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CADは独学で身に付けられる?
CADのスキルは独学でも習得できます。このソフトウェアは専門性が高いため、以前はスクールに通って学ぶのが一般的でした。しかし、現在はWeb上にたくさんのCAD図面やeラーニング教材が公開されているため、独学でも十分習得可能です。 とくにeラーニング教材においては、CADの基本的な技術が体系化されたコンテンツが用意されており、まったくの初心者でもコツコツと学習を進められます。
CADの独学のメリット・デメリット
CADの独学には次のようなメリット・デメリットがあるため、取り組む前に確認しておきましょう。
独学のメリット
独学の大きなメリットは、費用がかからない点です。スクールに通う場合、数万円〜数十万円かかりますが、独学であれば書籍代だけで済みます。
また、Web上に掲載されている記事や動画コンテンツで学習する方法であれば、お金を一切かけずにスキルを身に付けることも可能です。
ほかにも、場所や時間に縛られず、マイペースに学習を進められる点も独学の魅力です。スクールに通う場合、スケジュールを立てて決まった日時に通学する必要があります。一方独学の場合は、自由に予定を立てて、その日の気分や体調で学習内容を決められます。
独学のデメリット
このように独学にはメリットが多くあるものの、デメリットがある点にも注意が必要です。
独学は自由に学習スケジュールを立てられる反面、人によっては怠けてしまったり、モチベーションの維持ができなかったりします。
自分で高い学習意欲を維持して勉強を進めなければ、いつまで経ってもスキルを習得できません。その点、スクールの場合は学ばなければいけない環境に身を置けるため、やる気が低下していても学習を継続できます。また、講師から指導を受けたり、ほかの生徒と交流したりすることで、意欲が向上することも考えられます。
また、挫折しやすい点も独学のデメリットです。難しい問題に直面しても、自力で解決しなければ先に進めないため、心が折れてしまう場合があります。加えて、スクールでは講師から指導を受けて効率良くスキルを習得できますが、独学の場合は学習の進め方が非効率的になってしまうケースがあるため注意が必要です。
CADを独学する際の学習時間
一般的にCADを独学する場合、実際に現場で使えるレベルになるには「3か月」はかかります。ただし、1日の学習時間や活用する教材などによって異なるため、上記はあくまで目安として捉えてください。
CADの独学に必要なもの
ここでは、CADを独学する前に準備しておきたいものを紹介します。
PC
CADソフトを起動し、図面を作成するにはPCが必須です。PCはデスクトップではなくノートパソコンでも問題ありません。ただ、可能な限りスペックの高い製品を選ぶことが大切です。低スペックのPCで作業すると、動作が重くなってしまい、学習効率が低下します。
メモリが大きく処理能力が高いものを選べば、読み込みが速く、作業をサクサク進められます。作業スピードは学習のモチベーションにも大きく影響するため、予算も踏まえつつ無理のない範囲でハイスペックPCの購入を検討してみてください。
また、マウス選びも重要です。CADの製図は基本的にマウスで行うため、長時間の作業によって腱鞘炎になるリスクがあります。手への負担を軽減するためにも、自分の手にフィットするマウスを選びましょう。
ほかにも、作業効率化や作業精度の向上といった観点で、「モニター」を追加するのもおすすめです。CADの図面は繊細で複雑な情報が含まれることから、画面全体で表示すると細部まで確認するのが困難になります。デュアルモニターで製図作業中の細かい線を拡大表示することが、ミスなくスムーズに作業を進めるためのポイントです。
CADソフト
CADソフトにはいくつか種類があります。業界・企業によって使用するソフトは異なるため、就職・転職先に合わせて選びましょう。代表的なCADソフトとして、「AutoCAD(オートキャド)」「Revit(レビット)」が挙げられます。
AutoCADは、オートデスク株式会社が開発する汎用CADです。建築・土木・機械分野など、幅広く使用されています。Revitも同社が販売しているCADソフトウェアです。これは建築分野に特化したソフトであり、主に建築設計者や協力施工会社が使用しています。
練習図面
CADソフトを使って図面作成・設計の練習をするための図面も用意しましょう。インターネットで「CAD 練習図面」と検索すると、練習図面を入手できます。CADの練習では、「直線や曲線の描画」「寸法の設定」「図形の移動やコピー」「レイヤーの管理」といった基本的な操作を反復して行いましょう。
プリンター
作図した図面にミスがないか確認するために、プリンターも必要です。実際にCADの実務でも、作図とあわせてプリントアウトするケースがよくあります。
