接客業から転職する方は多いって本当?
ここでは、接客業の転職事情について解説します。
接客業から転職する方は多い
厚生労働省が公表している「令和4年 雇用動向調査」によると、令和4年の離職者数は「卸売業、小売業」の 1,400万4,000人が最も多く、次いで「宿泊業、飲食サービス業」1,302万3,000人となっています。
また、同調査によると「宿泊業、飲食サービス業」は入職者数が最も多い産業となっているため、接客業は入れ替わりの激しい業界といえるでしょう。
出典:厚生労働省「令和4年 雇用動向調査」
接客業からの転職が多い背景
接客業からの転職が多い背景には、以下の3つが挙げられます。
収入が上がりにくい
厚生労働省が公表している「令和4年賃金構造基本統計調査」の産業別月額賃金では、「宿泊業、飲食サービス業」は約25万円となっており、全産業の中で最も低い結果となっています。
接客業は世の中になくてはならない職業ではあるものの、業界全体の給与水準が低いことから、収入が上がりにくい傾向にあります。
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査 結果の概況」
土日祝に休みをとりにくい
飲食店やホテルなど、接客業やサービス業の多くはシフト制で土日祝も営業しています。そのため基本的には土日祝も出勤が必要で、平日に休みとなるケースが多いでしょう。土日祝に休みが取れず、家族や友人との予定が合わせにくいことが、転職を考える理由のひとつになります。
ストレスを感じやすい
顧客のなかには理不尽な要求やクレームをいってくる方もいるでしょう。接客業では、そういった顧客にも丁寧に対応しなくてはならず、ストレスを感じる場合があります。
接客業からの転職は難しい?
接客業からの転職が難しいかどうかは、個人のスキルや経験、希望する転職先によって変わるため一概にはいえません。しかし、接客業出身者は「コミュニケーションスキル」「ビジネスマナー」「マルチタスクスキル」など、転職市場で需要の高いスキルを身に付けていることがほとんどです。
こういった他業界・他職種でも通用する汎用的なスキルを「ポータブルスキル」といいます。ポータブルスキルを身に付けている人材は適応能力が高いと評価され、採用で有利になる場合があります。
接客業のスキルや経験を活かせる転職先《5選》
「接客業から異業種へ転職したいけれど、どのような仕事を選べばよいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。転職を有利に進めるためには、接客業でのスキルや経験が活かせる転職先を選ぶことが重要です。ここで紹介する5つの仕事は、接客業で働いた経験を活かしやすいため、ぜひ参考にしてみてください。
1.営業職
営業職は、顧客に自社商品やサービスを提案して成約につなげる職業です。営業職では高いコミュニケーションスキルや提案スキルが求められますが、接客業出身者であればそのスキルを有している方が多いでしょう。また、接客業で培ったサービス精神も、顧客に対する気配りや配慮につながります。
2.コールセンター
コールセンターのオペレーター業務には、電話で顧客からの問い合わせに対応する「インバウンド」と顧客に電話をかけて営業する「アウトバウンド」があります。いずれも電話で顧客と接する業務であり、接客業で培ったコミュニケーションスキルが活かせるでしょう。
またコールセンターの業務では、PCで顧客情報を記録する作業も多くあります。接客業で基本的なPCスキルを身に付けていれば、スムーズに業務が行えるでしょう。
3.施工管理
施工管理は、建設プロジェクトにおいて、工程や安全、品質、原価などを管理する仕事です。施工管理者は、建設プロジェクトのさまざまなステークホルダーと連絡を取り合う必要があり、接客業で培ったコミュニケーションスキルが活かせます。
また、建設プロジェクトでは予測できない問題や変更が発生することがあり、接客業で培った柔軟性や適応力も活かせるでしょう。
施工管理の仕事に就くには専門的な知識やスキルが必要ですが、人材派遣サービスの共同エンジニアリングでは、施工管理未経験者を積極的に採用しています。研修制度が充実しており、未経験でも一から施工管理技術を身に付けることが可能です。
共同エンジニアリングに入社後は、各建設プロジェクトに派遣されて業務を行うため、さまざまな現場で経験を得られます。接客業のスキルを活かしたい方、手に職を付けたい方は、ぜひ共同エンジニアリングへご応募ください。
4.介護職
介護職は、介護サービスを必要とする高齢者や障害者などに、身体介護や生活援助を行う職業です。介護職もサービス業の一環であり、利用者に対して心のこもったサポートや援助が求められます。接客業で培ったサービス精神は、介護業務で活かせるでしょう。
また、利用者や家族に安心して介護サービスを利用してもらうには、信頼関係の構築が欠かせません。接客業で培ったコミュニケーションスキルは、利用者との意思疎通に役立ち、信頼関係の構築に寄与します。
5.秘書
秘書は、企業のトップや役員などの庶務業務をサポートし、スムーズな業務遂行を支える職業です。秘書業務にはクライアントや来客への対応が含まれることがあり、サービス精神が求められます。接客業で培ったおもてなしの心や気配りが秘書業務で活かせるでしょう。
また接客業で身に付けたビジネスマナーも、クライアントや経営層とのやり取りなどの、プロフェッショナルな対応が求められる場面で役立ちます。
接客業からの転職を成功させるには?
接客業出身者は市場価値が高いとはいえ、転職を成功させるのは容易ではありません。以下の5つのポイントを押さえて転職活動に臨みましょう。
転職の理由を明確にする
異業種転職では、企業側は「なぜこの業種を選んだのか」「なぜ転職しようと思ったのか」という点を重視します。その際に、転職の理由を明確に伝えられないと早期退職を懸念され、採用を敬遠されるでしょう。
転職の理由を明確化するのは、選考対策としてだけでなく、自分に合った転職先を見つけるためにも重要です。
キャリアプランを明確にする
キャリアプランとは、理想のキャリア実現に向けた計画のことです。キャリアプランが定まっていないと、やりたいことが都度変わり、転職を繰り返してしまいます。一貫性のあるキャリアを構築しないと市場価値を上げにくく、将来的に転職が難しくなることもあるでしょう。
また、面接ではキャリアプランを聞かれるケースがあるため、しっかりと答えられるように準備しておくことが大切です。
自己分析で強みを洗い出す
基本的に転職では戦力となる人材が求められます。企業側は、強みがない人材を採用したいとは考えません。加えて、自分の強みがわかっていない方は、分析力が足りないと捉えられるでしょう。
特定の業界や職種における専門的なスキルがなくても、コミュニケーションスキルやマネジメントスキルなど、自分の強みを見つけてアピールすることが大切です。自己分析は仕事選びにおいても重要で、強みが活かせる仕事を選ぶことで早期に活躍できます。
納得感のある志望動機を作成する
企業研究とは、その企業独自の強みや他社との違いなどを分析・研究することです。説得力のある志望動機を作成するには、数多くある企業のなかから「なぜその企業を選んだのか」を明確に伝える必要があります。そのためにも、入念に企業研究をして深みのある志望動機を作成しましょう。
また入念に企業研究をすれば志望先企業への理解も深まり、入社後のミスマッチを防ぎやすくなります。
転職エージェントやハローワークのサポートを受ける
転職エージェントやハローワークでは、求人の紹介や面接のアドバイスなどのサポートを無料で提供しています。転職の経験が少ない方は、転職事情に精通したプロのサポートを受けることで効率良く転職活動を進められるでしょう。
まとめ
接客業で培ったコミュニケーションスキルやサービス精神は、あらゆる業界・職種で通用します。スキルをうまくアピールできれば転職を有利に進めることが可能です。入念に自己分析・企業研究し、自分に合った転職先を探しましょう。