建築士は「やめとけ」といわれる理由は?人気の理由や向いている人の特徴も紹介

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「建築士はやめとけ」といわれることもあるほど、建築士は大変な仕事ですが、その一方で多くの人に選ばれる魅力的な職業です。 今回は、「やめとけ」と言われる理由を詳しく解説し、それでも人気がある背景や、どんな人が建築士に向いているのかを紹介します。

建築士は「やめとけ」といわれるのはなぜ?

建築士を目指そうと考えたとき、「やめとけ」という言葉を耳にすることがあります。なぜそのように言われるのか、その理由を詳しくみていきましょう。

残業が多く激務であるため

建築士は働く企業や時期によって、多く残業が発生するケースがあります。

建築業界では、各案件に納期が設定されており、その納期に追われると必然的に残業が増えます。

すべての企業に当てはまるわけではありませんが、主に下請けの企業では残業が発生しやすい傾向です。

給料が労働時間に見合わないと感じるため

建築士の中には、給料や収入面に不満を抱いている方も少なくありません。

ただし、給料は企業や仕事内容、立場などによって大きく異なるため、「建築士は労働時間のわりに給料が低い」と一概に断言することはできません。

実際、一級建築士の平均年収は、日本人の平均給与を大きく上回っています。

人間関係やコミュニケーションに悩むため

これは建築士に限った話ではありませんが、職場の人間関係に悩むケースも「やめとけ」と言われる理由のひとつです。

建築士は他部署との連携が非常に重要で、チームワークを求められる職業です。

案件によっては、営業部門、現場責任者、経営陣などさまざまな立場の人とコミュニケーションを取る必要があります。

また、一般住宅建築のように、顧客自身が建築に詳しくない場合、顧客が自分の希望を明確に言葉にできないケースも少なくありません。このような状況でも適切に対応する必要があり、コミュニケーション面での負担が大きくなることがあります。

日々勉強し続ける必要があるため

建築に関する技術や法令、制度などは常に変化し続けています。建築士は常に最新の知識を身につけ、スキルをアップデートしなければなりません。

仕事そのものも大変な上に、仕事外でも勉強し続けなければならないのです。

仕事をしながら勉強を続けることに苦手意識がある方にとっては、この点が非常に厳しく感じられるかもしれません。

建築士は資格を取得したらそれで終わりではなく、一生学び続ける姿勢が求められる職業なのです。

資格取得の難易度が高いため

建築士資格の取得難易度が高いことも「やめとけ」と言われる理由のひとつです。

学校で建築について学んだだけでは資格を取得できず、学校を卒業した後に建築事務所などで実務経験を最低2年以上積む必要があります。

実務経験を積んでいる期間も決して楽なわけではありません。

建築の見習いとして顧客との打ち合わせに参加したり、現場チェックをしたりと、実質的な業務を担いながら経験を積むことになります。

業務をこなしながら、同時に資格試験に向けた勉強も続けなければならないのです。

それでも建築士の人気が高い理由とは

「やめとけ」というキーワードとは裏腹に、建築士は非常に人気のある職業です。それは建築士の仕事が多くの魅力に溢れているからにほかなりません。

ここでは、多くの人が建築士を目指す理由となる仕事の魅力を紹介します。

やりがいを強く感じられる

建築の仕事は、人々の生活に直接的に関わり、その生活を豊かにできます。

自分が設計した建築物を人々が笑顔で利用している姿を見ることができるのは、建築士だからこそ味わえるやりがいです。

例えば、大型商業施設の建築に関われば、街づくりや街の活性化に貢献することになり、社会的な意義も感じられます。また、家族が幸せに暮らす住宅を設計すれば、その家族の人生に深く関わることになります。

このような大きなやりがいが、建築士という職業の大きな魅力です。

技術や知識を磨き続けられる

建築士は自分のアイディアを形にする仕事です。だからこそ、仕事を通して技術や知識を磨き続けられるのは大きな魅力といえるでしょう。

建築の仕事が好きなのであれば、新しい技術を学び、業務の中で自分の能力を高めていけることは非常に喜ばしいことです。

建築の世界は日々進化しており、新しい材料や工法、デザインの潮流などが次々と生まれています。そうした中で自分自身も成長し続けられることが、多くの建築士にとっての喜びなのです。

