女性が現場監督として働くメリットとは?転職成功のポイント

この記事は約8分で読み終わります。

建設業界では女性の活躍が注目されるようになり、現場監督というポジションで働く女性も徐々に増えてきました。「建設現場=男性の仕事」というイメージは過去のものとなりつつあり、実際に女性ならではの視点やスキルが現場で高く評価されています。

今回は、女性が現場監督として働くメリットや、未経験からの転職を成功させるためのポイントについて解説します。これから建設業界にチャレンジしたい方や、安定した仕事をしたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

女性は現場監督として活躍できる?

国土交通省の「令和4年 建設業活動実態調査の結果」によると、女性の技術職(現場監督)は7,894人にのぼり、前年(令和3年)の7,428人から約6.3%増加しています。依然として男性技術者の数は115,064人と圧倒的ですが、女性も一定数が第一線で活躍していることが明らかです。

建設業界は慢性的な人手不足に直面しており、特に現場監督のようなマネジメント職は需要が高まっています。体力的な負担や長時間労働などの課題もある一方で、業界全体で働き方改革や女性の採用・定着に取り組む企業も増えています。

性別に関係なく、やる気とスキルがあれば、未経験からでも現場監督を目指すことは十分に可能です。

出典:
国土交通省「令和3年建設業活動実態調査の結果
国土交通省「令和4年建設業活動実態調査の結果

女性が現場監督として働くメリット

現場監督は、建設プロジェクトの進行管理や安全管理、工程調整などを担う重要な職種です。専門的なスキルと責任感が求められますが、その分やりがいも大きく、待遇面にも反映されやすいといえます。

女性ならではの視点や丁寧な仕事ぶりが評価されることも多く、長く安定して働けるキャリアとして注目されています。ここでは、女性が現場監督として働く主なメリットを紹介します。

年収が高い

現場監督の仕事は専門性が高く、他職種と比べて年収水準が高い傾向にあります。国税庁の調査によれば、女性全体の平均年収は約316万円ですが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、女性の建築施工管理技士の平均年収は約482万円、土木施工管理技士は約437万円です。

一般的な事務職などと比較しても高い水準であり、経験を積むことでさらなる年収アップも期待できます。高収入であることは、経済的な自立を支えるだけでなく、将来に対する不安を減らし、ライフプランを立てやすくなるといったメリットがあります。

出典:
国税庁「令和5年分 民間給与実態統計調査
e-Start 政府統計の総合窓口「令和6年賃金構造基本統計調査

安定して働ける

建設業は、道路・橋・建物などのインフラ整備を担うため、社会にとって欠かせない存在です。そのため景気に左右されにくく、安定した需要がある業界といえます。

さらに、DX(デジタルトランスフォーメーション)が進む現代でも、現場での細やかな判断や対応には人の手が必要であり、ロボットやAIで完全に代替することは困難です。

人手不足が続いていることもあり、求人の数は多く、転職や再就職にも有利な状況が続いています。長期的に働きたい人にとって、現場監督は安定性の高い職種のひとつです。

出産や育児後もキャリアを築きやすい

建設に関する知識や現場での判断力、安全管理のノウハウなどは、ブランクがあっても再び活かせる力です。また、建設業界では専門性の高い人材が常に求められており、育児などで一時的にキャリアが中断しても、復帰しやすい環境があります。

時短勤務や在宅勤務といった柔軟な働き方を導入している企業も増えており、仕事と家庭を両立しながら長く働ける土壌が整いつつあります。

女性目線の提案ができる

現場監督の仕事には、ただ工事を進めるだけでなく、働く人々の安全や快適さを考える視点も重要です。女性ならではの視点から、作業スペースの安全性や休憩所の清潔さ、トイレの整備状況などに気付き、改善提案ができます。

また、現場の雰囲気やコミュニケーションの取りやすさを向上させるためのアイデアも重宝されることがあります。女性が働きやすい職場環境を整えることは、結果として業界全体の人材確保にもつながり、今後の建設業界にとっても大きな意味をもつでしょう。

女性が現場監督として働く際に注意したいこと

現場監督はやりがいが大きく、安定性や高収入などの魅力がある一方で、働く上で注意しておきたいポイントもあります。ここでは、現場監督として働く際の注意点を2つ紹介します。

女性の割合が少ない

建設業界全体で女性の進出が進んできているとはいえ、現場監督という職種ではまだまだ男性が大多数を占めています。職場によっては女性の同僚がいないケースもあり、相談しやすい相手が見つからずに孤独を感じることもあるかもしれません。

また、身近にロールモデルとなる女性の先輩がいない場合、将来のキャリアビジョンを描きにくいと感じることもあるでしょう。そのため、女性が活躍している企業か、育成に力を入れているかを事前に確認しておくことが大切です。

社内のサポート体制や、女性社員向けの研修制度が整っているかもチェックすると良いでしょう。

体力が必要な場面もある

現場監督の主な業務は、工程や品質、安全管理、作業指示などのマネジメント業務です。基本的に肉体労働はありませんが、工事現場に足を運び、現地での状況確認や作業指示を行うため、一定の体力は必要とされるでしょう。

