施工管理のキャリアプラン|必要な資格やキャリアアップのポイントを制度変更も踏まえて解説

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施工管理は、キャリアアップできる職種です。入社後はキャリアプランを立て、早めの資格取得を目指しましょう。資格を取得することで責任ある立場で働けるようになり、昇進や給与アップに期待がもてます。将来的な転職・独立にも役立つため、前向きに資格取得を検討してください。

今回は施工管理の仕事に役立つ資格や、キャリアプランの立て方について紹介します。

施工管理のキャリアプランに必要な資格

建設業界のスキルアップやキャリアアップには、資格が大きく関係してきます。資格は、施工管理職に求められる技術・知識を有していることを証明するものとして欠かせません。未経験からキャリアを積むなら、2級施工管理技士や1級施工管理技士の取得を目指しましょう。

施工管理技士は国家資格で、次の7種目に分かれています。

1.建築施工管理技士
2.土木施工管理技士
3.電気工事施工管理技士
4.管工事施工管理技士
5.造園施工管理技士
6.建設機械施工技士
7.電気通信工事施工管理技士

令和6年の制度改正で学歴要件・実務経験が緩和されて、未経験の若手でもチャレンジできるようになりました。ここからは、資格の詳細をみていきましょう。 制度改正の詳細は、国土交通省のホームページを参考にしてください。

出典:国土交通省「令和6年度より施工管理技術検定の受検資格が変わります

2級施工管理技士

2級施工管理技士は、建設現場を率いる「主任技術者」に求められる資格です。建設業の許可を受ける工事現場には原則配置が必要で、施工計画の作成・現場の工程管理・安全管理・品質管理などの幅広い業務を担当します。

資格を取得するには第一次検定と第二次検定を受検して、それぞれに合格する必要があります。

第一次検定は学歴・実務経歴不要で、17歳以上であれば誰でも受けられます。第一次検定に合格すると「2級施工管理技士補」として認められ、主任技術者の補佐として働けます。施工管理技士補も十分なキャリアアップとして評価されるため、ぜひチャレンジしてください。

第二次検定は、建設機械種目は第一次合格後から2年以上、その他の種目は3年以上の実務経験があれば受検できます。なお、1級の第一次検定に合格していれば、実務経験1年以上で受検可能です。

1級施工管理技士

1級施工管理技士は2級の上位資格で、合格すると大規模な現場を指導監督する「監理技術者」として働けます。現場の診断や指導を担当する「労働安全コンサルタント」の受検資格も得られるため、さらなるキャリアアップに欠かせません。

1級の場合、第一次検定は学歴・実務経歴不要で19歳から受検できます。第一次検定に合格すると「1級施工管理技士補」として認められ、監理技術者の補佐として働けます。

第二次検定は、第一次合格後から5年以上の実務経験があれば受検可能です。監理技術者補佐としての稼働実績があれば実務経験1年、特定実務経験がある場合は実務経験3年に短縮されます。

未経験から1級施工管理技士までのキャリアプラン

それでは、入社してから施工管理職になるまでの一般的なキャリアプランを解説します。

ステップ1|まずは現場で学んでキャリアを積む

新卒や建設業未経験の転職の場合は、現場で基礎的な実務から学ぶ必要があります。実力を伴わなければ、キャリアアップできません。施工管理職の業務は多岐にわたるため、数年かけてしっかり覚えましょう。

経験者が転職する場合は、実務で成果を残すことがキャリアアップにつながります。あわせてコミュニケーション能力を養い、現場で人脈を広げてください。施工管理の仕事は、チーム仕事です。コミュニケーションスキルは、キャリアアップして管理職になるために欠かせません。

