施工管理が激務って本当?その実情を解説!
施工管理が激務といわれている理由と、その実情について解説します。
実情1|土曜出勤が多い
施工管理は、ほかの職種に比べると休みが少ない傾向があります。
人手不足の影響や材料運搬の遅れ、天候不良などのさまざまな事情によって工事できる時間が限定されることも多く、土曜出勤が必要になる場合があるためです。
また、自身の休みが確保されている日でも、現場が稼働している場合は緊急連絡が入る可能性もあります。トラブルが起きた場合に、突然出勤を命じられるといったことも考えられます。
とはいえ建設業では、2024年4月1日から罰則付きの時間外労働の上限規制が適用されています。上限規制の時間は原則月45時間、年360時間です。そのため多くの企業で週休2日制の導入が進んでおり、無理な休日出勤は是正されつつあるといえるでしょう 。
特に派遣の場合は36協定がきちんと守られており、サービス残業は一切ないなど、働きやすい環境が整っています。
実情2|納期前は残業が増えることがある
納期は契約によって定められているため、原則として遅れることは許されません。
しかし、天候やトラブルによって工事が遅延することも多く、竣工前は納期に間に合わせようとして残業が増えることもあります。
特に、公共事業や法人向けの建築を請け負っている会社であれば、年度末や年末などが繁忙期で残業が増えやすいです。
繁忙期に土曜出勤や残業が増えると、心身ともに負担を感じる方もいるでしょう。業務の拘束時間が多いことから、ワークライフバランスを重視したい方にとっては激務といわれることもあります。
また、前述した土曜出勤も含め、残業などの時間外労働が発生すると25%の割増賃金が手当として支給されます。稼ぎたい方には向いている仕事といえるでしょう。
実情3|業務範囲が広い
施工管理は、現場での作業や指示出し、デスクワークなど、業務範囲が幅広いという特徴があります。
事務作業としては、現場に関わる外部の業者や職人の手配、工程や予算の管理、施工図のチェックや修正などが一般的です。
現場では、巡回しながら指揮監督を行い、また、安全管理や建物の品質管理も重要な役割です。
納期が迫っているタイミングでは、事務所に戻ってデスクワークというスケジュールも珍しくありません。
一人で担う業務範囲が広いために、責任の重さを感じることもあるでしょう。
大変な面もありますが、さまざまな経験が積めるというメリットもあります。日に日にできることや頼られる場面が増えていくため、成長ややりがいを感じやすい仕事といえます。スキルアップがしたいと考えている方であれば、より理想の働き方を実現できるのではないでしょうか。
実情4|転勤や出張がある
施工管理は、担当する建築現場によって働く場所が変わります。
そのため、基本的には出張や転勤が多く、大手のゼネコンや大企業の場合、より広範囲に移動するケースが多いです。
会社が手がけている範囲によっては、国内だけではなく海外に転勤する可能性もあるでしょう。
転勤先の仕事もいつかは終わりますので、建設が完了する度に場所が変更となることも少なくありません。
また、プロジェクトによっては短期間で出張や転勤を繰り返すこともあり、住まいが安定しないことをストレスに感じる方もいるでしょう。
ただし、地場のゼネコンなどであれば、仕事の範囲が近隣地域に限定されやすいため、出張や転勤はほとんどありません。
キャリアを積みたい方は大手ゼネコンや大企業、住まいを変えずに働きたい方は地域密着型の会社を選ぶと良いでしょう。
実情5|人間関係がストレスになる
施工管理は、大工やとび職、左官などの職人や業者をまとめたり、発注者とコミュニケーションを取ったりと数多くの方々と関わる必要がある仕事です。
ときには現場の職人や業者、発注者の間に入って調整する役割を担う場合もあり、複雑な人間関係にストレスが溜まる場合があります。
とはいえ、その分柔軟なコミュニケーション力が養われるという側面もあります。
実情6|顧客・取引先との調整が難しい
顧客や取引先のスケジュール調整も施工管理の重要な業務ですが、建設現場には多くの関係者がいるため、各所とスケジュールを調整するのはかなり大変です。
また、1度スケジュールを決めても天候悪化やトラブル発生によって変更が必要になるケースも少なくありません。
顧客や取引先からさまざまな要求・要望が来たり、反対に何らかのトラブルによってスケジュールや予算の変更を相談したりすることもあり、苦労する場合があります。
