O&Mとは?運用と保守の業務内容や職種を解説

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技術と知識を有するエンジニアの需要は高く、O&M(オペレーション&メンテナンス)分野においても多くの求人案件があります。一方でエンジニアの中にはO&Mの具体的な業務内容がわからず、求人応募に踏み込めない方もいるのではないでしょうか。 ここではエンジニアの仕事のひとつ、O&Mについて業務内容や募集されている職種を解説します。

「O&M」とは

O&MはOperation(運用)&Maintenance(保守)の略で、太陽光発電設備を含むさまざまな機械設備を設置した後に行われる運用や保守のことを意味しています。自社で運営する施設のほか、オーナーの代行として自社が手がけた施工や設備に対して行う運用・保守業務もO&Mの一種です。

O&Mの目的

O&Mの目的は、故障や不具合などのトラブルを未然に防ぎ、安心安全な機械設備の稼働を維持することです。

設備トラブルは内部の状態だけではなく、外部の事象が起因することもあります。たとえば屋外に設置する機械の場合、直射日光や暴風雨、人間や動物のいたずらなどが故障の要因となります。

経年劣化も加味して、いずれ必ず訪れる機械設備のトラブルを防いだり、被害を最小限に抑えたりするための対処としてO&Mが欠かせません。

O&Mの必要性

O&Mは機械が問題なく稼働し続けるために必要な業務です。機械設備のメンテナンスが不十分だと、通常は防げるはずのトラブルが生じるリスクが高くなります。

たとえば、定期的な修理や部品交換、配線ミスの確認などを怠ると、ショートや漏電、焼損が起こる可能性が高まります。火災の発生につながるおそれがあり、多大な損失になりかねません。故障や設備の焼失を免れたとしても、メンテナンスしていなければ発電効率が低下してしまいます。特に社会インフラに関わる設備であれば、人々の生活に影響を及ぼします。

上記の理由から、O&Mは安全な状態を維持し長期的な運用を実現させる重要な役割を担っているのです。

「O&M」における業務内容

O&Mに該当する業務は多岐にわたります。大きくわけると、その名のとおり「運用」「保守」の2分野です。

ここでは運用と保守それぞれの主な業務内容を解説します。

【運用】オペレーションの業務内容

O&Mの「運用」に該当する業務は、オペレーションに関わる業務全般です。取り扱う機械によって細部は多少異なるものの、運転管理に関わるすべての作業が該当します。

運転管理

運転管理は、機械設備を効率的に運転するための業務です。施設規模と顧客の要望を考慮した適切な人員配置や、運転管理マニュアル通りに運転できているかを監視します。人員配置は必要な人数だけではなく、作業内容に応じた必要資格やスキル、緊急時の体制も視野に入れて決定しなくてはなりません。

機械設備の運転に問題が生じないか監視することはもちろん、人員配置をはじめとした適切な環境づくりも必要です。

【保守】メンテナンスの業務内容

O&Mの「保守」にあたる業務は、定期点検や法定点検、予防保全などメンテナンス全般を指します。ここでは定期点検・法定点検と予防保全のふたつにわけて解説します。

定期点検・法定点検

設備機器の摩耗や部品の経年劣化など、トラブルの中には事前に点検を行うことで防げるものも少なくありません。異常が起こる前に定期的な保守点検を行い、機能低下や故障が起こっていないか確認することで事故防止につながります。

保守点検として行われるのは、社内で規定した期間に基づいて行われる定期点検と、法律で定められた時期を目安に行われる法定点検のふたつです。

予防保全

予防保全では、突発的な不具合に備えるためのメンテナンスを行います。機械設備を長持ちさせ、更新の時期を延長させる役割です。異常や劣化のある部分を修理するだけではなく、維持管理や更新を戦略的に実施します。

あらかじめトラブルに備える予防保全に対して、対症療法的に異常のある部分を修理する作業は、事後保全と呼ばれます。

「O&M」に関する職種

O&M関連の業務が必要とされる業界は、多岐にわたります。多くの業界で求められているO&Mに関する職種は、下記のふたつです。

運転管理員

運転管理員の仕事は、機械設備や電気設備における稼働状況の監視及び定期点検です。

たとえば発電所の場合、夏季や冬季はエアコンやイルミネーションの使用にともない電気使用量が増加しますが、電気は石油や天然ガスのように大量に貯蔵することができません。使用量に応じた電気を発電するためには、安定的に電気を作り出す必要があります。そのため、設備の稼働を調整したり、安定供給できるよう監視やメンテナンスを行ったりする作業が重要なのです。

運転管理は、運転担当と保守担当にわかれます。運転担当は、計画通りに稼働できているか確認し、機器の監視・制御を行います。保守担当は、設備に異常がないか点検し、必要であれば消耗品・部品の交換を行います。

整備員

O&Mは整備員として募集されることもあります。主な業務は事業所内の機械設備や電気設備の補修、部品交換・修理です。

各設備は、設置場所の環境や目的を考慮して設計されています。とはいえ長期間使用し続けるには、消耗品や部品の交換、微細な傷の補修作業などが必要です。ただ摩耗した部品を交換するだけではなく、設置環境や耐久性も考慮して作業しなくてはなりません。

運転管理員と同じく、長期的に安心安全な運用ができるよう設備を維持するための仕事です。

「O&M職」の魅力

O&Mは、モノづくり大国である日本において安定した職種であり手に職をつけられるメリットがあります。

専門的な知識や技術の習得はもちろん、収入アップに直結する資格の取得を目指せる点も大きな魅力です。将来的なステップアップを視野に入れている方にとって、履歴書や職務経歴書に明確な資格名や専門性の高い業務内容を記載できることは自信にもつながります。

O&Mは、SDGs目標⑦エネルギーをみんなにそしてクリーンにもあたり、再生可能エネルギー分野にもあたり、人々の生活を支えるインフラを維持するために欠かせない重要な存在です。自分の仕事が人々の生活や国の基盤を支えることに、大きな責任とやりがいを感じられます。

O&M職なら共同エンジニアリング!

O&M職は、さまざまな業界で需要の高い仕事です。共同エンジニアリングのO&M事業では、各種プラント施設において幅広い業務を体験できます。たとえば機器の巡回、点検業務、メンテナンス、制御室での運転監視、管理などの保守・操業に関わる仕事です。

O&M職は未経験からでもチャレンジできます。とくに共同エンジニアリングは未経験者向けの育成プログラムを完備した建設コンサルティング会社として、これまで多くの方の建設業界デビューをサポートしてきました。

入社時研修はもちろん、OJT研修、専門技術研修など、豊富な研修制度が魅力です。施工管理経験20~30年のプロを講師に、各ステップでレベルの高い研修が受けられます。

共同エンジニアリングのO&M部の魅力はこちら(現場が、人が、未経験でも成長を後押し!知られざるO&M部の魅力とその未来)

まとめ

業務用・家庭用問わず機械設備にはO&Mが必要不可欠です。適切な運転管理と定期的な保全作業によって機械設備の機能低下を防いだり、トラブルを未然に防いだりできます。

エンジニアとしてのキャリア形成を検討している方は、共同エンジニアリングでO&Mに挑戦してみてはいかがでしょうか。運転と保守に関わるさまざまな業務を経験でき、未経験からでもステップアップできます。