建築物をゼロから生み出せる

建築の仕事は、真っ白な図面に線を書くところから始まります。自分の頭の中にあるイメージを図面に起こし、それが実際に形作られていく過程は、他の仕事ではなかなか味わえない醍醐味です。

建築物には、まったく同じものはひとつとして存在しません。エリアや立地、環境が違えば、それに合わせた建築物になるため、デザインも異なります。

何十年も建築士の仕事をしてきても、毎回の仕事が「初めて」の経験として、新鮮な気持ちで創造していくことができるのです。

手掛けた建築物が何十年も残る

建築士が手がけた建物は、完成後も何十年と残り続けます。自分が魂を込めて設計した建物が人々から愛され、大切に使用され続ける喜びは、建築士だけが味わえる特別なものです。

街を歩いていて、自分が設計した建物を見かけたときの誇らしさは、言葉では表現できないほどです。

自分の仕事の成果が形として残り、長く社会に貢献し続けることができる点は、建築士という職業の大きな魅力といえるでしょう。

高い年収を得られる

建築士は、年収が高い傾向にあることも魅力のひとつです。厚生労働省が提供する職業情報提供サイトによると、建築士を含む建築設計技術者の平均年収は641.6万円です。

日本人の平均給与が478万円(令和6年調査)であることを考えると、平均よりも高い収入を得られる可能性があることがわかります。

もちろん経験や能力、勤務先によって個人差はありますが、キャリアを積んでいくことで安定した高収入を期待できる職業といえるでしょう。

出典:
厚生労働省 職業情報提供サイト(jobtag)「建築設計技術者
国税庁「令和6年分民間給与実態統計調査結果について

建築士に向いている人の特徴

下記に紹介する、建築士に向いている特徴に当てはまる人は、よりやりがいを多く感じられるでしょう。

建築が好きな人

建物の設計から完成に至るまで携わるため、建築の過程を見ることが好きな方や、建物や住宅などに純粋に興味がある人に特に向いている職業です。

また、常に新しい技術などを学ぶために勉強し続ける必要があるため、建築そのものが好きであることは大きなアドバンテージになります。

想像力がある人

建築士はクリエイティブな面を持つ仕事でもあるため、想像力が豊かであることも重要なポイントです。

顧客の希望を単に聞くだけでなく、それを理想的な形にするには、平面の図面から立体的な空間をイメージしたり、完成した後の使い勝手や景観を想像したりする力が求められます。

こうした想像力を持ち、それを表現できる人は建築士に向いているといえるでしょう。

コミュニケーションが得意な人

建築士はさまざまな人と関わる仕事であるため、コミュニケーションが得意な方は建築士に最適です。

顧客の要望を正確に把握し、それを形にしていくためには、相手の話をよく聞き、自分の考えを適切に伝える能力が必要です。

一方で、人とコミュニケーションを取るのが苦手な方は、建築士の仕事をつらく感じることがあるかもしれません。

チームでの作業や多くの関係者との調整が必要な場面も多いため、コミュニケーション能力は非常に重要な要素です。

責任感がある人

建築士は、現場で正しく設計が進んでいるかをチェックする立場でもあります。

施主の代理として、安全で問題のない建物が作られているのかを責任を持って確認しなければなりません。

人々の生活や安全に直接関わる仕事だからこそ、責任感を持って取り組める人が建築士に向いています。

自分の設計した建物に対して最後まで責任を持つ覚悟がある人は、建築士として大きな信頼を得ることができるでしょう。

まとめ

建築士が「やめとけ」と言われる理由に、残業の多さや給与の不満、資格取得の難しさなどがあります。

しかし一方で、設計した建物が何十年も残る達成感や、平均以上の年収、創造性を発揮できる喜びなど、大きな魅力も持っています。建築が好きで、想像力やコミュニケーション能力、責任感のある方は、厳しさを超える充実感を得られる建築士の道を検討してみてはいかがでしょうか。

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