ただし、多様な関係者との調整や折衝を通じて得られるスケジュール管理力は、汎用的なスキルとして今後のキャリアに活かせるでしょう。
実情7|体力的にきつい
体力的な負担が大きいことも、施工管理が激務といわれる理由のひとつです。建設現場の多くは屋外での業務となるため、夏は炎天下、冬は寒空の下で仕事をすることになります。
また、ホコリや粉塵が舞っていたり騒音がひどかったりする現場も多く、オフィス勤務と比較すると快適な職場環境とはいえないでしょう。
さらに土曜出勤や残業、出張、転勤などが多い傾向にあり、ストレスを発散する機会が少ないため、慣れていない方だと健康面に問題が生じるかもしれません。
しかし、近年では従来の3K(きつい・汚い・危険)に代わり、新3K(給与が高い・休暇が取れる・希望がもてる)の取り組みが推進されており、上記のような職場環境も是正されつつあります。
関連記事:建設業「新3K」とは?実現するための取り組みも解説
実情8|入社後も継続的な勉強が必要
施工管理は工事全体を管理するため、建築現場ごとに使用する建材・資材や工法などを調べるなど入社後も継続的に勉強を続けなくてはなりません。
しかし、施工管理は忙しいので、残業したり自宅に持ち帰ったりと業務時間外に学習する時間を取るしかないことも多々あります。
もともと土曜出勤や残業が多いところに勉強時間を確保する必要があるため、激務になりやすい傾向にあります。
とはいえ、継続的に勉強を続け、スキルアップや資格取得することで、手に職をつけられる魅力があるともいえます。
施工管理ならではのやりがい・魅力4選
激務といわれることもありますが、その分施工管理には多くの魅力があります。施工管理のやりがいや魅力について紹介します。
やりがい・魅力1|ひとつの現場をつくりあげる達成感が得られる
施工管理の仕事は幅広く、一筋縄にはいかないことも多いです。しかしその分、良い現場をつくりあげて納期までに工事を終わらせたときのやりがいは大きいものです。
また、完成した建物を見ることで自身が手がけた仕事の成果を実感でき、大きな達成感も得られるでしょう。
この点は施工管理ならではのやりがいであり、現場で指揮監督をしながら多くの業務に携わる苦労がないと得られない感覚といえます。
やりがい・魅力2|できることを増やせるので成長の実感を得られる
施工管理として入社してすぐは、業務をスムーズに進めることが難しく感じることもあるかもしれません。
しかし、経験を積むことでひとつずつできることも増えていき、あらゆる場面で成長を実感できるタイミングがあります。
現場の作業員とのコミュニケーションや指示がうまくできるようになったり、任される現場の規模が大きくなったりしていくと、自身のモチベーションも高まることでしょう。
やりがい・魅力3|未経験からでも収入アップを目指せる
施工管理の仕事は資格がなくても働けるため、未経験からでも採用される可能性があります。
ただし、無資格者が最初から直接雇用を目指すのは難しいかもしれません。無資格で未経験であれば、派遣社員として勤めるのがおすすめです。雇用する側の窓口が広くなり、資格取得の支援なども受けながらスキルアップしやすいです。
資格としては国家資格の「施工管理技士」が代表的です。担当する工事によってさらに複数の種類に分かれており、それぞれ2級と1級があります。
資格取得後は対応できる業務範囲が増えたり、資格手当を受け取れたりなど、収入アップが期待できます。
また、資格は自身のスキルの証明にもなるため、取得していれば大手ゼネコンへの転職も狙えるでしょう。
未経験で、施工管理の仕事に興味がある方は「共同エンジニアリング」へご相談ください。全国で約3,200人(2022年12月時点)の社員がおり、大手のゼネコンとのつながりも強い派遣会社です。
キャリア相談も受け付けていますので、ぜひお気軽にご応募ください。
やりがい・魅力4|あらゆる組織を経験できる
現場は1~2年で変わることが多いため、そのスパンで新しい組織が編成されます。
基本的にはトップダウンの現場が多いものの、なかにはボトムアップで進める現場もあり、さまざまな組織での経験が積めるでしょう。
新しい現場では、以前の現場とカルチャーが異なることも少なくありません。雪が積もりやすい現場では除雪作業から始まるなど、エリアによっても作業工程は異なります。
現場が変わることは大変な面もありますが、新しい環境であらゆる経験が得られるのは大きなやりがいとなるでしょう。
施工管理で活躍できる/向いている方の特徴
施工管理はやりがいや魅力のある職業ですが、やはり人によって向き不向きはあります。向いている方の特徴といえば、下記の6つです。
