電気工事士は「やめとけ」といわれる理由は?魅力や向いている人の特徴も解説

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電気工事士を目指しているものの、ネットで「やめとけ」という声を目にして不安を感じていませんか?確かに、電気工事士の仕事には厳しさやリスクがともないますが、その一方で社会に欠かせない重要な役割を担う職業でもあります。 今回は、電気工事士は「やめとけ」と言われる理由を解説し、電気工事士の魅力や向いている人の特徴、資格取得に必要な準備について紹介します。

電気工事士は「やめとけ」といわれる理由

まずは、電気工事士に対する「やめとけ」という意見の背景について詳しく解説します。

体力的な負担があるため

電気工事士は体力を使う作業が多いのが特徴です。

高所作業や重い資材の運搬など、身体的な負担が大きい仕事が日常的にあります。

長時間の立ち仕事や屋外作業は避けられず、年齢を重ねるごとに体への負担が増していきます。特に40代、50代になると体力面で苦労することも少なくありません。

屋外作業が多い企業では、夏の暑さや冬の寒さを直接感じながら仕事をすることになります。

普段から運動習慣のない方が電気工事士として働き始めると、予想以上の体力的な負担を感じることがあるかもしれません。

事故や怪我のリスクがあるため

電気工事士は常に事故や怪我のリスクと隣り合わせです。

電気を扱う作業でのミスは感電事故につながる危険性があり、最悪の場合は命に関わる重大事故になる可能性もあります。

また、天井裏や床下での作業、脚立やはしごを使った高所作業など、さまざまな危険と隣り合わせの環境で働くことも少なくありません。

これらの作業には高い集中力と冷静な判断力が求められ、一瞬の不注意が重大な結果を招くことがあります。

常に安全意識を高く持ち続けることが重要で、これが精神的な負担になることもあるのです。

繁忙期は激務になるため

電気工事士の仕事は季節やイベントによって繁忙期があります。春や夏前、年末年始前は特に電気工事の需要が急増し、非常に忙しくなります。

繁忙期には休日返上で働くこともあり、プライベートの時間が確保しづらくなります。また、緊急のトラブル対応や夜間工事など予測困難な業務が突発的に発生することも珍しくありません。

特に災害時には電気復旧の要請が集中し、長時間作業が続くこともあります。

定時での帰宅が難しくなり、ワークライフバランスが崩れやすい点も「やめとけ」と言われる理由のひとつです。

見習い期間の年収が低いと感じやすいため

電気工事士は一人前になるまでに2〜3年の見習い期間が必要です。この期間の年収相場は250万円〜350万円程度といわれ、仕事の忙しさや身体的負担の割に収入が少ないと感じることがあります。

見習い時代は先輩の仕事を見て学ぶことが多く、一人で仕事をこなせるようになるまで時間がかかります。

一方で、この期間は将来の独立や高収入へ結びつく貴重な財産となります。

年収をあげるためには、第一種電気工事士やボイラー技士、電験三種などの上位資格取得や独立を目指す方法があります。見習い期間の低収入は、将来のキャリアアップのための投資期間と考えることもできるでしょう。

電気工事士の魅力

これまで電気工事士が「やめとけ」と言われる理由について説明してきましたが、電気工事士には多くの魅力があります。

ここからは、電気工事士という職業の持つさまざまな魅力について紹介します。

需要が高い

電気工事士は仕事がなくなりにくい安定した職業です。

電気は日常生活やビジネスに欠かせないものであり、常に一定の需要があるため、不況時でも比較的仕事を見つけやすいのです。

また、電気技術の発展や都市化が進む現代では、電気施設の整備や新築工事が増え続けています。新しい建物が建てられると、その後も定期的なメンテナンスや設備更新が必要です。この点も、電気工事士が安定した職業である理由のひとつです。

さらに、電気工事士は年々人手不足が進んでいます。若い世代の職人離れや高齢化の影響で熟練工が減少する一方、需要は減っていないため、スキルを持った電気工事士の価値は今後も高まっていくでしょう。

