転職して年収が下がる人の割合は30%以上
厚生労働省の調査によると、令和4年に転職した方のなかで、前職よりも年収が下がった方は33.9%、転職して年収が上がった方は34.9%でした。この調査結果から判断すると、一概に転職して年収が下がるとはいえません。
出典:厚生労働省「令和4年 雇用動向調査結果の概要」
転職して年収が下がるケースとは
ここでは、転職して年収が下がるケースを4つ紹介します。
未経験の業界・職種に転職した
未経験の業界・職種への転職は、これまでの経験やスキルが活かしにくく、年収が下がる可能性があります。例えば「介護職」→「ITエンジニア」といった転職の場合、介護職で培った専門的な知識・スキルは、IT業界では活かしにくいでしょう。そのため転職では前職と同業界、同職種の仕事先を選ぶのがセオリーです。
しかし、未経験でも給与水準の高い業界や職種を選べば年収は下がらずに済みます。異業種転職は簡単ではありませんが、思い切って挑戦してみるのも良いでしょう。
前職より役職や階級が下がった
係長や部長などの役職に就くと、役職手当が支給されることがほとんどです。そのため「管理職」→「一般社員」といったように、役職や階級が下がった場合には、それに比例して給与が下がるケースがあります。
30代や40代はある程度キャリアを積んで役職に就くケースが多い年代であり、その時期に転職すれば役職が変わる可能性は十分にあります。反対に、転職によって役職が上がれば、年収アップも期待できるでしょう。
給与体系が変わった
企業によって給与体系は異なります。例えば、前職でインセンティブ制度が導入されていた場合には、基本給与にインセンティブが加算されて給与が増加します。そのうえで転職先にインセンティブ制度がなければ、給与が下がる可能性があるでしょう。
賞与に関しても、「〇〇か月分」と支給額は企業によってさまざまであるため、毎月の給与が前職と同等でも年収は下がる場合があります。
労働時間が短くなった
前職で残業手当によって高い給与を得ていた場合は、転職先で残業が減れば給与が下がる可能性を想定しなければなりません。とくに近年は働き方改革などで残業を減らす取り組みをしている企業が増えています。
【判断基準】年収が下がっても転職すべきか迷ったときは?
人生において転職は大きな転機であり、慎重になるのも無理はありません。年収が下がっても転職すべきか判断に迷ったときは、以下を参考にしてみてください。
年収が下がる許容範囲は「1割」が目安
年収が大幅に下がると、生活水準の維持が難しくなる可能性があります。現在の年収からどのくらい下がっても問題ないのか、判断基準に悩む場合は「1割」を目安にしてみてください。
年収が1割下がる程度であれば、経済面で大きなダメージはない範囲といえます。仮に年収が400万円だったとすると1割は40万円であり、360万円までが許容範囲です。
とはいえ、許容範囲の目安は個人の状況やライフスタイルによって変わってくるため、生活に必要なお金を計算したうえで検討してみてください。
どうしてもやりたい仕事なら転職したほうが良い
どうしてもやりたい仕事がある場合は、多少年収が下がっても挑戦することをおすすめします。
やりたい仕事に就いたほうがモチベーション高く働くことができ、成長のスピードも早くなります。成長して結果が出せるようになれば、結果的に年収もアップするでしょう。
生涯年収が上がりそうなら転職の価値あり
生涯年収とは、給与・賞与・退職金などを含めた、一生の間に手にするお金のことです。転職して一時的に年収が下がったとしても、キャリアアップなどで将来的に年収が上がる可能性があるならば、転職する価値は十分にあるでしょう。
年収を上げる転職の方法
転職の方法次第では年収を上げることも可能です。ここでは、転職で年収を上げる方法を3つ紹介します。
給与水準の高い業界・職種へ転職する
給与水準は業界や職種によってさまざまです。未経験でも前職より給与水準の高い業界・職種へ転職すれば、年収を上げることができるでしょう。求人サイトや求人誌などを活用して、どの業界・職種の給与水準が高いか調べてみてください。
なお、厚生労働省の調査では「電気・ガス・熱供給・水道業」が約40万円と最も高く、次いで「学術研究、専門・技術サービス業」が約38万円となっています。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
年収交渉をする
選考の過程で年収交渉をして、成功すれば年収を上げられる可能性があります。しかし、常識外れの希望年収を提示したり、交渉を切り出すタイミングを間違えたりすれば、かえってマイナスな印象を与える点には注意が必要です。
年収交渉を成功させるためには、以下4つのポイントを押さえておきましょう。
1.自分の市場価値を把握する
自分と同じ年齢、経験、スキルを有する方が、どのくらいの年収を得ているのか把握することが大切です。労働統計や求人サイト、企業の求人情報などを利用して調べてみてください。
2.希望する業界・職種の年収相場を調べて年収を決める
年収相場から大きく外れた希望年収を提示すると「常識のない人」と思われてしまいます。労働統計や求人サイト、企業の求人情報などを利用して転職先の年収相場を予想し、自分の市場価値と照らし合わせて希望する年収を決めましょう。
3.年収を上げるメリットを伝える
年収を上げることは企業にとって人件費が増えることであるため、ただ「年収を上げてほしい」と伝えても交渉は失敗する可能性があります。年収を上げる代わりにどのようなメリットが得られるのか、企業にどう貢献できるのかを伝えましょう。
4.年収交渉のタイミングは内定後のオファー面談
内定後は、企業側があなたを前向き採用したいと考えているタイミングであるため、年収交渉が有利に進みやすくなります。しかし、面接の段階で希望年収について聞かれた場合は、そのタイミングで給与交渉をするのが良いでしょう。
専門的なスキルを身につけてから転職する
資格を取得したりスクールに通ったりしてスキルを習得してから、専門性のある仕事に転職するのも、年収を上げるひとつの手段です。専門性の要求される仕事は年収が高めに設定される傾向にあります。専門性の高い仕事に就くには相応の努力が必要ですが、安定したキャリアを築くうえでもおすすめです。
まとめ
異業種に転職したり給与体系が変わったりすれば、年収が下がる可能性があります。しかし、どうしてもやりたい仕事がある場合は、後悔しないために転職するのがおすすめです。給与水準の高い業界・職種に転職すれば年収アップを期待できます。
また、転職先選びにおいて年収は重要な要素ですが、年収以外にも大事なポイントはあります。職場の雰囲気(社風)が自分に合っているかや、将来性が高いか、希望の柔軟な働き方が可能かなど、複合的な視点で転職活動を進めてみましょう。
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