って工事の進捗や品質のチェック、安全確認などを行う業務です。現場の状況やスケジュールの進捗に応じて、適宜作業員へ指示を出します。
現場の写真撮影も施工管理の重要な業務です。各段階の施工が設計図通りに行われている証拠として現場を撮影し、写真を残します。抜け漏れがあると、後から工事の過程を確認できないため、欠かせない業務です。
もし巡回中に新たな危険箇所を見つけた場合は、作業員への注意喚起も行います。
午後(13:00~17:30)
昼休憩が終わった後は、午前中に引き続き現場巡回を行います。
巡回と並行してこの時間帯によく予定されるのが、工事関係者との打ち合わせです。打ち合わせでは、職人やクライアントのほか、協力会社、行政機関などと情報共有や各種調整を行います。
職人との間では、新たな危険箇所への安全策や工事遅延時のスケジュール調整などを話し合い、協力会社とは、資材の手配や搬入、設備の整備などについても協議します。
夜間(17:30~退勤まで)
現場作業が終了した後は、退勤までの間に事務作業を行います。主な作業内容は、安全管理のチェック、その日の進捗状況や工程表の確認、調整です。遅延が生じている場合は、工事の進行や作業の段取りを見直して、翌日以降に備えます。
そのほか、次のような事務作業にも従事します。
・撮影した現場写真の整理
・図面の確認や修正・変更
・発注書や請求書、行政へ提出する申請書などの作成
・日報の作成
また、原価管理も施工管理者が担う重要な業務のひとつです。コスト削減や利益の確保を目的に、資材費や人件費など、工事にかかる費用が予算内で収まっているかチェックします。
下記のページでは、共同エンジニアリングで働く施工管理者の業務内容と一日の流れを解説しています。ご興味のある方は、ぜひご覧ください。
職種紹介 建築エンジニアの各職種の特長、業務内容、1日の流れ
【シーン別】施工管理の一日の流れ
施工管理の仕事内容は、担当者の熟練度や工事の時期などによって違いがあります。次に、施工管理の一日の流れをシチュエーション別に解説します。
新人施工管理
新人施工管理者の仕事は、先輩のサポートや現場の清掃、写真撮影などを行います。施工管理には、工事に関連する幅広い知識と経験が求められるため、最初から1人で担当することはありません。ベテランの仕事を観察して、施工管理の業務の流れを把握します。
新人の一日の一例として、次のようなスケジュールで進みます。
▼スケジュール例
7:00~8:30 朝礼やスケジュール確認、業務引き継ぎなど
8:30~12:00 現場の巡回や写真撮影など
13:00~17:30 現場巡回の続きと事務作業
17:30~19:00 事務作業
朝礼の準備をはじめ、安全対策や業務効率にも影響する工事現場の掃除のほか、現場の写真撮影、新規で現場に入る作業員の管理なども新人が受け持つことの多い業務です。打ち合わせが少ない分、事務作業の割合が多くなります。
先輩のサポートがメインではあるものの、受け身の姿勢では大きな成長を期待できません。この時期に、先輩の許可を得ながら、少しずつ自分の考えや判断で行動できるように努力を重ねることが重要です。
夜間工事
日中の工事が難しい現場や大規模工事などで実施される夜間工事のスケジュールに合わせて、施工管理者も夜勤に従事します。夜勤の場合は、日中の業務終了後、休憩や仮眠を挟んで再度出勤し、朝まで勤務するハードなスケジュールとなるのが一般的です。
▼スケジュール例
7:00~8:30 朝礼やスケジュール確認、業務引き継ぎなど
8:30~12:00 現場の巡回や写真撮影など
13:00~17:30 現場巡回の続きと打ち合わせ
17:30~19:00 事務作業
19:00~23:00 休憩、仮眠
23:00~23:30 再度出勤、夜間工事の準備
23:30~5:00 工事現場の巡回や写真撮影、指示出しなど
5:00~7:00 工事終了、事務所に戻り事務作業 ※この日、7時以降の業務はなし
夜勤の時間帯に打ち合わせはあまりない分、日勤よりも業務負担は軽くなります。その反面、夜間に睡眠時間が取れない生活に慣れていないと、身体的な負担がかかってしまうのが難点です。不規則な生活に耐えられる肉体面、精神面の強さが必要となります。
デスクワーク中心
工事が減少する閑散期、もしくは天候の悪化で工事が行われない日は、デスクワークが中心です。基本的には、朝礼を済ませた後、図面や工程表のチェック、申請書類の作成、協力会社との打ち合わせなどを行います。