ステップ2|2級施工管理技士の取得で「主任技術者」を目指す

現場で学びながら、まず目指すと良いのは2級施工管理技士です。17歳以上であれば受検できるので、早めに第一次検定を受検しましょう。

19歳以上で自信があるなら、1級を視野に入れるのも選択肢のひとつです。1級施工管理技士補になれば仕事の幅が広がり、キャリア形成がしやすくなります。

ステップ3|1級施工管理技士を取得する

2級を取得したら、キャリアプランに沿って1級合格を目指すと良いでしょう。第一次検定に合格後の実務経験が必要で受検まで間があくため、学習計画を立てて継続的に準備しましょう。資格保有者は需要が高く、早めの取得がキャリアアップにつながります。

施工管理のキャリアプランを立てる際の注意事項

最初に自己分析で自分のレベルを把握して、資格取得の目標を設定しましょう。目標が明確になると実務経験やスキル習得の方向性が定まり、実行しやすくなります。

しかし、いきなり高い目標を掲げると挫折する可能性があるため、無理は禁物です。ワークライフバランスも意識して、高すぎず無理のない目標設定で着実なステップアップを目指しましょう。

プランの定期的な見直しも必要です。長期的な視野でプランニングすると、仕事の選択肢が広がります。

1級施工管理技士取得後のキャリアプラン事例

1級施工管理技士はさまざまなキャリアにつながる、価値の高い資格です。目標である1級を取得した後のキャリアプラン事例をみていきましょう。

プラン1|今の会社で現場のプロを目指す

1級施工管理技士の資格を取得すると、施工管理の分野の専門的な知識と技術がある貴重な人材として判断されます。大規模な案件など、大きな責任を任される機会も増えるでしょう。

さらなるキャリアアップをねらうのであれば、1級施工管理技士が受検資格となる資格を取得することをおすすめします。

・監理技術者
・労働安全コンサルタント
・社会保険労務士 など

資格を取れば現場作業員に的確な指示が出しやすくなり、知識やスキルを直接工事現場で活かせます。資格を幅広く取得してキャリアを積むことで、大幅な年収アップが期待できるでしょう。

プラン2|スーパーゼネコン(有名なゼネコン)に転職する

現在の企業より優れた条件を求めて、大企業への転職に挑戦する人もいます。

保有している資格次第ではスーパーゼネコンへの転職も狙えますし、転職に成功すれば資格手当を得たり、さらに高い給与を狙えたりすることもあります。

ただし、スーパーゼネコンはひとつの案件の規模が大きいため、中途採用の審査基準は高く設定されていることが多いです。相応の資格や知識、技術や能力をもっていない場合は、スーパーゼネコンへの転職は難しいでしょう。

プラン3|他業種や他職種へキャリアチェンジする

施工管理は、担当する業務の幅が広いことが特徴です。工程・品質・安全・原価のすべてを管理しながら的確な指示を出すなど、専門知識だけではなく、高いマネジメントスキルやコミュニケーション能力が求められます。もちろん、スペシャリストとしてのキャリアを歩むこともできますが、身に付くスキルが幅広いことからジェネラリストとしてキャリアを広げていく人もいます。

スキルを活かせば、他業種や他職種へのキャリアチェンジも狙えるでしょう。例えば、ゼネコンの営業や内装工事、不動産仲介、設備管理、CADオペレーターなどです。

施工管理でキャリアアップを目指すなら

未経験から施工管理技士としてキャリアを積む場合は、正社員型派遣として就業するのがおすすめです。

未経験で建設業界に挑戦したい方は、「共同エンジニアリング」へご相談ください。資格取得のサポートや教育プログラムが整っているため、未経験からでもキャリアを積みやすい環境が整っています。

また、大手ゼネコンとのつながりが強く、未経験でも大きな案件に携われるチャンスがあります。キャリアアドバイザーが一人ひとりの希望に沿った働き方を提案していくため、どうぞお気軽にご応募ください。

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まとめ

施工管理でキャリアを積むには現場で知識・技術を身に付け、国家資格である2級施工管理技士、1級施工管理技士の資格を取得していくのが早道です。令和6年の制度改正により、未経験の若手でも施工管理技士にチャレンジしやすくなっています。早めの資格取得で、キャリアアップを目指しましょう。未経験なら、正社員型派遣としての就業がおすすめです。