都市開発に携われる仕事とは。6つの職種と関わり方を紹介

この記事は約6分で読み終わります。

人々の生活を支えて、社会に大きな影響を与えることのできる都市開発は魅力的な仕事ですよね。都市開発に携わるには、どのような職に就けば良いのでしょうか。実は都市開発は、さまざまな視点から取り組むことができます。 そこで今回は、都市開発に携われる仕事について、職種と関わり方について解説します。

都市開発とは

都市開発とは、住みやすい街づくりと都市の発展のために、都市計画法に則っておこなわれる開発のことを指します。

日本では、昭和30年頃からの高度経済成長期により人口や諸機能が都市部に集中。きちんとしたインフラ整備が整えられないまま無秩序・無計画に街づくりがなされ、問題となりました。

その問題を改善すべく、国が昭和43年に都市計画法を制定しました。公園や道路などのインフラの整備、都市機能や防災性の向上、人口集中の緩和などを目的に、各地で都市開発がおこなわれるようになったのです。

都市開発の決定は、基本的に都道府県もしくは市町村がおこないます。まず都市開発を計画している地域の住民向けに公聴会を開き、住民の意見を反映したうえで都市計画案を作成という流れが基本です。

また都市開発は、15兆円を目途に策定された「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」とも関連があります。この対策は、気象災害の頻発化、高度経済成長期以降に整備されたインフラの老朽化などへ対応するためのものです。

都市開発に携われる6つの仕事

都市開発について理解したところで、ここからは都市開発に実際に携われる仕事について6つ紹介します。

ディベロッパー

ディベロッパーの仕事は主に4種類あり、土地の取得、開発計画・建築、売却・貸出、管理に分かれています。

まず企画や営業の部署が土地を探し出して売却交渉をおこない、土地が手に入ったら設計部署が建築士などと共に開発計画を練り、ゼネコンに建築を依頼します。土地の開発が終わったら入居者やテナントを募集し売却、その後は管理部署が売却した土地を管理します。

このようにディベロッパーは街づくり全体に携わる仕事です。そのため多くの部署が存在します。多くのディベロッパーは土地の取得から建物の販売をメインの業務としていますが、総合的な企業は建物の維持管理も担当するため、ソフト面(※)でも関わることができます。

また昨今の建物の管理業務は、ただ文字通り建物を管理するだけではありません。たとえば分譲マンションの共用部でイベントをおこなって住民同士のコミュニティ形成を支援し、建物に付加価値を付け、地域の活性化を図るということも業務のひとつです。

主体的に都市開発に携わりたい、という人はディベロッパーが向いているでしょう。

(※)ソフト面…建築物などの物的機能に対する付加価値。エリアマネジメントなど

ゼネコン

ゼネコンは設計や施工管理、研究などをおこなっている総合建設業者のことです。なかでも大成建設、清水建設、鹿島建設、大林組、竹中工務店の主要5社、いわゆるスーパーゼネコンと呼ばれる企業に、都市計画部署、もしくはそれに準ずる部署があります。

ゼネコンの主な業務である施工に繋げるための初期段階として、開発部署が仕事を取ってくるといった流れで、ゼネコンの都市開発部署は営業に近い仕事といえるでしょう。設計の前段階として開発計画の業務に関わることもあります。

スーパーゼネコンが施工を務める場合は、かなりスケールが大きく年単位で時間のかかるプロジェクトがほとんどでしょう。そうした大きなプロジェクトや、実際に建物を施工する側からとして都市開発に関わりたい人は、ゼネコンを検討してみてください。

組織設計事務所

組織設計事務所の仕事は、規模の大きい建物における建築のゾーニングやコンセプト、意匠、エンジニアリングなどを設計することです。基本的にディベロッパーやゼネコン、行政から受注して設計・都市開発をおこないます。

実際に建物が完成したあとに、どのように活用していくかといった検討のほか、会社の規模によっては行政からの発注で地域の活性化事業などの業務も担います。

設計や計画などを考えて発注側に提案するので、特に街づくりをしているという実感が持てる仕事です。都市開発について自分で考えて組み立てたいという人は、組織設計事務所が合っているかもしれません。

組織設計事務所では日建設計や三菱地所設計、日本設計などが有名ですが、小さな組織設計事務所では都市開発部署がない企業もあるので注意しましょう。

専門コンサルタント

専門コンサルタントとは、特定の領域に特化したコンサルティングをする仕事です。なかでも、都市開発と関連性が高い土木コンサルタントは、組織設計事務所と同様に建築のゾーニングやコンセプト、意匠、エンジニアリングなどを設計して、ディベロッパーやゼネコン、行政などに提案する仕事です。

組織設計事務所と異なるのは、都市計画におけるアプローチの仕方です。組織設計事務所は都市計画を練る際、建築物をもとに派生させて考えますが、土木コンサルタントでは橋などの構築物や景観から都市計画を考えます。

土木コンサルタント以外にも都市開発関連の仕事をしているコンサルタントは数多く存在します。専門のコンサルタント視点から都市開発に携わりたいと考えている人は、どのような視点から携わりたいのか考えてみましょう。

鉄道業界

鉄道業界の都市開発事業は、基本的にディベロッパーと同じ立場で都市開発をおこないます。ディベロッパーとの違いは、都市開発の主な目的が自身の沿線の利益増強である点です。

鉄道会社の強みは沿線周辺に多くの土地を持っていることでしょう。それらの土地で駅前の再開発をおこなったり、沿線の街をより魅力的にして人口を増やしたりなど、ディベロッパーとはまた違った視点で都市開発をおこなっていきます。

JRや京王電鉄、東京メトロなど都心や規模の大きい鉄道会社なら、たいてい都市開発部門があります。広い視野で都市開発に携わりたいという人は、鉄道業界への就職を考えてみてはいかがでしょうか。

公務員

公務員としても都市開発に携わることができます。主な例として挙げられるのは国土交通省、市役所、都道府県庁などです。

国土交通省では国土の開発推進から保全、土地政策や街づくり政策の推進、海上運送や航空運送事業の発展など、総合的な国土交通政策を担っています。

都市開発の基本計画や事業者との協議、事務業務以外に、建築や土木などについての業務を担当することもあり、仕事内容は多岐に渡ります。

市役所では、その土地ならではの歴史や伝統を活かした地域の活性化などに関わることができるなど、仕事全体が街づくりに繋がっているといっても過言ではありません。ですが、行政ということもあり民間企業などに比べると仕事の自由度はあまりないでしょう。

経済的に安定しながら堅実に都市開発に携わりたいという人は、公務員を視野に入れてみてください。

まとめ

都市開発に魅力を感じているけど、経験がなくて不安という人もいるでしょう。

共同エンジニアリングは、未経験者向けの育成プログラムを完備した建設コンサルティング会社です。国内建設事業、海外建設事業、プラント事業、アドミ事業の4つの事業において、主にエンジニアによる技術サポートを担っています。

共同エンジニアリングでは、施工管理サポートについて未経験者採用をおこなっています。施工管理では工事のスケジュール管理や職人の安全を守る安全管理、現場の写真撮影などの仕事で、未経験からでもチャレンジできるやりがいのある仕事です。

入社時研修やOJT研修、専門技術研修などさまざまな研修制度があるため、知識が0でも心配はいりません。またどの研修も施工管理経験20〜30年のプロが講師なので、レベルの高い研修が受けられます。

重いものを運んだり、実際に作業したりなどの業務は一切ありません。そのため女性も活躍できる現場です。最初はアシスタント業務から始めて、ゆくゆくは施工管理技士の国家資格を目指すこともできます。

施工管理に少しでも興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてください。