将来性のある仕事7選!需要の高い業界や転職・就職対策まとめ

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税負担や年金問題など、将来が心配になる話題が多い昨今、「安定した仕事に就きたい」と考える人は多いでしょう。しかし、安定した仕事とはどのような仕事なのか、いまいちわからない人もいるのではないでしょうか。 そこで今回は、安定した仕事の条件や、未経験でもチャレンジできる安定した仕事について紹介します。

「将来性のある仕事」を見極める5つのポイント

安定した仕事というと、正社員、固定給、高年収などを思い浮かべる人もいるでしょう。しかし、最も注目したいポイントは、将来性があるかどうかです。

正社員として働き、高い年収を得たとしても、それが持続できなければ安定しているとはいえません。そのため、将来にわたって働き続けられるかが重要です。

しかし、どうやって会社の将来性を見極めれば良いのでしょうか。会社の将来性を判断するポイントを知っておきましょう。

業界の市場規模が拡大している

会社の将来性を見極めるポイントのひとつが、業界全体が成長し続けているかどうかです。現在成長中ということは、今後も伸び続ける可能性が高いといえます。

ただし、流行りなどによる一時的な成長というケースもあるので、伸び率が安定しているかどうかもチェックしておきましょう。

社会的な需要がある

衣食住に関わる仕事や電気・水道・ガスなどの生活に欠かせないインフラ、医療などは常に需要があります。また、環境問題や貧困などの社会問題に関わるソーシャルビジネスも、今後将来性が増していくでしょう。

しかし、コロナ禍といった不測の事態によって一時的に増えた需要は、社会情勢が安定するといずれ減っていきます。将来を長く見据えて、社会的なニーズがあり続ける仕事を選びましょう。

リストラ・倒産のリスクが低い

リストラ・倒産のリスクが低いことも、将来性を判断するための重要なポイントです。リストラが行われている会社は、経営状態に問題があり安定性が低い可能性が高いです。

早期退職者が多い会社、離職率が高い会社も労働環境が悪い可能性が高く、安定しているとはいえません。経営状態に問題があるということは、いずれ倒産するリスクがあるため、将来性があるとはいえないでしょう。

会社内部の詳細な情報を得るのは難しいですが、できる範囲で以下のような情報を調べておきましょう。

・社員の平均在籍年数が長いか
・取引先が安定しているか(公的機関や大企業などと取引しているか)
・定期的な昇給やボーナスはあるか

また、現時点で安定しているように見えても、新型コロナウイルス感染症のような思わぬ出来事で経営が不安定になることがあります。

裏を返せば、コロナ禍でも経済的影響が少なかった、むしろニーズが高まったような会社や業界は将来性が高いといえるでしょう。

需要に対して担い手が不足している

需要が高いにもかかわらず、人手不足になっている業界も将来性が高いといえます。今人手不足の業界といえば、IT、建設業などの専門性の高いスキルが必要な仕事、若手が少ない仕事です。介護や保育などの、人が関わることが求められる仕事も該当します。

これらの業界は生活にも密接に関わりがあり、今後も需要が伸びていく可能性が高い業界なので、安定した仕事に就きたい人に向いているでしょう。

他社でも通用するスキルが身につく

会社の将来性も重要ですが、自分自身の将来性を高めることも大切です。どれだけ安定している会社に入っても、不測の事態で転職の必要性が生じることもあります。

万が一のときに備えて、どの企業でも柔軟に活用できるスキルが身に付く会社を選びましょう。

将来性のある仕事7選

将来性のある仕事を見極めるポイントは理解できたものの、結局どの仕事が当てはまるのかわからない方もいるでしょう。そこで、将来性のある仕事を7つ紹介します。

ITエンジニア

ITエンジニアは、将来性が高く安定して働ける可能性が高い職種です。ITエンジニアとはシステムエンジニアやプログラマーなどのIT技術者の総称で、近年、デジタル化の加速によって需要が増加しています。

需要が高まっているのに人手が足りないということは、競争率が低く狙いやすいということです。

もちろんITエンジニアになるにはさまざまな勉強が必要ですが、最近はプログラミングスクールなど、ITエンジニアを目指している人向けの学びの場が充実しています。中には転職サポートまで受けられるスクールもあるので、未経験でもチャレンジしやすいでしょう。

介護士

国家資格である介護福祉士を目指す場合は、介護福祉士の国家試験に通過しなくてはなりません。また、介護福祉士の国家試験の受検資格を得るには、以下のいずれかの条件を満たす必要があります。

