内装施工管理とは
内装施工管理とは、建物の内装工事全体を指揮・管理し、納期までに工事を完了させる仕事です。対象となる物件は、オフィス、ホテル、飲食店、アパレル店舗、商業施設など多岐にわたります。
内装工事の内容も、塗装、大工、左官、ボード、電気、仕上げなど多種多様であり、新築工事、改装工事、部分的な修繕工事など、工事の種類によって求められる技術や知識が異なります。
現場の規模によっては、内装施工管理者が複数配置されることもありますが、1人で現場を指揮する場合もあります。責任は大きいものの、その分やりがいのある職種です。
内装施工管理の仕事内容
内装施工管理の仕事は、建築プロジェクトにおいて内装工事を計画通りに進めるための重要な役割を担います。ここでは、具体的な4つの業務を紹介します
工程管理
内装工事を予定通りに進めるために、スケジュールを立案し、進捗を管理するのが工程管理の役割です。工事の各段階で職人や資材の手配を行い、必要に応じて調整を行います。天候や予期せぬトラブルによる遅延が発生することもあるため、状況を見極めながら柔軟に対応する力が求められます。
安全管理
作業員が安心して作業できる環境を整えることも内装施工管理者の重要な業務です。安全ルールの周知や点検を行い、事故を防ぐための対策を徹底します。現場にはさまざまな作業があり、工具や資材の取り扱いに注意が必要なため、定期的な安全ミーティングや巡回を行うことが求められます。
品質管理
設計図面や施工基準に沿った工事が行われているかを確認し、品質を維持するのが品質管理の役割です。建築物の用途や施設のルールによって細かい規定が異なるため、それに適合しているかをチェックしながら進めます。工事完了後には検査を行い、仕上がりが求められる基準を満たしているかを確認します。
原価管理
工事のコストを管理し、予算内で工事を完了させることも施工管理者の役割です。資材費や人件費を計算し、無駄がないように調整を行います。コストを抑えつつ品質を確保するために、適切な資材選びや業者との交渉なども重要になります。
その他
施工管理の仕事には、現場の管理だけではなく、工事書類の作成や打ち合わせなど幅広い業務が含まれます。クライアントや発注業者、設計事務所と細かい調整を行いながら、円滑に工事が進むように対応することが求められます。書類作成や報告業務も多く、現場とオフィスの両方での業務が必要になります。
内装施工管理の年収
内装施工管理者の年収は、約200万円から1,000万円と幅広くなっており、年齢や経験に応じて増加する傾向があります。特に、施工管理技士などの資格を取得し、豊富な経験を積むことで、高収入を得ることが可能です。また、ベテランの施工管理者は、施工難易度の高い現場も対応できるため、高い年収が期待できます。
内装施工管理のやりがい
内装施工管理は、建築物の内部空間をつくりあげる重要な役割を担うことから、やりがいの大きい仕事です。ここでは内装施工管理のやりがいを2つ紹介します。
工事完了後に大きな達成感を得られる
内装施工管理者は、単なる作業指示者ではなく、建物の空間づくりをリードする司令塔です。施工が完了し、理想のデザインや機能を備えた空間が完成すると、クライアントから直接感謝の言葉をもらえることも多く、自身の努力が形になったことを実感できます。
特に商業施設やオフィス、住宅など、利用者の目に触れる空間を手がけるため、自分が管理した建物による社会への影響を感じられるのも魅力です。自分の仕事が、そこで働く人や暮らす人の快適さにつながるため、大きなやりがいを感じることができます。
多様な現場の経験や資格取得により成長を実感できる
内装施工管理は、オフィスや住宅、店舗など多岐にわたる現場を経験する機会があります。案件ごとに異なる設計や工法を学べるため、実務を通じて知識やスキルを得られ、成長できるでしょう。
また、経験を積むことでキャリアアップのチャンスも広がります。例えば、施工管理技士や建築士といった資格を取得すると、より大規模なプロジェクトを担当できるようになり、昇給や昇格にもつながります。経験と資格の両方を積み重ねることで、専門性の高い施工管理者として活躍できる可能性が広がるでしょう。
内装施工管理になるには
内装施工管理者になるために、特別な資格は必要ありません。建設業法では、軽微な工事(内装工事を含む)については、資格や許可がなくても請け負うことができると定められています。そのため、未経験からでも内装施工管理を目指すことは可能です。
しかし、施工管理の仕事では、現場の進行管理や品質・安全管理など、さまざまな業務を担当するため、専門的なスキルが求められます。また、キャリアアップを目指す場合、特定の資格を取得することで仕事の幅が広がり、より責任のある業務を担当できるようになります。
ここでは、内装施工管理として活躍する上で、持っていると有利なスキルと資格を紹介します。
内装施工管理に求められるスキル
内装施工管理者として活躍するには、下記のスキルがあると良いでしょう。
計画立案能力
内装工事をスムーズに進めるためには、事前にしっかりとした計画を立てることが不可欠です。ゴールから逆算し、安全かつ適正な作業を行うための施工計画や予算計画を作成する能力が求められます。
臨機応変な対応力
内装施工管理の現場では、天候や資材の納期遅れ、予期しないトラブルなど、さまざまな状況が発生することがあります。そうした変化に柔軟に対応し、最適な解決策を見出す力が必要です。
コミュニケーション能力
内装施工管理では、職人やクライアント、設計担当者など、多くの関係者と連携しながら工事を進めます。円滑な意思疎通ができることで、工事の進行がスムーズになり、品質の向上にもつながります。
マネジメント能力
内装施工管理者は、現場全体を統括する役割を担います。工程・安全・品質・原価の4つを管理し、複数の職人を適切に指揮しながら、プロジェクトを成功へと導くマネジメント能力が必要です。
内装施工管理者としてのキャリアアップに役立つ資格
内装施工管理者としてキャリアアップを目指す際には、下記の資格を取得すると業務の幅が広がります。
建築施工管理技士
建築施工管理技士は、建築工事の責任者として現場を指揮するための国家資格です。1級を取得すると監理技術者としての業務が可能となり、2級では主任技術者として活躍できます。内装施工管理の仕事でも、より高いレベルでの業務を担当できるようになります。
建築士
建築士は、建築物の設計や工事監督を行うための国家資格です。一級建築士や二級建築士の資格を取得すると、設計から施工までの幅広い知識を活かしながら、より専門的な業務に携わることができます。
内装仕上げ施工技能士
内装工事の専門知識と技術を証明する国家資格です。下記のような内装仕上げに関する知識を学び、スキルを高めることができます。
・鋼製下地工事作業
・ボード仕上げ工事作業
・プラスチック系床仕上げ工事作業
・カーテン工事作業
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、快適で機能的な空間を提案・助言する専門職です。内装施工管理者がインテリアコーディネーターの資格(公益社団法人インテリア産業協会が認定)を取得すれば、専門知識に基づいて、デザイン性や機能性を考慮した提案ができるようになります。また、インテリアに関する最新の知識を学ぶことで、より質の高い内装空間を提供できるようになるでしょう。
まとめ
内装施工管理は、建築プロジェクトにおいて内装工事全体を指揮し、工程・安全・品質・原価を管理する重要な役割を担います。工程調整や関係者との連携、現場でのマネジメントを通じて、理想の空間を実現する仕事です。
経験を積むことで、より大規模なプロジェクトや高収入の機会が広がり、キャリアアップの可能性も高まります。資格取得や多様な現場経験を重ねながら、自分に合ったキャリアの選択肢を探してみてください。
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