改修工事の施工管理とは?仕事内容ややりがいを徹底解説

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施工管理の業務は多岐にわたり、なかには改修工事の現場を担当する機会もあります。しかし、改修工事と新築の現場では業務内容がどう変わるのか、よくわからないと悩む方は多いのではないでしょうか。 今回は、改修工事における施工管理の業務内容について解説します。求められるスキルややりがいも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。

そもそも改修工事とは

改修工事とは、建物の劣化による破損部位や故障した部分を修理・修復して改善することをいいます。建物の修繕工事や補修工事、改造などの工事全般をさす言葉です。

まずは、改修工事の目的と新築工事との違いをみていきましょう。

改修工事の目的と内容

建物を改修する第一の目的は、破損や故障部位を補修して安全な状態に戻すことです。

破損を放置すると、その部分から全体にダメージが広がる可能性があるため危険です。そのため定期的に改修することで、耐久性を維持できます。

そのほか、耐震補強やバリアフリー化、省エネ性能の向上などのアップグレードも改修の目的のひとつです。家族の人数やライフスタイルの変化で住まいに不自由さを感じているときに改修すると、生活しやすくなります。

改修工事と新築工事の違い

改修工事と新築工事の違いは、建物があるかないかです。

新築の場合は更地に建物を作りあげていくのに対して、改修ではすでにできあがっている建物を壊さずに手を入れていきます。そのため、改修工事と新築工事では施工管理の工程が異なります。

改修工事では、新築工事のように大規模な躯体工事が発生しないのが一般的です。一方で、既存の外装や内装を撤去した上で新たに作る工程があり、施工管理者に求められる業務内容にも差が生まれます。

改修工事における施工管理の特徴

改修工事における施工管理の具体的な業務内容の一例は、次の表の通りです。

工  程

内  容

1.改修内容のヒアリング

依頼主から改修したい場所や要望、予算を聴取して、必要な工事を提案する

2.現地調査

建物の破損状況を実際に目で見て確認する

改修工事に必要な各種寸法を計測して、資材の搬出入ルートを調査する

3.設計

建築士や設計者と連携して、改修後の建物を設計する

使用する資材を決定し、コスト計算も行う

4.見積り書の作成・提出

改修工事にかかる見積り書を作成して、依頼主に提案する

依頼主からの要望があれば、工事内容を調整する

5.工事計画の作成・準備

工程表を作成して着工前に必要な届け出をする

協力会社との打ち合わせや現場の近隣住民にあいさつするなど、工事に必要な準備を進める

6.工事

保護が必要な場所を養生した後に、解体工事や基礎工事、鉄筋工事に着工する

工事が始まったら作業員の指導監督や現場の安全管理、資材の搬出入のサポート、品質チェックなどを実施する

7.竣工検査・引き渡し

工事が完了したら竣工検査を実施する

建物の安全性や耐久性に問題がなければ、依頼主に引き渡す

ここからは、改修工事ならではの施工管理のポイントをみていきましょう。

工事の制約が多い

改修工事では既存の建物を必要以上に壊さずに維持する必要があるため、さまざまな制約がつきまといます。改修中は依頼主の生活の場を確保するのにも気を遣い、高度な管理力が求められるのが特徴です。

建物の劣化が予想以上に進行していたり予算が決まっていたりして、依頼主が希望する工事ができないこともあります。別の工法を選択すると依頼主の求める仕上がりにならない可能性があり、説明して納得を得るまでに時間がかかるのも改修工事の難しいところです。

既存の建物や破損状況、住まいの悩みは個々に異なり、ひとつとして同じ改修工事はありません。施工管理者が改修工事で依頼主一人ひとりの要望に応えるには、新築以上に知識と技術が求められます。

工事計画や設計図通りに進まない

改修工事は着工後の変更が多く、工事計画や設計図通りに進まず管理が大変です。解体してから重要な構造がでてきて変更を余儀なくされる、工事によって建物に予想外の破損が生じて補修が必要になるケースもあります。

建物の元図面がないために、現場が進むにつれて設計図との違いがでるのもよくあることです。工事で変更が生じると施工方法を変えなければならず、対処法の提案や再設計に時間がかかります。

新築工事の遅延が主に天候に左右されるのに対して、改修工事は不確定要素が多く、計画通りに進まない難しさがあります。

改修工事の施工管理に求められるスキル

改修工事は工程や制約が多く、施工管理には専門家が求められます。適確な改修工事を提案できる知識、難しい工事を主導して管理する技術力が大前提です。

そのほかに、施工管理者に求められるスキルを紹介します。

トラブル時の対応力

改修工事の施工管理者には、臨機応変に対応する能力が求められます。工事現場にアクシデントはつきものです。トラブルが起きて計画通りに進まなくなったとき、依頼主から調整を求められたときに冷静に対処する必要があります。

そのほか、変更が多い現場で作業員を統率するマネジメント能力やスケジュール管理能力も欠かせません。

依頼主や近隣住民への気配り力

改修工事は住宅街で行われることが多く、新築工事以上に依頼主や近隣住民への配慮が必要です。工事中のトラブルやクレームは依頼主に迷惑をかけるため、常にまわりにストレスを与えないよう考えて工事に取り組まなくてはいけません。

また、余計なトラブルを回避するには周囲と良好な関係を築く必要があり、より高度なコミュニケーション能力も求められます。

ヒアリング力・提案力

改修工事では建物の現状や依頼主の要望、予算などを適確に把握して工事に反映させる必要があり、ヒアリング力も欠かせません。同時に、相手が伝えにくい内容まで引き出す会話力が求められます。

新築並みの仕上がりを求める人がいれば、最低限補修できれば良いと考える人もいて、依頼主が求める温度感はさまざまです。施工管理者には会話の中で温度感を適確に読み取り、最適なプランを提案する能力が要求されます。

改修工事の施工管理のやりがい

最後に、改修工事ならではの施工管理のやりがいや仕事の魅力をみていきましょう。

依頼主から直接的に感謝される

改修工事では時間をかけてヒアリングするぶん依頼主との距離が近く、ダイレクトに相手からの感謝の気持ちが伝わるのが醍醐味です。

引き渡しの際に依頼主のよろこぶ顔が見られたり、直接感謝の言葉をかけてもらえたりするとやりがいを実感できます。

また、依頼主から感謝されることで成功体験が増えて、自信にもつながります。

要望や問題に対処する中で成長できる

改修工事の施工管理は工程が多く難易度が高めですが、依頼主が納得できる工事を計画し、提案することで実力が身に付いていきます。

業務を通じて依頼主の要望や問題点に気付く能力が向上するほか、コミュニケーション能力も鍛えられます。

難しいからこそ、完成したときに達成感があるのも、改修工事ならではの醍醐味です。

まとめ

改修工事とは、建物の修繕や補修、改造などのリフォーム全般をいいます。住まいのトラブルを抱えた依頼主から悩みを聞き出し、現場を監督して要望に沿う建物を完成させていくのが施工管理の仕事です。新築工事とはまた違うやりがいがあるため、施工管理を目指すならぜひ挑戦してください。

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