目次
CAD資格は意味がない?
CADオペレーターとして働くために、資格は必須ではありません。実際、CADの関連資格を取得しなくても、CADオペレーターとして活躍している人は多くいます。しかし、資格の取得に意味がないわけではありません。
次項で詳しく説明しますが、CADの関連資格を取得すると、有利に転職できます。さらに業務効率のアップにつながるなどのメリットも多くあります。これからCADオペレーターとして働きたい方は、ぜひ資格取得を検討してみてください。
CAD資格を取得するメリットは多い!
ここでは、CAD資格を取得するメリットを3つ紹介します。
就職・転職活動でアピールできる
資格を取得することで、一定のスキルを有していることを証明できます。CADオペレーター未経験者は経験者と比べてアピールできる実績や経験が少なく、就職・転職では不利になることも少なくありません。就職・転職を有利に進めるために、未経験者が資格を取得してアピール材料を増やすのは得策です。
また、資格を取得するには多くの時間や労力が必要です。ゆえに資格を取得すれば、入社意欲や成長意欲、熱意も評価されます。勉強中の資格も履歴書に記載できるため、就職・転職活動と併行して資格取得をするのがおすすめです。
業務効率が上がる
資格取得を通じてCADのスキルを上げられる点がメリットです。CADのスキルを高めることで成果物のクオリティも上がり、デザイナーやクライアントから高く評価されます。
また、資格取得によって作業効率がアップし、行える業務量が増えれば企業全体の生産性にも貢献できます。その結果、優秀なCADオペレーターは、貴重な社員として重宝されるでしょう。
そのほか、効率良く業務ができるとモチベーションも上がり、成長が早くなる点もメリットです。
給与が上がる
企業によって、特定の資格を取得した人に対して手当を支給している場合があります。手当の支給方法や条件は企業によってさまざまですが、毎月の基本給にプラスされる「資格手当」「技能手当」と、資格を取得したときに一度だけ支給される「合格報奨金」の主に2種類があります。
会社員として働き、収入を上げるのは容易ではありません。しかし、資格手当であれば「資格を取得する」というわかりやすい条件があるため、給与アップも目指しやすくなります。また、資格取得によってスキルや熱意が評価されれば、昇進・昇給にもつながります。
CAD資格の主な種類
CADに関連する資格は種類が多く、どの資格を取得すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。ここでは、代表的なCAD資格を5つピックアップして紹介します。
就職・転職を有利にするには、資格の選定も重要です。下記を参考に、志望先に役立つ資格を確認してみてください。
CAD利用技術者試験
CAD利用技術者試験は「一般社団法人 コンピュータソフトウェア協会」が実施している試験で、大きく分けて「2次元CAD利用技術者試験」と「3次元CAD利用技術者試験」の2種類があります。
2次元CAD利用技術者試験では、「基礎」「2級」「1級」と3つのレベルにわかれています。試験勉強を通じて、CADシステムの概要と機能、CADシステムの基本機能、製図などを身につけられます。
3次元CAD利用技術者試験も、「2級」「準1級」「1級」と3つのレベルにわかれています。試験勉強を通じて、2次元図面からのパーツモデル作成能力や空間把握能力を身につけられます。
下記の記事では、CAD利用技術者試験の概要や取得するメリットについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
出典: ACSP 一般社団法人コンピュータ教育振興協会「CAD利用技術者試験」
建築CAD検定
建築CAD検定は、「一般社団法人 全国建築CAD連盟」が主催する日本初の建築CADの資格試験です。1993年に誕生した歴史ある資格試験で、全国でCAD教育を実施する大学や高専、職業訓練校といった各種スクールに加え、多くの建設関連企業が取得を推奨しています。
建築CAD検定には「4級」「3級」「2級」「準1級」の4つの等級があり、いずれも建築関連の製図「実技試験のみ」である点が特徴です。そのため、試験勉強を通じてCADの知識だけでなく、CADシステムを使って正しくトレースする実践的な技能が身につけられます。
出典:一般社団法人 全国建築CAD連盟「建築 CAD検定」
オートデスク認定資格プログラム
オートデスク認定資格プログラムは、「オートデスク社」が認定する世界共通の資格試験です。試験では、AutoCADやRevitなどのオートデスク社のCADソフトを扱うスキルが問われます。日本では学生や初級ユーザーを対象とした「オートデスク認定ユーザー」が受講可能です。
