建設業で女性が働き続けられる職種と企業が取り組む支援活動

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性別にとらわれず、職業を自由に選択できる世の中に変わりつつあり、今まで男性中心だった業種に就職する女性も増えています。 なかでも、建設業界では慢性的な人材不足を解消するため、多くの企業が女性の労働力に注目しています。 とはいえ『男性の力仕事』というイメージがある建設業界で、女性がどのような職種で活躍しているのか」や、「ライフプランに柔軟に対応できる職種であるのか」など、気になる人も多いのではないでしょうか。 今回は建設業で女性が活躍する職種や、建設業界に女性が求められている理由を紹介します。企業が行っている女性のための就業支援策もあわせて紹介しますので、建設業に興味がある方は参考にしてみてください。

建設業で働く女性が活躍する職種

建設に関連する職種は多くあり、職種によって働き方が異なります。

ここでは女性の適性が活かせる職種を3つ紹介します。

建設現場の施工管理

建設現場では力仕事を行うイメージがありますが、施工管理は実作業を行うことはありません。施工管理は、建設現場の進捗・安全・予算などのさまざまな管理を行い、指揮をとることが主な仕事です。

建設現場に関わる人をとりまとめるコミュニケーション能力や、きめ細かい気遣いや配慮は、男性よりも女性に適性があることが多いといわれています。

また、危険な箇所を察知する能力は、男性よりも女性の方が優れているという意見もあり、今後、女性の施工管理者の増加が期待されています。

建築物の設計を行う建築士

建築士は、建築物の設計や工事の監理を行うことが主な仕事です。女性目線で建設物をイメージし、設計する感性、柔軟に対応できるスキルは、発注者に評価される傾向にあります。男性とは異なる目線で設計できるため、顧客の満足度に影響します。

また、ゼネコンでは、日々の業務を分業しているところが多くあります。分業することで社員にかかる負担を分散でき、ライフワークバランスの確保が実現します。仕事と家庭を両立させやすいことを理由に建築士になる女性も少なくありません。

リモートワークでも可能なCADオペレーター

CADオペレーターは設計士の指示を受け、CADソフトを使って図面の修正や調整、制作することが主な仕事です。

女性は特に「人が言いたいことを察知する能力に長けている」傾向があるため、建築士や設計士の意図を汲み取ることが得意です。また、作業が丁寧であることも女性ならではの特性といえます。

また、ほかの職種に比べて、CADオペレーターは外での打ち合わせ回数が少ない点や、自宅にPCとインターネット環境が揃っていれば、リモートワークを行いやすい職種です。リモートワークであれば育児、家事と両立しやすく、実際に家事と両立しながら活躍している女性も珍しくありません。

建設業で女性の活躍が期待される背景

建設業界では、女性の活躍に期待し、女性の就業を後押しする動きが高まっています。実際に、国土交通省でも建設業における女性の定着に向けて取り組んでいます。

参考:国土交通省「建設産業における女性の定着促進に向けた取組について

ここからは、建設業界が女性の活躍が期待される理由を説明します。

女性の特性である気遣いや視点

建設業界は男性が多く活躍する業界ですが、男性目線だけでは趣向の偏りが発生してしまうおそれがあります。

男性目線で見落としてしまった部分に、女性目線の気遣いや視点・意見を反映させることで、さらなる事業の発展が期待できます。

誰とでも打ち解けるコミュニケーション能力

人によって資質は異なるものですが、一般的に女性は男性よりも共感性が高く、コミュニケーション能力が高い人が多いといわれています。

分業が多い建設現場では、仕事を滞りなく進めるために人との関わりは不可欠です。女性が持つ共感力を活かした対応が望まれることが多くあります。

建設業界の深刻な人材不足問題

建設業界は、都市再開発による建設ラッシュや災害復興など、建設需要が高まっているため仕事は増加傾向にあります。

しかし、「建設業離れと職人の高齢化で若年層が少ない」「比較的厳しい労働環境による離職率の高さ」などが原因で、建設業界は慢性的な人手不足です。

このような慢性的な人材不足の解決策のひとつに、女性の採用を積極的に行うようになった背景があります。

建設業における女性人材の就業について考える

総務省が調査した結果をもとに、「建設業界における女性就業者の比率の推移」と、企業が行っている「女性の活躍を促進するために働き手を増やす取り組み」について説明します。

建設業における女性就業者の比率

総務省の「労働力調査」※によると、建設業における女性の就業数は約81万人です。(2021年8月調べ)

2012年に約70万人だった建設業の女性就業者は、2020年に約82万人になり、その比率は13.9%から16.7%に上がっています。

建設ラッシュだった2019年を過ぎて、割合は低下しましたが、建設業界で働く女性は増加傾向が続くと見られます。

また、大学から新卒で建設技術者として就職する女性も増えています。2012年の1,846人から2021年には4,053人に増加し、女性比率も2012年の15.7%から2021年の23.1%に上昇しています。

以上のデータからも、建設業における女性の就業者が増え続けていることがわかります。今後、さらに建設業での女性の活躍が期待されています。

参照元:総務省「労働力調査」(「労働力調査」は、全国の100万調査区から毎月選定される2900調査区において、抽出された各15戸を、調査員が訪問して行う標本調査)

女性が活躍するために建設業で行われている取り組み

建設業での女性の活躍機会を増やすために、入職支援を行う企業も増えています。具体的な入職支援の内容として、以下のことが挙げられます。

女子学生が建設業を身近に感じられる機会を提供

女性の人材採用に積極的な企業では、学生向けに合同説明会やインターンシップが行っています。女性技術者の講義なども行われています。

女性技術者の言葉を直接聞くことで、学生が建設業に従事したあとの自分の姿を具体的にイメージでき、建設会社を身近に感じられます。

女性人材の定着率を上げる

定着率を上げるために、ハラスメント防止・性差別を防止する整備、また、労働環境の改善も行われています。具体的には、女性用トイレやロッカーを設置するなどのハード面の整備を充実させるなどです。

柔軟な働き方の導入

結婚・出産・育児・介護など、数あるライフイベントに柔軟に対応できる環境も整いつつあります。これは男女に関わりません。

在宅勤務や短時間勤務など、仕事と生活の両立がしやすいように働き方の選択肢は増えつつあります。

まとめ

「男性の肉体労働」というイメージが強い建設業ですが、建設業は力仕事だけではありません。女性ならではのスキルや感性を強みにして、建設業で活躍している女性は多くいます。

女性が生活と両立しながら活躍できる職種や、企業の就業支援策によって建設業は変わりつつあり、働く女性は今後も増えていくと考えられます。

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