積算の仕事はきつい?やりがいや向いている方の特徴、役立つ資格も解説

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建設プロジェクトにおける重要な役割を担う「積算」は、専門性の高さと責任感から、ときに「きつい」と感じられることもあります。しかし、その一方で得られるやりがいや成長の機会は、他の職種では味わえない魅力的なものです。今回は、積算の仕事の現実ややりがい、向いている方の特徴や役立つ資格について詳しく解説します。

積算の仕事がきついと言われる理由

積算の仕事は、複数の要因から「きつい」と感じられることがあります。ここではその理由について詳しくみていきましょう。

責任が重いから

積算担当者は、高い精度でのプロジェクト全体のコスト管理を求められます。見積もりにミスがあればプロジェクトの進行に大きな影響を与えるため、大きなプレッシャーと向き合う必要があります。また、クライアントや会社からの信頼を維持するため、常に責任感を持って業務を遂行することが必要です。

建築に関する豊富な知識が必要だから

積算業務では、設計図や仕様書を正確に理解し、材料費や人件費、機械設備費などを算出する専門知識が欠かせません。さらに、建築に関する法律や規制にも対応できる知識が必要です。これらの知識が不足すると、正確な見積もりが難しくなり、業務の質が低下するリスクがあります。

残業が多いから

繁忙期には複数の案件が重なり、残業が増えることがあります。特に、クライアントからの急な変更や追加の要求が発生すると、対応に追われることが避けられません。このような状況が続くと、肉体的にも精神的にも疲労が蓄積しやすくなります。

会社とクライアントの板挟みになるから

積算担当者は、会社とクライアントの双方の要求を満たすために柔軟な対応が求められます。この過程で、意見の衝突や調整の難航がストレスの原因となることがあります。特に、納期や予算に関する調整では、細心の注意と高度な交渉能力が必要です。

ひたすら数字と向き合う仕事だから

積算は、大量の数字データを分析し、正確な見積もりを算出する地道な作業の連続です。そのため、数字に苦手意識がある方にとっては厳しく感じられるかもしれません。しかし、こうした作業をコツコツと続けることで、建設プロジェクトの成功に大きく貢献します。

積算の仕事のやりがい

積算の仕事には多くのやりがいがあります。下記で主なやりがいを紹介します。

会社の利益を出す上で重要な役割を担える

積算士の見積もりはプロジェクトの成否を左右する重要な役割を果たします。例えば、正確なコスト計算ができることで、会社の収益を確保するだけでなく、プロジェクトの方向性を的確に示すことが可能になります。また、成果が会社の黒字化につながるため、自分のスキルが会社全体の成長に寄与していると感じられるでしょう。

自分の成長を実感できる

積算の仕事を通じて、建設に関する幅広い知識やスキルを学ぶことができます。例えば、建材や工法に関する専門知識、さらには最新の建築トレンドを取り入れる機会が多いため、業務を重ねるごとに着実な成長を実感できる点が魅力です。経験を積むほどに、自分の提案がプロジェクトに採用される場面も増え、仕事へのモチベーションが高まります。

工事が完了したときの達成感を味わえる

自分が作成した見積もりを基にプロジェクトが進行し、予算内で無事に完了したときの達成感は、積算の仕事ならではの喜びです。特に、チームと協力して困難な課題を乗り越えたときの達成感は格別で、自分の仕事が現場に形として現れる瞬間を目の当たりにすることができます。

積算の仕事に向いている方の特徴

積算の仕事には、特定のスキルや適性が求められます。ここでは、それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。

正確で緻密な作業が得意な方

積算は、数字を扱う正確な作業が求められる仕事です。そのため、高い集中力を維持しながら、忍耐強く緻密な計算やデータの整理を楽しめる方に向いています。例えば、複数の見積もりを比較しながら最適な予算を算出するような作業が多いため、小さなミスも許されません。数字に興味があり、丁寧に物事を進められる性格が重要です。

建築に興味を持てる方

積算の対象は建築物やインフラなど、さまざまな分野に広がっています。そのため、建築や照明、インフラといった分野に対する興味がある方は、この仕事をより深く理解しやすくなります。例えば、設計図をもとにどのような資材が必要で、どの程度のコストがかかるのかを考える作業では、対象分野への関心がモチベーションとなるでしょう。

継続的に学習できる方

新しい建材や工法、さらに環境に配慮した技術の進展など、建築技術や設計手法は日々進化しています。積算に必要な知識も常にアップデートされているため、自ら積極的に学び、新しい情報をキャッチアップできる方が向いているでしょう。例えば、セミナーに参加したり、業界のニュースを定期的にチェックしたりなど、学び続ける姿勢が大切です。

コミュニケーション能力がある方

積算の仕事では、クライアントや社内の設計担当者との連携が不可欠です。クライアントの要望を正確に把握しつつ、会社の利益を守るためには、適切なコミュニケーションが求められます。例えば、予算に関する提案を行う際には、相手のニーズをくみ取りながら説得力のある説明をすることが必要です。

積算に役立つ資格

積算業務では、専門知識やスキルが求められるため、関連する資格を取得することで業務をより効率的に進めることができます。ここでは、積算業務で役立つ3つの資格について詳しく解説します。

建築積算士(建築積算士補)

建築積算士は、公益社団法人日本建築積算協会が実施する試験に合格することで取得できる資格です。この資格は、建築物の工事費を適切に見積もるスキルを証明するもので、積算業務を行う上での基礎的な知識が求められます。また、建築積算士補という初級資格もあり、経験が浅い方でも挑戦しやすいのが特徴です。

建築積算士の資格を取得することで、設計図書をもとに正確な工事費用を算出するスキルを身に付けることができ、業務の幅を広げることが可能です。

建築積算士の仕事内容について、詳しくはこちらも参考にしてください。

建築積算士の仕事内容とは?資格取得の難易度や勉強方法を解説

出典:公益社団法人 日本建築積算協会「建築積算士試験のご案内

建築コスト管理士

建築コスト管理士は、建築積算士の上位資格です。より高度な知識やスキルを必要とし、建築コストの適正化やプロジェクト全体のコスト管理を行う能力が求められます。

公益社団法人日本建築積算協会が実施する試験に合格することで取得可能で、建築業界のなかで特に専門性の高い役割を担えます。建築積算士の資格をすでに持っている方が次のステップとして目指す資格としても適しているでしょう。

出典:公益社団法人 日本建築積算協会「建築コスト管理士試験のご案内

施工管理技士

施工管理技士は、建設業法に基づいた国家資格で、建築現場で施工管理を行うために必要な資格です。1級と2級があり、それぞれ扱える工事の規模や範囲が異なります。

現場での品質管理や工程管理、安全管理などを総合的に行う能力が求められるため、積算業務と合わせてスキルを高めることが可能です。

施工管理技士について、詳しくは下記も参考にしてください。

建築施工管理技士の受験資格とは?最短・実務経験なしで目指す方法も紹介

まとめ

積算の仕事は、責任感や専門知識が求められるため「きつい」と感じる一面がある一方で、プロジェクトの成功に貢献する重要な役割を担います。自分の提案や努力が成果として形に表れやすい点や、スキルを深められる成長の機会も魅力的です。関連資格を取得することで、さらなるキャリアアップが可能となります。

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