建築CADとは?使用する仕事や主なソフトも解説

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建築CAD(キャド)とは、コンピューター上で設計や製図などができる、建築に特化したCADソフトのことです。建築設計を効率良く進めるための機能が備わっており、建築業界を目指す方にとっては習得しておくと今度のキャリア形成に役立ちます。 今回は、建築CADの概要について、建設CADが使われている業界や職種、主なソフト6選、を詳しく解説します。

建築CADとは?

建築CADとは、建築に特化したCAD(Computer Aided Design)のことです。CADを使えば、時間をかけずに正確な製図ができ、ミスや変更があっても簡単に修正できます。

ここでは、建築CADの概要や優れているポイントについて、詳しくみていきましょう。

建築CADの概要

CADとは、コンピューター上で設計・製図ができるソフトのことです。建築業に限らず、製造業やアパレル業など、設計や図面が必要な業界で幅広く活用されています。

CADの中でも、建築に特化しているソフトを建築CADといいます。建築設計に最適化されたテンプレートが複数準備されており、比較的簡単に建物や室内の図面を作成することができます。

建築CADは、製図に不可欠な技術です。CADを使いこなせれば、設計・製図に関する業務を効率化させるだけでなく、品質の向上も図れます。

CADを使った職業として、建築業界ではCADオペレーターの募集が多い傾向にあります。CADオペレーターは、業務を行う上で特別な資格を必要としない職種であるため、未経験でもやる気があれば就職・転職することが可能です。

CADオペレーターとしてある程度経験を積むことで、設計士や建築士としてキャリアアップできる可能性があります。そのため、将来的に建築業界でキャリアを築きたいのであれば、建築CADのスキルを身に付けておくことをおすすめします。

建築CADの優れたポイント

建築CADが優れている主なポイントは、下記の3つです。

・早く正確に製図できる
・ミスの修正が簡単にできる
・図面の共有・管理が簡単にできる

建築CADは、正確な製図に必須となる、均一な太さのラインを簡単に引くことができます。通常であれば時間や経験を積んで習得する綺麗で正確なラインが、誰でも定規で測ることなく引けるので業務効率化につながります。テンプレートを活用すれば、さらなる時短が実現可能です。

また、建築CADであれば、「ワンクリックで消したい線だけを消せる」「必要な部分は複写する」など、ピンポイントで簡単に修正できます。手書きのときのように、慎重に線を消したり、再度図面を書き直したりする必要がありません。

図面のデータがデジタルで保存されるため、図面の共有・管理も簡単です。情報共有や関連情報との紐づけも、手間なく処理できるのも魅力です。

建築系CADが使われる業界

建築業界では、ビル・マンションといった建物の建設において、図面や配線・配管図の作製をするときにCADが使われています。建築業界でCADを使いこなすには、適切な修正ができるよう、CADの知識だけでなく構造物に関する知識も必要です。

建築CADを使用する主な職種

建築CADを活用する代表的な職種は、下記の通りです。

・CADオペレーター
・CAD設計士
・建築士

それぞれの仕事内容について、詳しく解説します。

CADオペレーター

CADオペレーターとは、CADを使って図面を作成する職業です。デザイナーや設計者などが考えたプランを図面に落とし込むのが主な業務です。

建築現場に携わる場合は、図面を作成する上で設計者の意図を正確に反映させる必要があるため、建築に関する知識もある程度求められます。

また、設計士や建築士の作成した図面を修正したり、断面図を作成したりするのもCADオペレーターの仕事です。なかには手書きの図面をCADにトレースする場合もあります。

CADオペレーターについて詳しくは、下記の記事でも解説しています。

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CADオペレーターの仕事は楽しい?魅力とやりがいを7つ紹介!

CAD設計士

CAD設計士とは、建築CADをツールとして用いて設計をする仕事です。CADオペレーターと異なり、図面を作成するだけでなく、デザインや構造などの設計も担います。

一から設計できることが求められるため、CADの操作方法以外に建築法などの専門的な知識も必要とされるのが特徴です。

建築士

建築士とは、建物の設計から工事監理までを担う職種です。建築CADをツールとして用いて、設計などをします。

建築士になるには、「一級建築士」「二級建築士」「木造建築士」などの国家資格が必要です。

設計士の場合、100㎡未満の木造建築物や30㎡未満で高さ13mかつ軒高9m以下の建築物などしか設計できません。一方、建築士であれば、より大きな規模の建物を設計できます。

建築系CADソフト6選

建築系CADには複数のソフトがあり、汎用CADと専用CADの2種類に分類できます。汎用CADは、どの分野でも使用可能な機能を備えたCADです。

一方、専用CADは、特定分野の製図や設計に使用しやすいようにつくられたCADのことです。

ここでは、よく使われているソフトである、下記の6種類について紹介します。

・AutoCAD(オートキャド)
・Revit(レビット)
・ArchiCAD(アーキキャド)
・Rebro(レブロ)
・Tfas(ティーファス)
・Jw_cad(ジェイダブリューキャド)

AutoCAD(オートキャド)

AutoCAD(オートキャド)は、Autodesk社が手掛ける、業界のスタンダード的存在の汎用CADソフトです。2次元図面・3次元図面のどちらも制作できる機能性の高さが魅力です。

Revit(レビット)

Revit(レビット)は、 Autodesk社の建築に特化したBIMソフトです。BIMとは、コンピューター上に作成した3次元の形状情報に加えて、建物の属性情報などをあわせ持つ建物情報モデルを構築できるシステムのことです。

AutoCADをはじめ、Autodesk社製のさまざまな製品と連携できます。ワークシェアリング機能で、プロジェクトメンバーが、同じモデルを共有しながら作業できるのも便利です。

ArchiCAD(アーキキャド)

ArchiCAD(アーキキャド)は、世界初のBIMソフトです。直感的な操作が魅力で、macOSに対応しているので、世界中の建築業界で高いシェアを誇ります。

Rebro(レブロ)

最先端のBIMシーンで活用される3次元CADが、Rebro(レブロ)です。高精度な設備モデルが作成できます。設計から維持管理までをシームレスにつなげられるなど、設備業務を効率化できるソフトです。

Tfas(ティーファス)

空調衛生設備や電気設備専用として開発されたのが、Tfas(ティーファス)です。配管や配線が張り巡らされた複雑な部分を、比較的簡単に設計できるのが強みです。

Jw_cad(ジェイダブリューキャド)

Jw_cad(ジェイダブリューキャド)は、国産の汎用CADソフトです。フリーソフトながら高い性能を誇り、多くの設計現場で採用されています。建築士が開発したため、建築系での利用が多いのも特徴です。AutoCADの互換データが作成できます。

まとめ

建築CADとは、建築に特化したCADのことです。簡単かつ正確に製図ができ、ミスの修正や図面の共有・管理がしやすいことから、製図になくてはならないツールです。建築CADのスキルを身に付けておけば、設計士や建築士などのキャリアの道が開けるため、建築業界を目指したい方は習得を検討すると良いでしょう。

建築CADの専門家であるCADオペレーターを未経験から目指すなら、共同エンジニアリングがおすすめです。研修が充実しているので、未経験でもステップアップしていけます。建築CADに関心があるなら、ぜひご応募ください。