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プラントエンジニアの仕事に役立つ資格9種
プラントエンジニアは、「プラント」と呼ばれるさまざまな製品や原料などを製造する大規模な工場の建設に関わる仕事です。基本設計や詳細設計だけでなく、設備の保守、点検、整備などを行う現場もあります。幅広い技能の習得が求められるため、主に理工学部系の大学や修士卒業者が目指す仕事です。
プラントエンジニアになるために、特別な資格は必要ありません。とはいえ、資格はプラントエンジニアに関する専門知識や技術を有することの証明になります。即戦力化が期待される中堅以上の立場では、資格があると有利とされています。
プラントエンジニアの仕事に役立つ、代表的な資格をみていきましょう。
技術士・技術士補
技術士は、科学技術に関する専門的な知識、技能を証明する国家資格です。資格は21の技術部門にわかれており、プラントエンジニアにとって有利に働くのは次の分野です。
・建設部門
・機械部門
・化学部門
・環境部門
・衛生工学部門
・上下水部門
技術士の試験は分野ごとに開催され、第一次と第二次試験があります。第二次試験の受験には一定の実務経験が求められるため、難易度の高い資格となっています。
技術士補は技術士の補助ができる資格で、技術士試験の一次試験に合格するか、認定された教育課程を修了して取得できます。
建築士
建築士は、建物の設計を行う技術を証明する国家資格です。一級、二級、木造建築士の種別があり、資格によって設計できる建築物の規模が異なります。
学歴や実務経験の受験制限があり、取得難易度は高いものの、一級建築士を取得すれば大規模なプラント設計の仕事にも携われます。
エネルギー管理士
エネルギー管理士とは、エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換などに関する法律(省エネ法)に基づく国家資格です。資格者はガスや電気などのエネルギーを使用するプラントの維持管理、エネルギー使用量の監視、エネルギー使用の効率化、現場指揮などを担います。
エネルギー管理士の試験を受験するのに、学歴や実務経験は必要ありません。ただし、免状申請までに1年以上の実務経験が必要です。
電気供給業やガス供給業など、特定分野の事業者はエネルギー管理士専任の義務があるため、資格を取ればプラントエンジニアとして携われる仕事の幅が広がります。
電気主任技術者
電気主任技術者は、電気設備の保安や維持管理、運用を行う技術者に必要な国家資格です。扱える電圧の違いで第一種、第二種、第三種にわかれており、とくに、電気系プラントエンジニアに有利に働きます。
第一種電気主任技術者は難易度が高いものの、学歴や実務経験などの受験制限がありません。初めての方も挑戦しやすい資格です。
電気工事士
電気工事士は、電気設備工事の施工に関わる国家資格です。資格を保有していないと電気設備の工事ができないため、資格者には一定のニーズがあります。とくに、電気系のプラントエンジニアを目指す方におすすめです。
資格は工事可能な範囲の違いによって第一種、第二種のふたつにわかれており、それぞれ筆記試験と技能試験があります。第二種電気工事士なら受験資格に制限がないため、実務経験がそこまでない方も挑戦しやすいといえます。
ボイラー技士
ボイラー技士は、ボイラーの運用、管理、保守、点検を行うための国家資格です。ボイラーを利用するプラント施設は多く、一定の規模以上の設備を備えている場合は有資格者の専任が義務付けられています。
ボイラーの資格は扱う設備の規模により、二級、一級、特級にわかれています。二級ボイラー技士なら受験資格に制限がありません。
計装士
計装士は、生産工場の測定装置や制御装置を扱うための専門資格です。プラントには欠かせない装置なので、とくに、生産系のプラントエンジニアにとって重要度の高い資格です。
計装士の資格は、技術レベルに応じて一級、二級にわかれています。一級、二級とも受検には一定の実務経験が必要なので、確認しておきましょう。
機械設計技術者試験
機械設計技術者試験は、機械設計の技術の高さを認定する民間資格です。とくに、機械系のプラントエンジニアに有利に働きます。
機械設計技術者試験は一級、二級、三級にわかれていて、三級には受検制限がありません。機械系の技術者に求められる常識的な知識を確認する試験内容なので、実務未経験でも挑戦しやすい資格です。
機械保全技能士
機械保全技能士は、プラントの機械設備の修理や保全、メンテナンスに関わる民間資格です。設備診断や機械保全のプロフェッショナルであることを証明するのに役立つため、機械系プラントエンジニアにおすすめです。
機械保全技能士には、特級、一級、二級、三級の種類があり、三級以外を受検する場合は機械保全に関する実務経験が必要です。
プラントエンジニアに向いている人の特徴
プラントエンジニアは、さまざまな専門的な知識の習得が求められる仕事です。資格だけでなく、実務を通してスキルを身に付けることも必要で、ほかのエンジニアに比べて適性の有無がわかれる傾向があります。
プラントエンジニアに向いている人の特徴をみていきましょう。
社会貢献にやりがいを感じる人
プラントエンジニアは仕事にやりがいを求める方、ものづくりの醍醐味を味わいたい方に向いています。プラントエンジニアは大変な仕事でも、自分の関わる建物が機能する充実感を味わえるのが魅力です。
また、プラント施設を建てたり、運転を維持したりする仕事は社会的な貢献度も高く、やりがいがあります。自分の関わる設備が稼働し、人々の役に立つ姿を間近で見られるのは、プラントエンジニアならではの特権です。
コツコツ努力できる人
プラントエンジニアは専門的な知識や技能が求められる仕事なので、学習意欲が高い方に向いています。とくに、仕事に役立つ資格を取得するには、地道に努力する姿勢が欠かせません。
プラントエンジニアの業務には設備の維持管理も含まれるため、黙々と作業に打ち込める職人気質の方や、努力家向きの仕事です。
海外勤務に興味がある人
プラントを建設する需要は海外の発展途上国に多く、プラントエンジニアは社会的貢献度が大きい仕事でもあります。国内での仕事と一味違う仕事ができるため、能力を高めたい方、常に新しいものにチャレンジしたい方にも向いています。
現地で生活する必要もあるので、語学力を生かした仕事をしたい方、海外の文化に触れてスキルを高めたい方にもおすすめです。
コミュニケーションが得意な人
プラントを建てたり、運転を維持したりする仕事は、さまざまな専門家が一緒に業務を行います。プロジェクトの中心的役割を担うのがプラントエンジニアで、コミュニケーション能力やリーダーシップが欠かせません。
幅広い職種、年齢層の人間が共同してプラントを造りあげていくため、プラントエンジニアには現場を管理するマネジメント能力も求められます。
まとめ
プラントエンジニアになるために必須の資格はないものの、資格があればより有利に働けます。現場で働きながら学びたい方は、派遣の仕事も検討しましょう。未経験からの転職の場合は、正社員より派遣から始める方が就業のチャンスを広げられます。
建設コンサルティングの実績をもつ共同エンジニアリングなら、働きながら学んで資格を取得することができます。未経験向けの独自の教育プログラムがあり、研修制度も充実していて、すぐに働くことができるのでおすすめです。
大手ゼネコンの現場も扱っているため、若手でも大規模現場に携われる可能性があります。プラントエンジニアや建設業界への転職を目指すなら、どうぞお気軽に共同エンジニアリングにお問い合わせください。