プリンターは、A4サイズをカラーで印刷できる機種がおすすめです。職場によってはA3サイズを印刷することもあるため、金銭的に余裕があれば、A3サイズまで対応できる機種も検討してみてください。
また、インクジェットプリンターは印刷コストがかかるため、インク代を抑えるためにレーザープリンターを選ぶのも賢明です。
CADの独学方法
ひとくちに「独学」といっても、学び方はさまざまです。ここではCADの独学方法を3つ紹介します。どれかひとつの方法に絞るのではなく、異なるやり方を組み合わせて学習するのがおすすめです。
CADの参考書で学ぶ
独学におけるスタンダードな方法が参考書の活用です。参考書にはCAD操作の仕方がいちから記載されており、体系的にスキルを習得できます。書店やインターネット上で購入できるほか、電子書籍で学ぶことも可能です。
参考書にはさまざまな種類がありますが、下記3つを用意するのがおすすめです。
1.製図の知識が学べる本
2.CADの操作方法が学べる本
3.CAD関連の資格取得用の本
CAD関連の資格には「建築CAD検定」「3次元CAD利用技術者試験」「AutoCADユーザーオートデスク認定資格プログラム」など、いくつかあります。
学習のモチベーションを上げるために、「資格取得」を目標に掲げることはとても有効です。また、資格があれば、CADスキルを客観的に証明できるため、就職・転職でも有利になる場合があります。ぜひ取得を検討してみてください。
動画で学ぶ
Youtubeをはじめとする動画投稿サイトには、CADの操作からコツまで、初心者向けにわかりやすく解説された動画が多く掲載されています。
書籍だけだと、どうしてもわからない問題にぶつかりがちです。しかし、そのようなときに解説動画を見ることで、より深い理解につながります。
また、参考書での勉強の合間に動画学習を組み込むことで気分転換になったり、通勤時間や仕事の休憩時間、寝る前など、隙間時間を利用して学べたりする点も魅力です。
Web上のCAD図面を模写する
実践的にCADスキルを習得するには、知識をインプットするだけでなく、適度にアウトプットすることも大事です。Web上には「DWG」「DXF」「JWW」など、あらゆる形式のファイルが掲載されています。覚えた内容を、図面のトレース(模写)で活かし、CAD操作を体で覚えましょう。
【3ステップ】CADの独学手順
独学での勉強方法を紹介しましたが、あわせて知りたいのは効率的な学習の流れです。ここではCADを独学する際の具体的なロードマップを解説します。
1.基礎知識や基本操作を覚える|〜2週間
まずはCADの基礎知識や基本知識を覚えることからスタートです。初めはコマンドの名前すらわからず、悩んでしまうこともあります。操作手順がわからない場合は動画やヘルプなどで確認してみてください。操作に慣れるまで時間がかかる場合もありますが、根気強く何度も繰り返し練習しましょう。
2.実際に作図してみる|〜2か月
CADの基本操作を覚えたら、作図に挑戦してみます。最初は練習図面の見た目を写すことから始めてみてください。模写することで、ミリ単位で図面を読み取る力が身に付いていきます。なお、作図は下記の手順で行いましょう。
1.図面枠を作図
2.タイトルボックスを作る
3.図面で寸法が描かれている部分を描く
3.高度な作図を実践する|〜3か月
ある程度作図に慣れてきたら、実務を意識した練習を重ねます。図面の作成に加え、用紙の選択、レイヤーの設定、尺度の設定などにも挑戦してみてください。同じ1本の線を書く場合でも、編集して条件を与えると見栄えが大きく変わってきます。作図した図面は、実際にプリントアウトして確認してみましょう。
共同エンジニアリングなら未経験からでもCADを学べる
CADスキルを効率良く習得したい場合は、働きながら学ぶのがおすすめです。この学習方法は、費用がかからない「独学」とモチベーションを保ちやすい「スクール」の良いとこ取りといえます。
共同エンジニアリングでは、未経験採用枠で正社員のCADオペレーター職を募集しています。研修制度が充実しており、未経験者でも一からCAD操作を学びながら働くことが可能です。また、資格取得支援制度もあるため、CAD関連の資格取得やキャリアアップも狙えます。
また、土日休みで年間休日が120日程度あるため、ワークライフバランスを保ちつつ、スキルを身に付けられる点も魅力です。サービス業や事務職など、さまざまな経験をもつ社員が活躍しているので、未経験でも安心してご応募ください。
まとめ
CADは独学で習得できます。独学は、費用を抑えて自分のペースで学習を進められる点がメリットです。ただし、モチベーションを保ちにくい点や挫折しやすい点には注意しましょう。独学が難しいと感じた場合は、スクールや働きながら学ぶ方法も検討してみてください。