▼スケジュール例
7:00~8:30 朝礼やスケジュール確認、業務引き継ぎなど
8:30~19:00 事務作業、打ち合わせ
荒天で工事が中止になり続けると工期の遅れが発生するため、工程表の組み直しが重要な業務となります。
施工管理の労働時間と休日の実情
施工管理は業務内容が多岐にわたる忙しい仕事です。従来は週休2日制が定着しておらず、繁忙期には残業時間が長くなるほか、夜勤の現場もあるため、ブラックなイメージをもたれてきました。
しかし、長時間勤務が常態化した状況を変えようと、建設業界でも法改正により労働環境の整備が進められています。
労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間の法定労働時間が定められています。時間外労働や休日労働が発生する場合は、「36協定(※)」を締結しなければなりません。
※労働基準法第36条に基づく労使協定。通称「36(サブロク)協定」。36協定では「時間外労働を行う業務の種類」や「時間外労働の上限」などを決めなければならない。
36協定を結んだとしても、時間外労働の上限は「月45時間、年360時間以内」と定められています。ただし、これまで建設業界では、臨時的で特別な事情がある場合、年6か月までは時間外労働の上限が適用されませんでした。
ところが、2024年4月からは建設業界でも上限規制が適用され、原則として時間外労働は「月45時間、年360時間以内」に定められています。また、臨時的で特別な事情の場合にも次のような規定が設けられることになりました。
・時間外労働は年720時間が上限
・月45時間以上の時間外労働は年6回まで
・時間外労働と休日労働合計が月100時間未満、2~6か月間で平均80時間以内
さらに、時間外労働の是正と並行して、日本建設業連合会が建設業界における週休2日制を目指す動きも広がっています。今後は、建設業界全体で労働時間や休日などの適正な労務管理、環境整備が進んでいくでしょう。
出典:国土交通省「建設業の時間外労働規制対応」
出典:一般社団法人日本建設業連合会「週休二日実現行動計画」
施工管理は忙しくても魅力がある仕事!
幅広い知識と経験が必要とされる施工管理の仕事は、大変さや難しさがある一方で、他の仕事では得がたいやりがいや魅力もあります。
施工管理のやりがいや魅力については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
仕事の規模が大きく達成感を得られる
チームの力で幾多の苦難を乗り越え、完成した建造物を引き渡す際の達成感は、施工管理の仕事の醍醐味です。
担当する建造物は住宅や商業施設、トンネル、橋など、多岐にわたり、中には数千億円規模のプロジェクトもあります。施工管理を通じて、成果が形として長く残る仕事に携われる誇りや、自分の仕事が人々の暮らしを支えている実感も得られるはずです。
幅広い経験を積めるため成長できる
施工管理は、自分自身の成長を感じられる仕事です。多くの現場を経験するなかで、職人やクライアントなどと円滑なコミュニケーションが取れるようになり、徐々に仕事の規模も大きくなっていきます。
建設業界の関係者だけでなく、協力会社や行政機関など、異なる業界の人々と協働する機会が良い刺激となり、自己成長を促される環境です。
未経験からでも収入アップを目指せる
施工管理は、資格がなくても始められる仕事です。また、未経験からでもスタートできる職種です。建設業界は、人材不足を背景に転職市場でのニーズが高いことに加え、現場で経験を積ませて若手を育成する土壌があるからです。
この記事をお読みの方におすすめの求人
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まとめ
施工管理は、工事現場で工程管理や安全管理などを担う仕事です。繁忙期は残業も発生しますが、建設業界全体で働き方改革が推進され、労働環境の改善が進んでいます。大規模事業に関わる機会もあり、大きなやりがいを感じられる仕事です。
「未経験から手に職をつけてキャリアアップを目指したい」という方は、共同エンジニアリングをぜひご検討ください。作業着支給や資格取得支援制度、住宅補助など、充実した福利厚生を用意しています。施工管理に関心がある方はもちろん、興味はあるけどまずは話を聞いてみたいという方にもカジュアル面談をご用意しています。ぜひご応募をお待ちしております。