派遣から直接雇用になる方法は? メリット・デメリットや注意点を紹介

この記事は約7分で読み終わります。

派遣から直接雇用になるには、紹介予定派遣として働く、正社員登用試験を受けるなど、いくつかの方法があります。ただし、直接雇用になることによるデメリットや注意点もあるため、きちんと把握して行動を起こすことが大切です。 そこで今回は、派遣と直接雇用の違いやメリット・デメリット、切り替えの方法や注意点などを解説します。

【前提知識】派遣と直接雇用の違い

直接雇用への切り替えを検討する前に、派遣と直接雇用の違いについて正しく理解しておきましょう。主な違いは、下記の通りです。 

 

派遣

直接雇用

雇用主

派遣元企業

配属先企業

契約期間

原則最長3年

制限なし(※)

勤務時間

希望に合わせて選べる

原則フルタイム(※)

業務内容

契約した業務のみ

制約なし(※)

※雇用契約書の内容によってはその限りではありません。
※2024年4月に労働条件明示のルールが変更され、直接雇用であっても、労働契約締結時に業務の変更範囲を明示することが義務化されました。

出典:厚生労働省「令和6年4月から労働条件明示のルールが改正されます

ここからは、派遣と直接雇用について、もう少し詳しく説明します。

派遣社員とは

派遣社員とは、派遣会社と派遣契約を結んだ上で、配属先企業の指示のもと就労する働き方です。雇用主は派遣会社なため、派遣会社が給与を支払い、派遣会社の福利厚生が適用されます。派遣には、登録型派遣・紹介予定派遣・常用型派遣の3種類があります。

登録型派遣

登録型派遣とは、あらかじめ派遣会社に登録し、就労する配属先企業が決まったら、就労する間だけ派遣会社と雇用契約を締結する派遣です。有期雇用派遣とも呼ばれ、派遣期間が終了すると同時に雇用契約も終了になります。

登録型派遣では、改正労働者派遣法による「派遣は同じ配属先企業の同じ組織で原則として3年以上働くことができない」という定めがあり、これは「3年ルール」と呼ばれています。

そのため、派遣会社は、下記のいずれかの雇用安定措置を実施しなければならないことになっています。

・配属先企業へ3年経過後の直接雇用を依頼
・新たな配属先企業を紹介
・派遣会社で派遣労働者以外として無期雇用
・そのほか省令に定められた雇用安定を図る措置の実施

紹介予定派遣

紹介予定派遣とは、派遣期間の終了後、直接雇用に切り替えることを前提とした派遣のことです。派遣期間は最長6か月で、期間終了後、派遣社員と配属先企業の双方が合意すれば、契約社員や正社員に切り替わります。

常用型派遣

配属先企業に就労していない間も、常時派遣会社と雇用契約を締結しているのが常用型派遣です。無期雇用派遣とも呼ばれます。配属先企業で就労していなくても給与が支払われるなど、安定した待遇が魅力です。

直接雇用とは

就労先の企業と直接雇用契約を結ぶのが直接雇用です。雇用形態は、正社員・契約社員・アルバイト・パートなどがあります。

雇用主である就労先の企業より給与の支払いがされ、福利厚生についても就労先企業のものが適用されます。

派遣から直接雇用になるメリット

派遣から直接雇用になると、主に下記のようなメリットがあります。

・安定的に継続して働ける
・業務の幅が広がる
・待遇が改善される

どういう利点なのか、具体的にみていきましょう。

安定的に継続して働ける

継続して働けるので収入や生活が安定しやすいのは、直接雇用に切り替えるメリットです。派遣には契約期間があり、期間終了後は新たな配属先企業が決まるまで収入が途絶えるリスクがあります。一方、直接雇用は期間の定めがないか派遣より長期間になるので、同じ企業で長く働けます。

業務の幅が広がる

直接雇用になると、業務の幅が広がります。派遣社員は契約業務以外の仕事を担当することができない上、契約期間も限られているため、期間内に完了する限定的な業務を担当するケースが多いからです。直接雇用は、携われる業務に制約が少なく、スキルアップの可能性も広がります。

待遇が改善される

直接雇用になると、ボーナスや交通費が支給されるなど待遇の改善が見込めます。また、直接雇用された企業の福利厚生が利用可能です。

なお、2020年4月以降、同一労働同一賃金の導入により、正社員と派遣・契約社員・パートなどとの間の賃金・待遇差の是正が目指されています。

出典:厚生労働省「同一労働同一賃金特集ページ

関連記事:【未経験可】将来お金に困らない職業5選!将来性がある仕事とは?

