介護職から転職するなら？活かせるスキルとおすすめの職種

「仕事がきつい」「賃金と仕事量が見合わない」など、さまざまな理由で、介護職からの転職を考えている方はいるでしょう。今回は、介護職から新たなキャリアを築くための情報をお届けします。今までの経験を新たなフィールドで発揮したいという方は、ぜひ最後までお読みください。

介護職から転職する理由

介護業界で働く人々が転職を考える背景には、業界特有の悩みやライフスタイルの変化など、さまざまな理由があります。

人間関係の悩みがある

介護業界では、利用者やその家族、他の職員や関連機関など、多くの方と関わる機会があります。そのため、対人関係のストレスが積み重なることも少なくありません。利用者一人ひとりに寄り添う仕事の性質上、感情的な負担も大きくなり、人間関係の難しさが転職を考える一因となることがあります。

ライフスタイルが変化した

結婚や出産など、ライフイベントにより生活のリズムが変わると、夜勤や不規則な勤務が多い介護職の働き方が合わなくなることがあります。特に、家族との時間を確保したい場合や、育児・家事との両立が難しい場合、より安定した勤務形態の職種に転職を希望する傾向が強くなります。

仕事内容と給与が見合わない

介護職は、身体的に大きい負担がかかる業務や、精神的なストレスが続く場面が多い一方で、給与が低く、昇給の機会も限られがちです。こうした状況に対する不満が積み重なり、仕事に見合った収入を得られる職種への転職を検討する方が増えています。

人手不足で負担が大きい

介護業界では人手不足が深刻な課題となっており、1人あたりの仕事量が多く、休みが取りづらい環境が続いています。その結果、疲労やストレスが蓄積しやすく、心身ともに疲弊してしまうことが、転職を検討するきっかけになります。

キャリアアップの見通しが立ちにくい

介護職は、目に見える成果を示しにくく、努力が直接的に評価に結びつかないことが多々あります。また、人事評価制度が確立されていない職場も多く、将来的なキャリアアップの見通しが立てにくいというのも課題です。このような状況下で、自分の成長を実感しづらいため、別の職種でのキャリアアップを目指す方が増えています。

介護職出身者が転職に活かせる強みやスキル

ここでは、介護職で培われるスキルや経験のうち、特に転職時に役立つものを4つ紹介します。

コミュニケーション力

介護職の仕事では、利用者やその家族と日常的に接し、信頼関係を築きながら支援することが求められます。こうした経験で磨かれるコミュニケーション力は、転職先でも相手のニーズを的確に把握し、柔軟に対応することに役立ちます。

体力・精神力

介護職は身体的な負担が大きく、日常的に体力が必要とされます。また、利用者の変化や相談に柔軟に対応する中で培われた忍耐力やストレスコントロールの力も備わっています。こうした体力と精神力は、転職先でも基本的なスキルとして大きな助けとなるでしょう。

協調性

介護現場では、医師や看護師、リハビリスタッフなど、他職種の専門家と情報共有しながら協力する場面が多くあります。さまざまな職種と連携して働く協調性が備わっていることは、異業種でもチームワークを重視する場面で役立ちます。

マネジメント力

介護業界で長年働いてきた経験がある方は、リーダーや管理職としての役割を担ってきた場合も多いでしょう。チームをまとめたり、後輩を指導したりすることで得たマネジメント力は、特に組織でのマネジメント経験が求められる職種において、大きな武器となります。

介護職からの転職先1｜介護職に似た職種

介護職からの転職を考える際、これまで培ってきた知識やスキルを活かせる職種を選ぶと、スムーズに新しい職場環境に適応しやすくなります。特に「人をケアする」仕事に共通点がある職種は、介護職での経験が活かしやすいでしょう。ここでは、介護職と類似した職種について詳しく紹介します。

保育士・児童福祉施設の職員

保育士や児童福祉施設の職員は、子どもの成長や生活をサポートする職種であり、人をケアするという点では介護職と共通しています。特に、子どもの心身の発達を支えるために、コミュニケーション能力や忍耐力が重要なスキルとなります。介護の現場で培った人への気配りや観察力を活かし、子どものケアに貢献できるでしょう。

看護師

看護師は、医療機関で患者のケアを行う仕事であり、特に高齢者を対象とする場合には、介護職での知識や経験が役立ちます。介護で学んだ基本的なケア技術や、患者とのコミュニケーション方法は、看護の現場で必要とされるスキルです。また、介護職で身につけた体力や精神的な強さも、看護の仕事に生かせます。

リハビリ職

リハビリ職は、患者の身体機能を回復させるためにサポートする仕事で、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの職種があります。介護現場で培った身体の構造やケアに関する知識は、リハビリテーションの現場でも重要です。また、患者に寄り添う姿勢や励ます力も、リハビリ職において有用なスキルとなります。

医療事務

医療事務は、医療機関での受付やカルテ管理、会計などを担当する事務職です。介護職で培った患者対応のスキルや、医療に関する基本的な知識が活かせる場面が多く、介護職からの転職先として適しています。また、事務職なので体力面での負担が少ない点も、介護職からの転職先として魅力的です。

障がい者施設の職員

障がい者施設の職員は、障がいのある方が生活する施設でのケアや、就労を支援する施設でのサポートを行う仕事です。介護職と同様に、利用者の生活の質を高めるためのサポートが求められます。介護の現場で培った柔軟な対応力や支援技術を活かし、利用者に寄り添いながら支援ができる職種です。

介護職からの転職先2｜介護職の強みを活かせる職種

介護業界で培ったスキルや知識は、多くの職種で活かせる場面があります。ここでは、介護経験を活かしやすい職種をいくつか紹介します。

接客

介護職で身に付けた、相手に寄り添うコミュニケーション能力や丁寧なサービス提供の姿勢は、接客業で大いに活かされます。特に相手のニーズを敏感に察知し、迅速に対応するスキルは、ホテルや飲食業などの接客業で重宝されるでしょう。

営業

介護職で鍛えられたコミュニケーション能力は、営業職でも活かすことができます。中でも、介護用品メーカーや介護業界に特化した転職情報サイト、医療機関・介護施設向けの業務管理システムの開発会社など、介護業界の知識が求められる分野では就職に有利です。

顧客のニーズに寄り添いながら提案する力が求められるため、介護職で培った対人スキルが活用できます。

キャリアアドバイザー

介護業界専門の転職エージェントでキャリアアドバイザーとして働くのも良い選択肢です。介護の現場を知るからこそ、転職希望者にリアルな情報を提供できます。介護業界の魅力や実情を伝えることで、相手に安心感を与えられるでしょう。また、コミュニケーション能力とサポート力も存分に発揮できる仕事です。

心理カウンセラー

介護経験を活かして、心理カウンセラーとして医療機関や児童相談所、学校、心身障がい者福祉センターなどで働く道もあります。心理カウンセラーは、人の心に寄り添い、話を聞くことが求められる職種です。介護職で培った人を支える力や共感力を活かし、困難を抱える人々をサポートすることにやりがいを感じる方に適しています。

施工管理

リーダーや管理職としての経験がある介護職の方は、施工管理の仕事も視野に入れてみてはいかがでしょうか。施工管理職では、現場のマネジメント力が求められ、チームをまとめ、指導・育成する能力が重視されます。介護の現場で培ったマネジメント力やリーダーシップ、部下を育成した経験を大いに活かせるでしょう。

また、経験を積むことでキャリアアップも目指せる為、自分の成長を実感しやすいのも特徴です。施工管理の仕事について詳しくはこちらの記事もご覧ください。

施工管理の仕事とは？職種ややりがいについて解説