・介護現場で3年以上・実働540日以上の実務経験をこなし、「実務者研修」を修了する
・介護福祉コースや福祉科などがある学校を卒業する
・介護福祉系の専門学校・養成施設を卒業する

いずれにしても資格取得までに時間がかかるため、目指す際は計画的に進めることが大切です。訪問介護以外の介護の仕事であれば無資格でも働けるので、就職後に資格取得を目指すのも良いでしょう。

医師

医療分野では、一部の業務でAIを導入する事例が出ています。しかし、医師の仕事に関してAIが完全に取って代わるということはありません。

特に、詳細な問診や、治療方針について患者とその家族と話し合う場面では、きめ細かなコミュニケーションが大切です。AIはあくまで医師のサポート役として、診療や治療は医師が責任をもって行うのがAI医療のあり方といわれています。

医師になるには、まず大学の医学部に入り最短6年間勉強しなければなりません。医学部卒業試験に無事合格した人のみが医師国家試験を受験します。国家試験に合格したあとは研修医として2年以上実務経験を積む必要があります。

施工管理

建設業界で重宝される職種が、施工管理です。とくに大手ゼネコンでは施工管理職の給与が高く、だれもが知っている建物に携わるケースもあり、大きなやりがいも感じられるでしょう。

建設業界というと、男性しか働けないイメージをもつ人もいるかもしれませんが、施工管理職は女性でも働きやすいのも魅力です。

未経験から施工管理職を目指すなら、まずは派遣から始めるのがおすすめです。未経験でも大規模現場の経験や大手企業で働ける可能性があるなど、派遣ならではのさまざまなメリットがあります。

派遣で施工管理職に就くメリットや、大手ゼネコンについては、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

施工管理派遣のメリット・デメリット!派遣会社を選ぶ3つのポイント
ゼネコンにはどんな職種があるのか。4つの職種と仕事内容を紹介

弁護士・税理士

弁護士や税理士は、依頼人とコミュニケーションを取りながら仕事を行います。将来的に事務的な仕事はシステムによる自動化が進むことが考えられますが、依頼人との対話が重要な仕事であるため、仕事がなくなる可能性は低いです。

弁護士になるには「司法試験」、税理士になるには「税理士試験」という国家資格に合格する必要があります。それぞれの受験資格は以下です。

・司法試験

1 法科大学院に入学後、2~3年のカリキュラムを経て修了する
2 予備試験を受験し、合格する ※①②のいずれか

・税理士試験

1 「会計科目」は誰でも受験が可能
2 「税法科目」は学識、職歴、認定のいずれかひとつに該当する

税法科目の詳しい受験資格については、以下のページをご覧ください。

出典:国税庁「受験資格について

保育士

昨今、共働きの家庭が増えた影響で、少子化の現代でも保育士の需要は増え続けています。多様性が重視される現代は、保育に求められるレベルが高くなっています。

保育士の仕事は子どもへの対応だけでなく、保護者ともコミュニケーションを取る必要があります。そのため、人間の繊細な感情を理解することが難しい現在のAIに、いますぐ仕事を奪われる心配はないといって良いでしょう。

保育士になるためには国家資格を取る必要があります。保育士資格を取るには、指定保育士養成施設(大学・短期大学・専門学校など)を卒業後、保育士試験に合格しなければなりません。

保育士試験の受験資格は以下です。

1 短期大学卒業程度の学歴をもっている
2 児童福祉施設で実務経験2年以上かつ総勤務時間数2,880時間以上従事する

※①②のいずれか

クリエイティブ職

カメラマンやデザイナー、ディレクターなど、0から1を生み出す創作的な仕事において、AIや機械には務まらない部分もあると考えられます。クリエイティブ職においてAIが担うのは、補佐的な役割のみでしょう。

芸術やエンターテインメントの分野はいつの時代も需要があります。収入が安定しにくいデメリットはありますが、AIに奪われることのない仕事として、将来性があるといえるでしょう。

これから伸びる業界7選も押さえておこう!

