地元に貢献すべく帰りたい!Uターン転職で地元に貢献できる仕事とは

この記事は約6分で読み終わります。

「地元に帰って暮らしたい」「地元で良い仕事を見つけたい」という考えを持っている方もいるのではないでしょうか。2020年9月に、株式会社学情が20代の働き手を対象に実施した意識調査によると、UターンやIターンで地方への転職を希望する人の割合が65.8%と半数以上で、社会的にも地方で就職することの関心が高まっていることが伺えます。 本記事では、都市部から地元へUターンしたいと考える主な理由や、Uターン希望者が多い地域とその特徴、また、地元に貢献しやすい職種を紹介します。

地元に帰って転職する主な理由

なぜ地元に帰って転職をしたいと考える人が増えているのでしょうか。その代表的な4つの理由を紹介します。

地元の活性化に貢献したい

これまで自分が育ってきた環境に恩返しをしたいという想いなどから、都市部での仕事で培った自分のスキルや経験を活かし、生まれ育った地元の地域活性化に貢献したいと考える方も多くいます。

地方の過疎化や高齢化が著しく、社会問題として取り上げられることも多いため、そのような使命感が芽生えやすい時代背景も影響しているでしょう。

ライフスタイルが変化した

ライフスタイルの変化により、地元へ帰る人も多くいます。なかでも「結婚・子育て」と「両親の介護」が大きなきっかけとなるケースが主流です。

結婚・子育て

結婚し、新たな場所にふたりで住み始めることを検討するタイミングで、都市部に住み続けるのではなく、どちらかの地元で暮らすことや、両親との同居などを検討することがあるようです。

また、子どもができたタイミングで、今後の子育て環境を考慮し、祖父母になる両親と多くの関わりを持たせてあげたいという思いや、都会よりも自然が多い環境で育てたいという思いから、地方の地元に帰る決断をする人も多くいます。都市部のように待機児童問題が深刻でない点もUターンのきっかけのひとつです。

両親の介護

親が高齢となり、介護が必要になったタイミングで地元に帰るケースもあります。

最近では、高齢の親を自分たちが住んでいる都市部に呼んで同居したり、近くの家に住んでもらったりする例も増えてきていますが、住み慣れた土地を離れて新たに生活することは、高齢の方にとって負担が大きいものです。負担を考慮して、親と相談したうえで、地元に帰って介護することを決断する方もいます。

また、今すぐに介護が必要な状態ではなくとも、親が元気なうちから近くで暮らして良好な関係を築いておき、将来的に介護が必要になったときに備えておく方もいるようです。

愛着のある地元で暮らしたい

上記の理由とは異なりシンプルな理由ですが、単に「地元に帰りたい」という思いからUターンを希望する人も多いものです。

都市部での生活は、刺激があって楽しいものですが、年齢を重ねるにつれて「地元で落ち着いて暮らしたい」と考える方が増える傾向にあります。

また、一度地元から離れてみることで、改めて生まれ育った地元の良さに気づいて、地元に帰ることにしたというケースもあるようです。

ほかにも、都市部に出た時点でいずれは愛着のある地元に帰ろうと決めている人もいます。

プライベートを充実させたい

家族との時間や趣味に充てる時間を増やしたいという思いから地元に帰る方もいます。

住み慣れた地元であれば、転職後の生活ペースをつかみやすいほか、地方では都会よりも生活費を抑えやすいので、これまでより仕事量をセーブしても十分暮らしていけるケースが多くあります。

その分、家族と一緒に過ごしたり、都会ではできない地方ならではの趣味を始めたりなど、プライベートな時間を充実させることができます。

【Uターン転職先】Uターン希望者が多い地域とは

地元に帰りたいと考える人は、どの都道府県の出身者が多いのでしょうか。2021年2月に、ブランド総合研究所が実施した意識調査を基に上位5つの地域と、その要因を見てみましょう。

まず、上位5位の都道府県は次のとおりです。

1位:福岡県

2位:熊本県

3位:大阪府

4位:奈良県

5位:京都府

出典:「Uターンしたい人が多い都道府県ランキングランキング2021【完全版】」(株式会社ブランド総合研究所)

1位と2位を九州が占め、3位・4位・5位を関西が占めています。

1位の福岡県は、九州の中心地であり、朝鮮半島やユーラシア大陸と近いため貿易港を有し、アジアの玄関口としても位置付けられています。こういった点に誇りを持つ特性もあるほか、九州の中心であり急成長都市でもあることから、若年層を中心に帰属意識や愛着度が高いようです。

2位の熊本県も地元に誇りを持っている出身者が多い県です。それに加えて、熊本市がコンパクトシティの構築を図り、住みやすい街づくりに取り組んでいることも理由のひとつとして考えられます。

3位・4位・5位の大阪府・奈良県・京都府などの関西圏では、九州同様に、地元への愛着度が高い出身者が多いほか、ほかの地域と比べて上場企業数が多く、求人数も比較的安定していることが上位へのランクインを後押ししているようです。

また、都市部でありながら「東京都と比べて物価が少し安い」「職場の近くに住居を構えやすい」といったこともUターンの理由として考えられます。

【転職先】地元へ貢献できる業界・職種

最後に、Uターン転職で地元へ貢献できる仕事を紹介します。地元での転職先を選ぶ参考にしてみてください。

地域プロモーション

地域の魅力や、人やコミュニティも含めた地域資源をアピールする仕事です。地元の魅力を最大限アピールすることにより、地域の売り込みや自治体名の知名度の向上を図ります。

具体的には、観光振興のために地域外の人にその土地の魅力を伝えたり、地域再生のために地域内の人の郷土愛を育むための情報発信やブランディングを行ったりといった役割があります。

地域おこし協力隊

地域おこし協力隊とは、総務省によって制度化された、過疎化や高齢化が著しい地域を活性化するための取り組みです。

地域おこし協力隊の隊員は、おおむね1年から3年の期間で都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、その地域のブランドや地場産品の開発・販売・PRなどの地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図ります。

地域自治体ごとに条件や活動内容の違いが見られるほか、任期があるため期間は限られるものの、さまざまな面からダイレクトに地域に貢献できる仕事といえます。

公務員

地元の市役所や町役場の職員など、公務員になってその地域に貢献することもできます。

一口に公務員といってもさまざまな仕事がありますが、大きい枠組みでは市町村の仕事のすべてが地元に貢献できる仕事とも捉えられるでしょう。その地域の伝統や文化を活かした地域活性の仕事や、最近ではITを使ったコンパクトシティの導入といった仕事もあります。

地域に貢献したいという思いがある人は、大きなやりがいを得られる就職先といえます。

建設関連

地元の街づくりに、建築や都市計画・開発といった面から貢献することもできます

例えば、ディベロッパーでは、土地を取得し、付加価値のある建物の建設に携われます。また、ゼネコンの都市開発部署では橋や道路など地域の生活に密着した仕事を請け負っています。

建設のように、目に見えるかたちで地元に貢献できることも、大きなやりがいにつながるのではないでしょうか。

まとめ

地元に帰りたいと思った際、真っ先に心配になるのが就職先ではないでしょうか。本記事で紹介したとおり、これまでの経験を活かしつつ、地元に貢献できる仕事にはさまざまなバリエーションがあります。自分にマッチした仕事を検討し、納得した状態で地元に帰れるよう検討してみてはいかがでしょうか。Uターン転職についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひこちらの記事もチェックしてみてください。

Uターンで転職したい!建設業経験者のUターンのメリット・デメリットとは