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スーパーゼネコンとは?
ゼネコン「ゼネラル・コントラクター(General Contractor)」は、総合建設業者を指す言葉です。ゼネコンはマンションやビルをはじめ、公共事業や商業施設などの建設プロジェクトで全体的な管理と監督を担当します。それでは、スーパーゼネコンとはどのような意味なのでしょうか。
ここでは、スーパーゼネコンの意味と、似た言葉の大手ゼネコン、サブコンとの違いについて解説します。
スーパーゼネコンは建設大手のうち完成工事高上位5社のこと
スーパーゼネコンは、一般的なゼネコンよりも規模や能力が大きい建設会社を意味します。スーパーゼネコンの明確な定義はありませんが、建設大手のうち完成工事高上位5社を指すのが一般的です。スーパーゼネコンの売上高は1兆円以上といわれています。
準大手ゼネコン、サブコンとの違い
ひとくちに「ゼネコン」といっても、企業規模や売上高によってスーパーゼネコン、準大手ゼネコン、中堅ゼネコンなどと呼ばれる企業があります。
これらも明確な定義はありませんが、売上高が3,000億円以上のスーパーゼネコンを除くゼネコンを「準大手ゼネコン」と呼ぶケースが多いようです。また中堅ゼネコンは、売上高が1,000億円以上のスーパーゼネコンと準大手ゼネコンを除くゼネコンを指します。
サブコン「サブ・コントラクター(Subcontractor)」とは、ゼネコンから工事の一部を請け負う業者のことです。すなわちゼネコンが元請け、サブコンが下請けとなります。サブコンはゼネコンの指示を受け、特定の工事や専門業務を担当します。
スーパーゼネコン5社の特徴を比較
スーパーゼネコンと呼ばれる会社は以下の5社です。(2023年3月期決算時点)
・清水建設
・大林組
・大成建設
・鹿島建設
・竹中工務店
ここでは、スーパーゼネコンと呼ばれる5社の特徴と実績をいくつかピックアップしてご紹介します。
清水建設
清水建設は創業1804年と、非常に長い歴史と豊富な経験を持つ建設会社です。医療・福祉施設の受注高は国内ゼネコンの中でもトップであるうえに、社寺建築・伝統建築においても多くの実績を残しています。
【主な実績】
・ラビスタ東京ベイ
・平塚文化芸術ホール
・川西市立総合医療センター
・米子自動車道 船谷川橋
・Trinity Tower
大林組
大林組は従業員数が1万5,000人を超える建設会社です。国内だけでなく、東南アジアや北米、オセアニアなど、海外事業にも注力しています。またカーボンニュートラルの実現に向けて、再生可能エネルギーの発電事業にも取り組んでいます。
【主な実績】
・オーク港南品川ビル
・千本ダム堤体補強工事
・東京アクアティクスセンター
・AIA East Gateway
・市原ゴルフクラブ市原コースクラブハウス
大成建設
大成建設は創業150年を超える建設会社で、スーパーゼネコン5社のうち、唯一の非同族会社である点が特徴です。高層ビルやダム、発電所などの大規模工事に加え、一般向けの住宅も手掛けています。
【主な実績】
・大田市立病院
・帝蚕倉庫 横浜物流センター
・松戸物流センター
・新海面処分場Dブロック南側護岸
・西部石油 山口製油所新事務所棟
鹿島建設
鹿島建設はグループ会社数が多く、専門性の高さが大きな特徴です。企画から設計、施工、管理に至るすべてのフェーズで専門家同士が連携し、高い品質や効率性の向上に努めています。
【主な実績】
・横濱ゲートタワー
・中野セントラルパーク
・ホテルイースト21東京
・志木ニュータウン
・代官山再開発プロジェクト(代官山アドレス)
竹中工務店
大阪市に本社を構える竹中工務店は、スーパーゼネコンの中で唯一の非上場企業です。「匠の心=棟梁精神」を追求し、施工物は高い品質と信頼性が評価されています。建設事業に注力しており、日本武道館やあべのハルカスといった日本を代表する建築物も手掛けています。
【主な実績】
・渋谷 パルコ・ヒューリックビル
・ららぽーと福岡
・東京ミッドタウン八重洲
・大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター
・有明アリーナ
スーパーゼネコンへ転職するのは難しい?
スーパーゼネコンへの転職は一般的に難しいといわれています。なぜならスーパーゼネコンは企業規模が大きく、国内外で多くの大規模プロジェクトに関与していることから、非常に高いレベルのスキルや経験が求められるためです。即戦力となる実力がないと採用を勝ち取るのは難しいでしょう。
次項では、選考を有利に進める方法についてご紹介します。
スーパーゼネコンへの転職を有利に進める3つの方法
スーパーゼネコンへの転職を有利に進めたい場合は、万全に下準備や情報収集をすることが大事です。加えて、以下でご紹介する3つの方法を押さえておきましょう。
1.実務経験を積む
スーパーゼネコンでは一定のスキル・経験が求められるため、未経験から転職するのは困難です。職種にもよりますが、応募条件に実務経験3〜5年以上と記載されているケースが多い傾向にあります。
未経験からスーパーゼネコンを目指すのであれば、まずはゼネコンやサブコンなどで実務経験を積むとよいでしょう。さらに最新の建築技術や施工手法について常に学習し、専門知識を深めることが重要です。
2.資格を取得する
スーパーゼネコンは特定の資格を応募条件としているケースがあります。また応募条件に資格が記載されていなくても、仕事に関係する資格を取得すればアピールになります。
資格取得によって成長意欲や熱意を示せるため、人間性の面でも評価を得やすくなります。勉強中の資格も履歴書に記載できるため、時間のかかる資格は転職活動をしながら取得を目指すと良いでしょう。
3.転職支援サービスを利用する
転職の成功確率をより高めるために、転職支援サービスを利用するのがおすすめです。転職支援サービスではプロのキャリアアドバイザーによるサポートを受けられ、応募書類の作成や面接対策などのアドバイスがもらえます。
働きながらひとりで転職活動を進めるのは肉体的・精神的な負担も大きいため、転職事情に詳しいプロからサポートを受け、安心感を持って進めるとよいでしょう。
スーパーゼネコンを目指したいなら派遣という選択肢も
スーパーゼネコンへの転職は一般的に難しいとされているため、派遣を選択肢に入れるのもおすすめです。派遣の場合は、未経験でもスーパーゼネコンで働ける可能性があります。派遣としてスーパーゼネコンのプロジェクトに参画することで、実務経験を積むことが可能です。
また派遣を通じてスーパーゼネコンの現場に参加することで、関係性を築くチャンスを得られる場合があります。
共同エンジニアリングでは大手・準大手の取引先実績が600社以上あり、実際にスーパーゼネコンにも派遣しています。研修制度や教育プログラムも整っているため、スキルや経験に自信がなくても安心して働くことが可能です。スーパーゼネコンへの転職チャンスを掴みたい方はぜひご利用ください。
なお、施工管理派遣のメリットについては、以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
「施工管理派遣のメリット・デメリット!派遣会社を選ぶ3つのポイント」
まとめ
スーパーゼネコンとは建設大手のうち完成工事高上位5社のことを指し、ゼネコンよりも規模や能力が大きいのが特徴です。スーパーゼネコンでは求められるスキルや経験値が非常に高いため、転職するのは簡単ではありません。
スーパーゼネコンへの転職を目指す場合は、ゼネコンやサブコンで経験を積むとよいでしょう。また資格を取得したり、転職支援サービスの活用もおすすめです。万全な準備と対策をして転職を成功させましょう。