今後の成長が期待できる業界を把握しておくことも、将来性のある仕事を探すのに役立ちます。ここでは、これから伸びる可能性が高い業界を7つ紹介します。

IT業界

IT業界は今まさに伸び続けている業界です。

国内のみならず世界的に見てもその需要や成長は著しく、企業規模や価値を示す時価総額世界ランキングの上位10位のうち、半分以上が「アップル社」や「マイクロソフト社」などのIT企業です。いまや世界のトップ産業はIT業界だといえるでしょう。

また、昨今、業務の効率化や生産性の向上を目的にITの活用が進んでいます。あらゆる業界で需要が高まっており、IT技術が進歩する限りニーズはなくならないでしょう。

みずほ情報総研株式会社が行った「IT人材需給に関する調査」によると、労働人口が減少している日本では、2030年には約79万人のIT人材が不足すると推定されています。

出典:経済産業省「IT人材需給に関する調査

つまり、IT人材の需要は非常に高く、スキルがある人材ほど就職がしやすいといえます。安定した仕事に就きたいのであれば、IT業界は最適な業界のひとつでしょう。

エンタメ業界

テレビや映画、ゲーム、漫画など多岐にわたるコンテンツを扱うエンタメ業界。現在、伸びしろが期待できるのは、YouTubeや動画配信サービスなどインターネットを通じたコンテンツです。

新型コロナ感染拡大によって、家で過ごす時間が増えたことも影響し、特にスマホゲーム、動画配信サービスなどは著しく需要が伸びました。

一方で、かつてエンタメ業界を席巻してきたテレビやラジオは、インターネットやスマートフォンの普及により衰退し続けています。同じ業界でも将来性のある分野とそうでない分野が顕著になってきているのです。

建設業界

少子高齢化で日本の人口は減少の一途をたどっていますが、建設業界の需要は安定しています。住宅の建設以外にも、商業施設の建設や道路工事などさまざまな仕事があり、人がいる限り需要はなくならないといっても過言ではありません。

人口減少にともない新築建設の仕事は減りつつありますが、今後はバブル期に建てられた多くの建物や社会インフラのリニューアル工事が増えてくると予想されています。

防災や減災の観点からもインフラの老朽化対策は重要視されており、国も国土強靱化(ナショナル・レジリエンス)の取り組みを推進しています。

また、建設業界は人手不足の対策として、時間外労働の上限見直しや社会保険加入の推進など、労働環境の改善が進んでいます。かつての3K(きつい、汚い、危険)のイメージがなくなりつつあり、未経験からでもチャレンジしている人が増えています。

転職先として建設業に興味をもっている方は、ぜひ下記の記事もご覧ください。

2024年4月に施行される建設業の残業規制で業界はどう変わる?

EC業界

スマートフォンの普及によって、誰でも簡単にECサイトを利用することが可能になり、EC業界の需要は拡大しています。コスメや衣服などのファッション関連の商品はもちろん、コロナ禍の影響で最近では食品や日用品でのEC利用も増えています。

ECサイトの利用者増加にともない、EC事業者を支援するツールやシステムも登場しています。実店舗に加え、新しくECサイトを創設する企業も増えており、EC需要は今後も続くことが考えられます。

医療業界

医療業界は人間が生きていくうえで欠かせません。昨今の高齢化や医療技術の発展で、ニーズはさらに増加傾向にあります。新型コロナウイルス感染拡大により、特にワクチンの分野は世界的な注目を集めています。

また健康を維持するためのヘルスケア事業も、成長が期待できるでしょう。

年々需要が増え続ける一方、目下の課題となっているのが人手不足です。医療業界ではICT技術の導入やスマートヘルスケアサービスなどの普及によって、人手不足の解消に取り組んでいます。

農業業界

農業業界では農業用のロボットやICT(情報通信技術)などを活用した、スマート農業が拡大しています。業界における継承者不足や農業人口の減少は、こうした先端技術の導入が解決策の一つとして期待されています。

事業者が生産した商品を、直接消費者へと販売するD2Cサービス(Direct to Consumer)も普及し始め、付加価値をつけた商品の販売が可能となっています。

福祉業界

高齢化が加速し要介護者が増加する日本では、介護サービスの利用者は増え続けており、介護保険料も年々高くなっています。福祉業界の将来性は、十分に期待できるでしょう。

福祉業界は性別や年齢に関係なくキャリア形成を図りやすいのもポイントです。資格がなくても働ける職種があり、実務年数によって国家資格や公的資格の受験もできるため、安定した仕事に就きたい人へもおすすめできます。

深刻な人手不足に対しては、政府による処遇改善が進んでいます。給与水準の向上も期待できるでしょう。

【2024年】将来性のある仕事に就くための転職・就職対策

ここでは、将来性のある仕事に就職・転職する際の対策や、長く働き続けるために押さえておきたいポイントについて解説します。

ポイント1:徹底的な自己分析でミスマッチを避ける

将来性のある仕事に就いたとしても、仕事内容や社風が合わないなどの理由から短期間で辞めてしまっては本末転倒です。転職・就職先で長く働き続けられるように、事前に徹底的に自己分析してミスマッチを防止しましょう。

