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職人から施工管理へのキャリアチェンジは可能?
職人から施工管理へのキャリアチェンジは、十分に可能です。なぜなら、現場で培った実務経験や作業手順の理解は、施工管理の仕事に直結する強みとなるためです。施工管理の仕事は、現場で働く職人たちの動きを把握し、工程全体を円滑に進めることが求められることから、職人としての経験は大いに役立ちます。
また、未経験者を募集する求人は多く、研修制度が整っている企業も増えています。さらに、施工管理技士などの国家資格については、資格取得に向けた支援制度を設けている企業も少なくありません。職人からのキャリアアップとして、施工管理は現実的な選択肢といえます。
職人から施工管理を目指すメリット
職人から施工管理へのステップアップは、単に肉体労働から離れるだけでなく、将来的な安定性や年収の向上、市場での価値向上といったさまざまな利点があります。ここでは、職人から施工管理を目指すメリットを3つ紹介します。
年収が上がる
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、建築施工管理技術者の平均年収は641.6万円、土木施工管理技術者は596.5万円と高い水準を誇っています。
一人親方などの職人は日給制で働くことが多く、雨天や現場都合で作業が中止になるとその日の収入はゼロになります。つまり、収入が不安定になりがちです。
対して、施工管理は正社員雇用が多く、月給制であるため天候や現場の状況に左右されにくいのが特徴です。さらに、スケジュールのズレを調整することも仕事の一部であり、休工リスクを管理する立場に回ることができるため、計画的に働きやすくなります。年収だけでなく、安定した生活基盤を築ける点も大きなメリットです。
出典:
職業情報提供サイトjobtag(厚生労働省 )「建築施工管理技術者」
職業情報提供サイトjobtag(厚生労働省 )「土木施工管理技術者」
市場価値が高まる
施工管理は高い専門性と経験が求められる職種であり、一度スキルを身に付ければ業界内での市場価値が大きく向上します。特に建設業界では人手不足が深刻化しており、施工管理者のニーズは年々高まっています。
さらに、資格取得や実務経験を重ねれば他社からもより高く評価される人材となり、転職やキャリアアップのチャンスも広がるでしょう。
身体的な負担が軽減される
施工管理の業務は、現場の指揮やスケジュール管理、品質や安全の確認などが中心となるため、直接的な肉体労働は大きく減ります。
そのため、加齢によって体力の低下を感じ始めた人や、長時間の重労働に不安を感じる人でも、より長く働き続けることが可能です。体を酷使することなく、経験と知識を活かせる働き方へ移行できるのは魅力的です。
職人から施工管理を目指すデメリット
施工管理には多くのメリットがある一方で、職人からキャリアチェンジする際には、いくつか留意しておきたい点があります。ここでは、職人から施工管理を目指すデメリットや課題について解説します。
責任の範囲が広がる
施工管理者は現場を統括する立場であるため、職人時代よりも責任の範囲が広くなります。作業工程の管理だけでなく、安全対策や品質の維持、工期の順守など、プロジェクト全体に目を配らなければなりません。
万が一、工程に遅れが生じたり施工ミスが発生したりした場合は、その責任を負うことになります。そのほか、部下や協力業者との連携も求められるため、プレッシャーを感じる場面もあるでしょう。こうした責任をしっかりと受け止め、冷静に対応する力が必要です。
多様な知識・スキルが求められる
施工管理では、現場での経験だけでは対応しきれない幅広い知識とスキルが求められます。例えば、建築・土木に関する法令や構造に関する専門知識に加え、現場で働く職人たちとの円滑なコミュニケーション能力も重要です。
また、スケジュール管理や書類作成、見積もり作成などの事務的な業務も多く発生します。これまで現場仕事が中心だった人にとっては、PC操作や報告書作成などに戸惑うこともあるかもしれません。
しかし、これらのスキルは学歴・経験問わず習得可能なものであるため、最初のうちは学ぶ姿勢が何よりも大切です。
職人出身の施工管理が活躍しやすい理由
職人としての経験を土台に、施工管理としても即戦力として活躍できるケースが多くあります。ここでは、職人出身の施工管理が活躍しやすい理由について解説します。
現場経験に基づいた的確な指示が出せる
職人出身の施工管理は、現場の動きや作業内容を肌感覚で理解できるため、机上の知識だけでは得られない「現場に即した指示」が出せるのが大きな強みです。
例えば、天候や周囲の状況から作業の優先順位を判断したり、職人が動きやすい配置を提案したりと、細かい配慮ができる点が評価されるでしょう。
職人との信頼関係が築きやすい
職人出身の施工管理は、現場での苦労や作業の大変さを理解しているため、職人目線で物事を考えられます。
そのため「この人はわかってくれている」と感じてもらえ、良好な信頼関係を築き、現場の雰囲気も良くできます。そうなれば指示も通りやすく、結果として作業効率や品質の向上にもつながるでしょう。
現場のニーズを理解しやすい
職人出身者は、現場の予期せぬトラブルや困りごとに対応してきた経験があります。そのため、問題が起こった際にも、職人の視点から冷静な判断や迅速な対応ができるでしょう。
また、職人としての経験値を活かして危険な状況を早めに察知し、現場のトラブルを未然に防げれば、工期や品質を守ることにも寄与できます。
職人から施工管理を目指す方法
職人は現場経験があることが大きな強みですが、それを活かすためには自分に合った企業を選んで転職活動することが重要です。ここでは、職人から施工管理を目指す方法やポイントについて解説します。
資格を取得する
施工管理を目指す上で、資格取得は大きなアドバンテージになります。施工管理技士などの国家資格を保有していれば、専門性をアピールでき、採用担当者にも意欲と本気度が伝わります。
「1級・2級施工管理技士」の第一次検定(学科試験)は、実務経験がなくても受検可能です。そのため、職人として働きながら、資格取得を通じてキャリアチェンジの準備を進められます。また、資格の勉強中であっても履歴書に記載しておけば、向上心のある人材として評価されやすくなります。
求人サイトで「未経験可」の求人を探す
施工管理職でも「未経験可」とする求人が増えています。中には、研修制度や資格取得支援制度が整っている企業も多く、安心して新しいキャリアを踏み出せます。求人を探す際には、そうした支援体制があるかどうかを確認しましょう。
共同エンジニアリングでは、施工管理未経験者でも「施工管理サポート」としてキャリアを踏み出せる体制が整っており、実践を通じて学びながら成長していくことが可能です。入社時の基礎研修だけでなく、現場配属後もスキルアップや国家資格取得を支援する研修が充実しています。
さらに、業界経験豊富な講師陣や先輩社員が、未経験からの挑戦を親身にサポートしてくれるため、安心してスキルを磨けます。お気軽にご応募ください。
まとめ
職人としての経験を活かしながら新たなキャリアとして施工管理を目指すことは、現実的かつ魅力的な選択肢です。収入の安定や年収アップ、体力的負担の軽減、市場価値の向上といったメリットが多く、自身の将来設計にプラスになる要素が豊富にあります。
一方で、責任範囲の広さや新しいスキルの習得といった課題もありますが、しっかりと準備をすれば乗り越えられます。未経験者を歓迎する求人は多くあるため、ぜひ挑戦してみてください。