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そもそも転職に年齢制限はあるか
まずは転職における年齢制限や、年齢別の転職者数について解説します。
転職時の年齢制限はない
基本的に転職に年齢制限はなく、何歳であっても応募のチャンスがあります。これは雇用対策法によって、求人の募集や採用において年齢制限を設けることが原則禁止されているためです。それにともない、企業側も「若者向けの洋服店だから20代を募集しよう」「体力が必要な重労働だから40代以下までを採用しよう」といった募集・採用はできないのです。
ただし、長期的なキャリア形成を図る目的や技術継承の観点などから、年齢制限を設けることが例外的に認められるケースもあります。
出典:厚生労働省「募集・採用における年齢制限禁止について」
実際に転職した人の年齢
総務省が公表している労働力調査によると、2023年に転職した人数は328万人、転職者比率(就業者に占める転職者の割合)は4.9%です。年齢別の転職者数と転職者比率は下記の通りで、40代や50代でも十分転職できることがわかります。
年齢 | 転職者数 | 転職者比率 |
15~24歳 | 58万人 | 10.4% |
25~34歳 | 82万人 | 7.4% |
35~44歳 | 59万人 | 4.6% |
45~54歳 | 57万人 | 3.5% |
55~64歳 | 50万人 | 4.0% |
65歳以上 | 22万人 | 2.4% |
また、Indeed Japan株式会社の調査によると、転職経験者数のうち半数以上(54.3%)が、未経験転職をしたことがあると回答しています。
上記2つのデータを統合すると、年齢と未経験転職の関係性について直接的にはいえないものの、年齢が高くとも転職する人は多く、かつ未経験者であっても転職は十分可能であることが推察できます。
出典:
総務省「2023年の労働力調査」
日本経済新聞「インディード、「未経験転職に関する調査」の結果を発表」
男女で転職適性年齢に違いはある?
総務省が公表している労働力調査によると、年齢階級別の転職者比率は男女ともに15~24歳が最も高く、男性で「9.4%」、女性で「11.4%」です。なお、55~64歳においては女性の転職が多くみられ、65歳以上になると男女差はあまりありません。この調査から、性別・年齢にかかわらず転職は可能であることがわかります。
ただし、転職時にはライフステージの変化を考慮することが重要です。特に女性の場合、結婚・出産によって環境や仕事への考え方が変わり、結果的に転職や退職を選択することもあります。
転職先を選ぶ際には、「ブランク(離職期間)が生じても、スムーズに職場復帰できるか」「子育てと両立しながら働けるか」「男女・年齢に関係なく誰でも活躍できるか」などを意識してみてください。
出典:総務省「2023年の労働力調査」
未経験業種への転職は何歳までが良い?
未経験職種への転職難易度は、年齢によって大きく左右される傾向にあります。法律上、転職に年齢制限はないものの、一般的には若い人のほうが採用されやすいことは確かです。ここでは、年齢による転職難易度について解説します。
若いほうが採用されやすい傾向はある
転職では基本的に即戦力が求められるため、中途採用の選考においては前職で培ったスキルや実績が重視されます。
ただし、応募者が未経験の場合、重きを置かれるのはポテンシャルや人間性です。
例えば、20代と40代の未経験者が同時に面接を受けた場合、潜在的な能力に関しては一般的に前者のほうが評価されます。なぜなら、若年者のほうが前職の社風や価値観に染まっていない上、吸収力や体力があるとみなされるからです。
「〇〇歳転職限界説」とは
転職について調べていると、「28歳限界説」「35歳限界説」などの噂を耳にすることがあります。これらの説は、「長期的なキャリア形成の観点で35歳までを募集する求人がある」「一般的に上司が年上になるギリギリの年齢」などの理由から広がっています。
ただし、終身雇用制度の実質的な崩壊や働き方の多様化によって、転職が当たり前となった現代においては、これらを過剰に気にする必要はありません。35歳以降での未経験職種への転職であっても、リカレント教育やリスキリングなどを通して必要なスキルを習得することで、選考を有利に進められます。
年齢が高くなるにつれ転職は難しくなる
前述した総務省の「労働力調査」の通り、35歳を境に転職者数は減少しています。そのひとつの要因として考えられるのが、年齢とともに上がっていく転職難易度です。
多くの企業は柔軟性と将来性のある人材を欲しているため、年齢がある程度高い人を選考で評価する際には慎重になります。