年収が高い

電気工事士は経験を積むにつれて年収も高くなる傾向があります。厚生労働省のデータによると、電気工事士の平均年収は547.6万円です。

日本の全業種の平均年収が478万円(令和6年調査)であることを考えると、比較的高い収入と言えます。一定のスキルと経験を積めば安定した収入を得られる職業です。

見習い期間を経て経験を積み、上位資格を取得することで年収はさらに上昇します。

特に第一種電気工事士や電験三種などの難関資格を持つと、より高度な工事に携わることができ、収入も増えていきます。

出典:

厚生労働省 職業情報提供サイトjobtag 「電気工事士
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査結果について

独立しやすい

電気工事士は企業で経験を積んだ後に独立する道も開かれています。

比較的少ない初期費用で開業でき、景気に左右されにくく一定の需要があるため、独立後も安定して案件を得やすい傾向があります。

また、電気工事は一度施工すると、その後のメンテナンスや修理でも再度依頼されることが多く、リピーターを獲得しやすい業種です。顧客との信頼関係を築ければ、紹介で新規顧客も獲得でき、事業を拡大していくチャンスもあります。

独立するには第二種電気工事士の資格取得後、3年以上の実務経験を積み、各都道府県知事に電気工事業者として登録する必要があります。これらの条件をクリアすれば、自分のペースで仕事ができる道が開けます。

やりがいを感じやすい

電気工事士は生活に欠かせない重要な職業であり、大きなやりがいを感じられるでしょう。

現代社会は電気によって支えられており、電気工事士の役割は社会の安全と快適な生活を支える重要な役割を担っています。

停電時の復旧作業や新施設への配線工事など、目に見える形で社会貢献できることが多くあります。また、自分の手で形あるものを作り上げる「ものづくり」の喜びも実感できます。

配線を正確に施工し、スイッチを入れた瞬間に設備が動き出す時には大きな達成感を味わえるため、多くの電気工事士が高いやりがいを感じながら仕事を続けています。

電気工事士に向いている人の特徴

下記の特徴に当てはまる方は、より電気工事士として活躍できるでしょう。

・電気工事や電気の仕組みに興味・関心がある人
・図面通りに正確に施工できる細かい作業が得意な人(図面読解力と実践技術がある人)
・コツコツと努力を継続できる人
・体を動かす仕事が好きな人
・見習い期間を乗り越えられる忍耐力のある人

電気工事士は大変な面もありますが、適性のある方にとっては、やりがいと将来性のある職業といえるでしょう。

電気工事士になるには|必要な準備を解説

電気工事士として電気工事に携わるためには、第一種電気工事士または第二種電気工事士の国家資格を取得することが必要です。

これらの資格は、受験資格に特別な条件が設けられていないため、誰でも受験できます。

資格取得のための勉強は下記のような方法があります。

1.独学
市販のテキストやオンライン学習で自分のペースで進める方法。

2.専門教育
電気工学系の大学・専門学校で体系的に学ぶ方法。

3.就職
資格取得支援を行う企業に就職し、働きながら資格を目指す方法。

なお、未経験からのスタートに不安がある方は、資格取得支援を行っている企業に就職する方法もあります。

このルートに興味がある方は、共同エンジニアリングもご検討ください。当社では、資格取得支援を積極的に行っています。

社内の研修制度を活用しながら電気工事士の資格取得を目指せるため、効率的にキャリアをスタートできます。

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まとめ

電気工事士は体力的負担、事故リスク、繁忙期の激務、見習い期間の低収入など、「やめとけ」と言われる理由が存在します。

しかし、高い需要と安定性、全国平均を上回る年収、独立のしやすさ、社会貢献によるやりがいなど、多くの魅力も兼ね備えています。

電気分野に興味があるなら、社会を支える重要な役割を担う、電気工事士を目指してみてはいかがでしょうか。