・地道に努力ができる方
・建設現場に熱い情熱をもっている方
・日々の経験からあらゆる知識を吸収できる方
・チームのなかで調整役を任されやすい方
・目的意識の強い方
・キャリアを広げたい方
基本的には、地道に努力ができて建設現場に熱い情熱をもっている方に向いているといえます。大変な業務を行いながらモチベーションを維持するには、建設の仕事に対する熱意が重要です。
あらゆる経験が積める仕事ですので、日々の業務のなかで知識を吸収できる力も必要です。
また、チームのなかで調整役を任されやすい方であれば、現場の指揮やコミュニケーションを取りながら、外部の業者とも連携を図りやすいでしょう。
そして、納期や安全を守る目的意識の強い方でなければなりません。
ゼネコンの営業職や設備管理、ディベロッパーのほか、IT系の仕事に転職する方もいるため、キャリアを広げたいという方にもおすすめです。スペシャリストやゼネラリストとして活躍する道も選べ、選択肢の多い仕事といえます。
施工管理でも激務になりにくい職場企業に転職する方法
施工管理は激務になりがちな職業ではありますが、すべての企業の施工管理が厳しい労働環境に置かれているわけではありません。ここでは、施工管理の労働環境が整っている企業に転職するためにチェックすべきポイントを紹介します。
公共工事が多い企業に転職する
労働環境が整った企業で施工管理として働きたいなら、公共工事が多い企業に転職するのがおすすめです。公共工事は公的機関が発注者であり、建設業界での週休2日制を推し進めているため、ワークライフバランスを実現しやすい傾向にあります。
マンションの大規模修繕工事を行う企業に転職する
マンションの大規模修繕工事は、住民に配慮して土日に作業しないのが一般的です(※)。そのため、マンションの大規模修繕工事を引き受けている企業の施工管理も激務になりにくい傾向にあります。 ※土日に管理者や住人との折衝が発生する場合もあります。
ICT化が進んでいる企業に転職する
ICT化が進んでいる企業に施工管理として転職するのも良いでしょう。ICT化とは、インターネットや情報機器といった情報通信技術を業務に活かし、コミュニケーションの円滑化や生産性の向上を目指すことです。 ICT化が推進されている企業は、業務の効率化・自動化によって長時間労働の是正や、多様で柔軟な働き方ができる環境の構築が進んでいるため、無理なく働ける可能性が高まります。
転職サイトで休日・残業をチェックする
転職サイトで求人を探す際には、休日と残業についてチェックすることも重要です。通常、求人情報には「年間休日〇〇日以上」「残業時間の目安〇〇時間程度(みなし残業〇〇時間)」のように条件が記載されています。
例えば「週休2日」とは、1か月のうち1回以上週2回休みの週があることを示しているため、毎週必ず週2回休めるとは限りません。
確実に週2回休みの企業が良いなら、「完全週休2日制」と記載されている企業を選ぶ必要があります。自分の希望に合っているかどうか、条件を細かくチェックしておきましょう。
面接で人材・働き方の多様性について確認する
面接の際に、社員の1日のスケジュールや働き方について質問するのも、激務になりにくいホワイト企業を見分けるヒントになります。ホワイト企業は、社員がどのようなスケジュール・働き方で勤務しているのかを具体的に答えてくれるケースが多いためです。
また、派遣社員やフリーランス、外国人を採用している企業は、柔軟で多様性のある企業である確率が高まります。
転職エージェントに相談する
ホワイト企業に転職したいなら、転職エージェントの利用も検討してみましょう。転職エージェントは、求人情報からは読み取れない企業の内部の環境や待遇などの情報を持っているためです。
また、転職サイトなどに出さない非公開求人を紹介してもらえる場合もあるので、自分に合う企業で働ける可能性が高まります。
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まとめ
施工管理が激務といわれる理由には、休みが少なく残業が多いことや幅広い業務に対応する必要があること、さらに転勤や出張も頻繁にあることが挙げられます。
大変だからこそ、達成感や成長を実感することが多く、施工管理でなければ得られないことも多いでしょう。
未経験で無資格でも知識を増やしながら収入アップを目指せる職業ですが、最初から正社員は難しいため、窓口が広くサポートも受けられる派遣から始めるのがおすすめです。