ただし、昨今は現場における作業効率化やICT活用が進み、働きやすい環境が整備されてきています。

現場監督として働く女性の声

実際に現場監督として働いている女性が、どのような想いでこの職業を選び、日々の業務に向き合っているのか気になる方も多いのではないでしょうか。ここでは、新卒入社と中途入社、それぞれの立場から入社理由や仕事のやりがいについての声を紹介します。

入社理由

・ケース1|2021年新卒入社の女性社員
「将来は、『たくさんの人と関わる』『人をまとめて進めていく』仕事に就きたいと考えるようになり『人と関わる』という軸で就職活動を始めました。ちょうどそのころ、通学中にある建設現場の朝礼を見かけ、一体感があり活気にあふれる雰囲気に魅了され、少しずつ建設業界に興味を抱くようになりました。」

【解説】
施工管理の仕事は、設計事務所、クライアント、職人、協力会社など多様な関係者と連携しながらプロジェクトを推進していく仕事です。人と関わることが好きな人に向いている職種といえます。

・ケース2|中途入社の女性社員
「興味がもてる会社を探していたところ、『未経験からでも充実の研修がある』『手に職をつけられる』という共同エンジニアリングの求人を見つけ、魅力を感じ、応募しました。調べると、CADは学んでいる人が多い中で、施工管理やそれにまつわる業務は、人手が足りておらず、社会から大いに求められている仕事だと知りました。さらに、親身になって話を聞いてくれた採用担当者からの後押しもあり、思い切って飛び込んでみることにしました。」

【解説】
施工管理は専門性が求められる職種ですが、企業によっては未経験者の受け入れに積極的なところもあります。研修制度や資格取得支援が整っていれば、ゼロからの挑戦でも十分に可能です。

やりがい

・ケース1|2021年新卒入社の女性社員
「現場のことを意識する中で職人さんたちから評価をいただいたときや、困難な状況の中でも試行錯誤をして現場がまとまった瞬間は、やりがいを感じました。」

【解説】
現場監督としての仕事は常に判断と調整の連続です。その中で周囲からの信頼を得たり、現場が一体となって動いたりすると、大きなやりがいを感じられます。

・ケース2|中途入社の女性社員
「1日を無事故で終えるという、ごく普通の日常が終わったとき。あとは、パトロール時の指摘事項が守られ、改善が継続しているのを実感したときですね。自分の伝えた内容が現場に浸透し、安全が守られていると思うと、うれしい気持ちになります。」

【解説】
建設現場には常にリスクが伴います。その中で、安全管理を徹底し、無事故で業務を遂行することは、現場監督としての大きな責任であり誇りにもつながります。

【未経験】女性が現場監督への転職を成功させるには?

ここでは未経験の女性に向け、現場監督への転職を成功させるための方法やポイントについて解説します。

未経験可の求人に応募する

建設業界では人手不足が深刻であり、未経験者を歓迎する求人も少なくありません。特に、女性の活躍を推進している企業では、研修制度やキャリア支援制度を整備しており、安心してキャリアを踏み出せる環境が整っています。応募時には、研修の有無や教育体制、キャリアの描き方についてしっかり確認することが大切です。

国内外に豊富な実績をもつ建設コンサルティング企業「共同エンジニアリング」では、全国各地で多くの女性技術者が活躍しています。2022年12月時点で女性の技術社員の割合は32%と、業界平均(約16%)の約2倍に達しています。

ライフステージの変化に対応できる制度も整えていますので、長期的なキャリアを築きたい方はぜひご応募ください。

>>共同エンジニアリング|女性の活躍
>>共同エンジニアリング|未経験者向けページ

資格を取得する

未経験からの転職であっても、資格を取得すれば専門知識を証明でき、選考を有利に進められます。例えば、施工管理技術検定の「第一次検定」は、17歳以上であれば実務経験がなくても受検が可能です。勉強中であっても、履歴書に「取得予定」と記載すれば、前向きに努力している姿勢が評価されるでしょう。

また、資格取得を支援している企業も多く、入社後に学べる環境が整っているケースもあります。自分で独学するのが不安な場合は、こうした制度を活用できる企業を選ぶのも賢い方法です。

カジュアル面談を活用する

「建設現場の仕事は未知数で、女性が働けるのか心配……」
「現場監督とはどのような働き方なのか、もっと詳しい話を聞きたい」

そんな疑問は、ぜひ、共同エンジニアリングのカジュアル面談で解消してください。選考ではなく、気軽な場なので、気になる点をざっくばらんに質問していただけます。

やりがいのある仕事に出合いたい方、新たな一歩を踏み出したい方をお待ちしております。

>>カジュアル面談の申し込みフォームはこちら

まとめ

建設業界で女性が現場監督として働くことは、決して特別なことではありません。女性技術者の数は増加しており、企業側も積極的に女性を受け入れる体制を整えつつあります。

現場監督という仕事は、専門性が高く、やりがいも大きい職種です。高収入や安定性、ライフイベント後の復職のしやすさなど、長期的なキャリア形成においても大きな魅力があります。建設業界へ興味がある方は、未経験でもぜひ挑戦してみてください。