資格を取得すれば、実践的なCAD操作のスキルを証明できるほか、グローバルに展開している企業への転職にも有利になります。
試験はいつでも受験できますが、試験日は各試験会場により異なるため、全国のオートデスク認定試験センター(ACC)に問い合わせてみてください。
出典:株式会社マルハン「オートデスク認定資格プログラム」
CADデザインマスター
CADデザインマスターは、「日本デザインプランナー協会」が主催している資格試験です。試験勉強を通じて、世界で広く使われている「AutoCAD」や2次元汎用CADである「Jw_cad」を活用し、的確に製図する能力が身につけられます。
CADデザインマスターの資格は、建築・土木・機械・インテリア・不動産業など、あらゆる分野で役立つ点も魅力です。CADオペレーターとして複数の分野に携わりたい人や、転職先が明確に定まっていない人におすすめの資格です。受験要件はなく、インターネットから申し込み、在宅で受験できます。
出典:日本デザインプランナー協会【JDP】「CAD資格のCADデザインマスター認定試験」
CAD実務キャリア認定制度
CAD実務キャリア認定制度(TCADs)は、「一般社団法人 コステックエデュケーション」が主催している認定制度です。CADの操作スキルや図面の理解力・作成力が問われます。合否判定ではなくスコア制度となっており、学科試験と実技試験の合計で990点が満点です。試験科目は、「機械部門」と「建築部門」の2つにわかれており、どちらも受験資格はありません。
またTCADs以外にも、3Dモデリング知識や部品組み立てスキルなどが問われる「3次元CADトレーサー認定試験」「3次元CADアドミニストレーター認定試験」、CADの操作スキルや図形の製図が問われる「CADアドミニストレーター認定試験」もあります。
出典:CAD検定部会試験センター「実務キャリア認定制度」
CAD資格を取得するための学習方法を紹介
ここでは、CAD資格を取得するための学習方法を4つ紹介します。
参考書や動画コンテンツなどで独学する
資格取得としてスタンダードな方法が、参考書や動画コンテンツを用いて独学することです。参考書を活用すればテキスト代のほかにお金がかからず、動画コンテンツであれば無料で学習できます。自分のペースで学習を進めたい人や、お金をかけたくない人におすすめの学習方法です。
しかし、複雑な問題に直面した際に挫折しやすい点と、モチベーションの継続が難しい点はデメリットといえます。
独学で効率良くスキルを習得したい場合は、知識のインプットだけでなく、アウトプットとして実際にPCを用いて製図してみることをおすすめします。
スクールで習う
独学が難しい場合は、CADが学べるスクールで習うのが有効です。スクールであれば、難しい問題に直面した場合でも、講師に直接質問して解決できます。また、用意されたカリキュラムに沿って体系的に学べるため、効率良くスキルアップできる点もメリットです。しかし、お金がかかる点や自分のペースで学習できない点はデメリットといえます。
スクールを選ぶ際は、料金やサポート内容の充実度、講師の教え方などを比較してみてください。可能であれば、無料授業を受けてみるのもおすすめです。
職業訓練を受ける
「お金をかけずに講師から教わりたい」といった場合は、公的職業訓練(ハロートレーニング)を受けると良いでしょう。スクールに通うとなると数十万円程度の費用がかかりますが、公的職業訓練の場合は、テキスト代以外無料でCADオペレーターとして必要なスキルを学べます。
一定の条件を満たしていれば受講手当や通所手当など、お金をもらいながら受講できる点もメリットです。
しかし、公的職業訓練は原則として離職者を対象としており、週に5日受講する必要がある点は、該当しない方や週に5日を勉強に当てられない方にとってはデメリットといえます。また、就職を約束されていない点にも注意が必要です。
現場で働きながら学ぶ
CADオペレーターとして働きながら学ぶ方法もあります。実務を通じて効率的にCADスキルを習得可能です。
共同エンジニアリングは、未経験のCADオペレーターも積極的に採用しています。建設業界を熟知したベテラン講師が研修を担当し、建設全般の基礎からCADソフトの操作まで、実践的な知識とスキルを習得できます。
資格取得支援制度や資格手当もあるため、収入をアップしたい人にもおすすめです。お気軽にお問い合わせください。
まとめ
CADオペレーターになるために資格は必須ではありません。しかし、資格を取得することで、CAD操作スキルがアップするほか、就職・転職も有利になります。これからCADオペレーターを目指す人は、アピール材料を増やすために、ぜひ取得を検討してみてください。