派遣から直接雇用になるデメリット

派遣から直接雇用になると、下記のデメリットが生じる可能性もあります。

・勤務の自由度が減る
・仕事の負担が増える
・福利厚生が低下する
・辞めにくくなる

直接雇用への切り替えは、マイナス面も理解してから検討しましょう。

勤務の自由度が減るかも

直接雇用になると、勤務時間や休日が変更になるなど、自由度が減るケースがあります。直接雇用では、原則としてフルタイムで働くこととなり、休日や勤務場所などの条件も雇用主の企業に合わせる必要があるからです。また、時間的な制約が増えることから、育児や介護などとの両立が難しくなることもあるでしょう。

仕事の負担が増えるかも

直接雇用になると、担当する業務範囲に制約が少なくなる結果、残業が発生したり、希望しない業務を依頼されたりする可能性もあります。給料と一緒に労働時間も増えて、時給換算すると派遣より条件が悪くなるリスクがある点にも注意が必要です。

福利厚生が低下するかも

直接雇用になると、福利厚生も派遣会社から就労先企業のものに切り替わります。派遣会社の福利厚生が充実している場合は、直接雇用になったことで福利厚生の満足度が低下するおそれもあるでしょう。

辞めにくくなるかも

直接雇用になると、職場や仕事内容が合わないと感じたときに、すぐに辞めるのが難しいと感じることがあります。直接雇用では、派遣に比べて責任ある仕事を多く任せられやすく、多くのケースでは契約期間の制限がないので、責任感から辞めたいと伝えにくく感じる傾向にあるためです。

派遣から直接雇用になる方法

派遣から直接雇用への切り替えを希望する場合、下記のような方法があります。

・紹介予定派遣として働く
・正社員登用試験を受ける
・人材紹介サービスを利用

どういう方法なのか、順番に解説します。

紹介予定派遣として働く

紹介予定派遣は、最長6か月の派遣期間の終了後、直接雇用に切り替えることを前提とした働き方です。期間終了後、派遣社員と配属先企業が同意すれば、契約社員か正社員に切り替えます。実際に働いてみて直接雇用になるか選べるため、ミスマッチの少ない点がおすすめです。

正社員登用試験を受ける

配属先企業が実施する正社員登用を受けて合格することでも、直接雇用になれます。紹介予定派遣でも、直接雇用切り替えのタイミングで試験が実施される場合があるので、留意しておきましょう。試験内容は、書類選考(履歴書)・筆記試験(小論文や適性検査)・面接などです。

人材紹介サービスを利用

人材紹介サービス(エージェント)を利用して、条件に合う直接雇用先を探すこともできます。人材紹介サービスによって得意な業種などが異なるので、自分に合うサービスを選びましょう。

派遣から直接雇用に切り替える際の注意点

派遣から直接雇用になるときは、下記のポイントに注意しましょう。

・雇用条件を詳しく確認する
・派遣会社への報告

まずは、自分がどんな働き方をしたいのかを熟考して、直接雇用になった場合の条件を確認することが大切です。

雇用条件を詳しく確認する

直接雇用には、正社員・契約社員・パートやアルバイトといった複数の雇用形態があります。自分のイメージしていた働き方・仕事内容ではなかったということにならないよう、配属先企業から直接雇用の打診があったら、下記の雇用条件を確認しましょう。

・雇用形態
・勤務場所
・勤務時間
・賃金
・休日
・残業時間
・仕事内容

派遣会社への報告

派遣から直接雇用に切り替えを検討するときは、早めに派遣会社へ報告しましょう。なお、派遣契約期間中の直接雇用への切り替えは、契約で禁止されている場合があるので、注意が必要です。また、配属先企業から「内緒で」といわれたとしても、突然派遣会社を辞めるのではなく、確認・報告を徹底しましょう。

まとめ

派遣から直接雇用に変わると、安定的に継続して働ける・業務の幅が広がるなどのメリットがある反面、勤務の自由度が減る・仕事の負担が増えるといったリスクもあります。直接雇用を検討するときは、雇用条件などをよく確認しておきましょう。

共同エンジニアリングでは、建設施工管理やCADオペレーターなど複数の職種で未経験採用を実施しており、業界未経験から活躍できます。選任アドバイザーが各業態の動向や企業ニーズをきめ細かく把握し、あなたの経験やスキルを的確に理解した最適なキャリアプランを提案します。作業着支給・資格取得支援制度・会員保養施設割引など、福利厚生も充実しています。直接雇用になりたいと感じている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。