特に、自分の強みは明確にしておきたいポイントです。自分の強みを把握できていると、今後のキャリア目標が立てやすくなるため、就職後のモチベーションを維持しやすくなります。

また採用担当者は、応募者の強みから、入社後どのように活躍してくれるか、社風に合っているかなどを判断します。自分の強みを明確にしておけば、就職・転職活動の際の自己アピールにも役立つでしょう。

ポイント2:スキルアップで市場価値を高める

長く安定したキャリアを考えるなら、スキルアップによって自分の市場価値を高めることも重要です。

近年、終身雇用制・年功序列が崩れ、成果主義を取る企業が増えています。さらにAIの進化によって単純作業に人手が要らなくなってきており、替えの効かないハイスキル人材が求められるようになっています。

IT関連のスキルや語学スキルといった専門性が高いスキル、需要が高いスキルを身に付け「うちで働いてほしい」と思われる人材になれば、キャリアアップや転職に役立つでしょう。

また、コロナ禍で多くの人が体験したように、安定していたはずの企業が突然倒産するなどのトラブルが起こる可能性もあります。

コミュニケーションスキルやマネジメントスキルといった、どんな職種でも必要とされるポータブルスキルを身に付けておけば、万が一の事態にも対応しやすくなります。

ポイント3:業界別の採用ハードルを押さえておく

将来性のある業界への就職・転職を考えているなら、業界別の採用ハードルも把握しておきましょう。先の見出しにて、これから伸びる可能性が高い業界を紹介しましたが、それぞれ採用難易度が大きく異なります。

たとえば、エンタメ業界やIT業界、とくに放送・出版系や情報通信・インターネット系は採用難易度が高めです。これらの業界への就職・転職を目指すなら、ほかの応募者に負けないように、それなりのスキルや経験を身に付けておく必要があります。

一方、建設業界、物流業界、介護・福祉業界などは、手に職をつけられる特徴もありますが、人手不足が顕著で、採用を強化している企業も多くあるため就職・転職がしやすい傾向があります。

就職・転職活動が長引いてしまわないためにも、目指す業界の状況や求められるスキルを調査し、計画的に動くことが大切です。

ポイント4:応募先企業の将来性を見極める

将来性のある職種・業界であっても、すべての企業が順調なわけではありません。中には経営状況が良くない企業も存在します。

また、現時点では順調に経営しているように見えるものの、いずれ破綻するおそれがあるような企業も存在するため、応募先企業の将来性を見極めることも重要です。

たとえば、以下のような特徴に該当する企業は、長く働きたいという意識がもてなかったり経営が行き詰まったりしやすいので、あまり将来性が高いとはいえません。

・同族経営で社内の風通しが悪い
・創設されたばかりで実績が少ない
・離職率が高い
・ハラスメントやコンプライアンスに対する意識が低い など

また、経営状況が良くてもスキルが身に付かない企業だと、自分の市場価値を上げられません。市場価値が低いままだと、転職したくなったときや企業が倒産してしまったときなどに、就職・転職活動で苦労するきっかけになってしまう可能性があります。

外部から企業内部の実態を調べるのは難しい面もありますが、長く働き続けたい、長期的に安定したキャリアを築きたいという場合は、以下のような情報を調査しておきましょう。

・社風
・創業年数
・残業時間
・離職率
・ハラスメントやコンプライアンスの対策
・社内の研修制度 など

可能であれば、OB訪問やインターンシップなどで企業の実態を確認したうえで、応募するかどうかを決めることをおすすめします。

まとめ

安定した仕事に就きたいと考えるなら、正社員になれるか、年収はいくらかといった点だけでなく、業界や会社の将来性を見極める必要があります。会社内部の詳細な情報を集めるのはむずかしいですが、できる限り業界や会社について調べてみましょう。

ただし、将来性がある業種や会社であっても、100%安心というわけではありません。たとえば、需要増が見込まれているITエンジニアでも、就職した会社が倒産する可能性があります。

また、単純なプログラムが書ける程度では、いずれAIなどのテクノロジーに取って代わられるリスクもあるでしょう。

業種や会社の将来性だけに頼るのではなく、常に市場の動向に常にアンテナを張っておくこと、知識やスキルを磨いて自分自身もレベルアップしていくことが大切です。