例えば、40代は社会人経験も十分にあり、自分なりの仕事の進め方や価値観が確立している年代です。ただし、未経験で入職する場合、40代であっても新卒と同様に業務を一から覚えなくてはなりません。
そのため、「これまでの経験が邪魔をし、仕事の覚えが悪くなるのでは」と懸念する採用担当者もいます。また、「年下の上司」「年上の部下」といった関係性が生じるケースも多く、職場に馴染めるのかどうかも選考のポイントとされる場合があります。
各年代の未経験転職で求められることとは
転職で求められることは、年代によって異なります。そのため、20代が40代と同じような選考対策をしても、受かることはありません。ここでは、未経験職種への転職に必要とされる経験やスキルを年代別にみていきましょう。
20代
企業が20代に求めているのは、若さゆえの「将来性」です。実際、20代は伸びしろを見込まれた「ポテンシャル採用」も多いため、未経験の職種にキャリアチェンジしやすい年代といえます。
ただし、基本的なビジネススキルが身についていることが前提です。面接では、挨拶の仕方や入退室のマナー、受け答えなど、新卒採用のときよりも厳しくみられます。
30代
30代はある程度社会人経験があることから、転職では即戦力になるスキルや経験が求められます。ゆえに、未経験職種への転職であっても、前職で培ったスキルや経験をどのように活かすのかを効果的に伝え、即戦力であることをアピールする必要があります。
また、転職先を選ぶ際には、前職と何かしら関連性のある業界を選ぶのもポイントです。例えば、「介護士→介護用品の営業」「IT企業の事務職→ITエンジニア」といったように、異なる職種への転職であっても、前職と同じ業界を選ぶことでアピール材料が増え、転職を有利に進められます。
40代
一般的に40代は、管理職に就いている年代です。転職ではマネジメントスキルに加え、部下の育成やプロジェクトを率いた経験が求められます。
この年代で未経験の職種に転向するのは簡単ではありません。入念な企業研究や自己分析によって、自身のスキルが活かせる転職先選びと、万全な選考対策が重要です。
未経験者でも採用されやすい業界
未経験OKの求人が多い業界には、下記のような共通点があります。
・特定の知識やスキルが不要
・社内の研修制度が充実している
・業界の人手不足が深刻
・高齢化が進み若年層の従業員が少ない
・中長期的に働ける人を求めている
上記の特徴を踏まえて、未経験者でも採用されやすい業界を4つピックアップしました。
介護・福祉業界
介護・福祉業界は、超高齢社会の影響を受けて深刻な人手不足に陥っています。それにともない、未経験者でも積極的に採用したいと考える企業が多く、求人も豊富にあることから、転職しやすい業界であるといえるのです。実際、未経験で転職し、資格を取得してキャリアアップを目指している人も多くいます。
製造業界
製造業界の工場スタッフは、材料や部品の組み立て・加工を担当します。生産工程がマニュアル化されているため、複雑な作業は基本的にありません。
大量の製品を生産する工場ではライン作業を取り入れていることが多く、作業者は1つの工程を集中して担当します。同じ作業を繰り返すため業務が覚えやすく、未経験者でも早期に活躍できる点が特徴です。
また、人手不足の製造業ではロボットやITツールの導入も注目されており、ITに関する知識や経験があれば採用で有利になることも考えられます。
不動産業界
不動産の開発や売買営業は専門的な知識が求められるため、未経験からの転職は容易ではありません。ただ、賃貸物件の仲介営業であれば、働きながら仕事を覚えることができるため、未経験でも転職しやすいといえます。特に、営業経験がある方やコミュニケーションスキルに自信がある方におすすめです。
建設業界
建設業界は人々の暮らしを支える重要な業界です。しかし、労働者の高齢化が進み、技術を受け継ぐ若年層の人手不足が大きな問題となっています。そのため、未経験者を積極的に採用する企業も多いのです。
未経験者採用に力を入れている企業では、教育・研修制度も充実しているため、安心して働ける環境であるといえます。また、最初は特別な資格やスキルも不要です。建設業界は安定して働けるのが魅力で、スキルアップや経験を積むことで高収入も目指せます。
まとめ
未経験の業界・職種でも、年齢関係なく転職は可能です。ただし、年齢が上がるほど就職難易度が高まる点に注意しましょう。
建設業界は人手不足が続いており、未経験者を積極的に採用する傾向にあることから、転職先としておすすめです。共同エンジニアリングでは、建設業未経験者を積極的に採用しています。完全未経験から一人前の施工管理音やCADオペレーターになれるようなサポート体制も万全に整えていますので、ぜひご応募ください。