施工管理の仕事を辞めたいと思う主な理由

施工管理はやりがいがある仕事ですが、自分が好きで選んだ仕事でも「辞めたい」と思うことはあるものです。実際に、建設業界はほかの業種と比べて離職率が高く、29歳以下の若い人材が不足しています。なぜ若い年代が定着しにくいのでしょうか。
ここでは、施工管理の仕事にありがちな辞めたい理由を解説します。
仕事を辞めたい理由は一人ひとりで異なります。悩んだら、自分にあてはまるものがあるかチェックしてください。
出典:厚生労働省「建設労働者を取り巻く状況について」
業務量が多い・仕事がきつい
施工管理の仕事は、現場管理のすべてが対象になります。工程管理、品質管理、原価管理、安全管理などを行うだけでなく、書類作成、現場作業の監督、役所や地域住民との交渉なども行うため業務量が多く、やりがいがある反面きついと感じることも多い仕事です。
また、現場作業は天候にも左右されるため、急な日程変更が多く、トラブル対処も求められます。忙しさからストレスが蓄積し、追い詰められることがあるのです。
勤務時間が長い・休みが取りにくい
施工管理は、工期を間に合わせるために残業せざるを得ない側面があり、プライベートに余裕がもてないこともあるでしょう。なかなか休みが取れずに、疲労だけが蓄積しやすい傾向があります。
特に、企業の決算期や公共工事の納期が集中する時期は忙しく、精神的・体力的に追い詰められがちです。
施工管理の勤務時間の長さには前述した仕事量の多さや慢性的な人材不足が関係していて、なかなか解決が難しい問題です。
現場の人間関係のストレス
現場の人間関係に悩んで仕事を辞めてしまう方もいます。建設現場は、チームでの仕事です。施工管理職は現場の職人や上司、クライアントなどの調整役で、人間関係を円滑にする責任やプレッシャーが大きい仕事だといえます。
建設現場で働く作業員は年齢層が広く、特に若手は年上の職人相手に委縮しがちです。作業の監督や交渉、職人とコミュニケーションを図ることに対してもストレスを感じることがあります。
人間関係のストレスは心身の不調につながりやすいので注意が必要です。
現場の労働環境が厳しい
施工管理の仕事の現場は、大半が屋外です。冷暖房設備がなく、夏は酷暑、冬は極寒が当たり前で、現場のつらさから仕事が嫌になってしまうケースもあります。
特に、規模の大きいプロジェクトでは現場が広く、歩数も増えます。着工当初は、エレベーターをはじめとする設備も整っていません。仕事に意欲はあっても、厳しい現場環境にどうしても慣れないと感じる方は多いのです。
また、建設現場に多い粉塵や騒音で心身に不調をきたすこともあります。最初のうちは気にならなくても、工事完了まで毎日続くとなると影響は無視できません。それに加えて、高所作業や重機の取り扱いは事故リスクが高く、些細なミスが命取りになるため、常に緊張が強いられる厳しい仕事です。
プレッシャーや責任が重い
施工管理は、現場の安全や建設物の品質を左右する重要度の高い仕事です。企業の上層部やクライアントからの期待は大きく、プレッシャーに負けて仕事を辞める方もいます。施工にはミスが許されないため、責任は重大です。
また、資格取得に対するプレッシャーもあります。ほど良い緊張は仕事に対するモチベーションにつながるものの、過度なプレッシャーは心身の不調を引き起こすストレスになりがちです。
仕事が難しい・自分に合っていない
自分で選んだ仕事でも、実際に現場で働き始めてから自分の適性に疑問を感じて、挫折するケースもあります。実際に、経験を積むなかで仕事が自分に合っているのかと悩む方は多いのではないでしょうか。
施工管理職は、専門的な知識やスキルが求められる仕事です。仕事が難しいと感じると思うような成果が出せず、心身にストレスが蓄積します。
キャリアアップを図りたい
仕事が嫌になったのではなく、より良い待遇、働きやすい職場を求めて辞める方もいます。例えば、現在の仕事が勉強する時間が取れないほど忙しい場合は、資格取得のサポート制度がある企業へ転職するなどの手段も取れます。
キャリアアップといっても、建設業界の違う分野でキャリアを積みたい、建設業界以外の場所で経験を活かしたいなどさまざまです。
ここまで施工管理の仕事を辞めたい理由を紹介してきましたが、建設業界の労働環境については改善の動きもあります。建設業における残業規制とその影響に関しては、以下の記事も参考にしてください。
「2024年4月に施行される建設業の残業規制で業界はどう変わる?」
辞めたいときに思い出したい!施工管理の魅力

施工管理を辞めたいと思ったら、仕事の魅力をもう一度思い返してください。嫌なことがあっても、仕事で得られるものが大きいとわかれば頑張れます。
ここからは、施工管理の仕事の魅力を再確認していきましょう。
なお、施工管理の魅力や向いている人の特徴は、以下の記事でも詳しく解説しています。辞めたい、つらいと感じたら、こちらもぜひチェックしてください。
「施工管理派遣は「やめとけ」の真実とは|向いている人の特徴や魅力も解説」
やりがいがある
施工管理は大変な仕事ですが、苦労した分だけ工事が完了したときの喜びが大きいため、非常にやりがいがあります。自分が手がけた施設が長く歴史に残り、多くの人の役に立つと考えると、「頑張ろう」と前向きになれる方は多いのではないでしょうか。
最初は人間関係の構築が難しくても一緒に働くうちに関係が深まり、現場の仲間との一体感が味わえるメリットもあります。
年収アップが期待できる
施工管理は実績を積めば評価されやすく、昇格や昇給が期待できる仕事です。特に、検定資格を取得すれば資格手当が付く会社は多く、モチベーションアップや自信にもつながるでしょう。実績や資格が増えれば転職・独立も夢ではなく、将来的に働き方の選択肢が広がります。
安定した需要がある
建設業の需要は景気に左右されにくく、施工管理の仕事は比較的安定しています。手に職を付ければ食いっぱぐれのリスクが少なく、景気が悪くなっても将来への不安は少なく済むでしょう。
家族がいて長期的に安定した仕事をしたい方にも向いている仕事です。
施工管理を辞めたいと感じたときの対処法

意欲があって就いた仕事でも、理想と現実には大きな違いがあります。施工管理の現場で働いていて壁に突き当たり、仕事を辞めたいと思うときはあるかもしれません。
ここでは施工管理の仕事を辞めたいと感じたときにできる対処法を5つ紹介します。
冷静になり問題点を明確化する
仕事を辞めたいと思ったら、まずは落ち着いて問題点を明確にしましょう。問題の掘り起こしは悩みの解決、そして職場の現状を改善するためにも必要です。
一時的な感情で退職すると、後悔するかもしれません。すぐに行動を起こすのではなく、一度冷静になって原因を追究してください。
衝動的に辞めたいと感じたのなら、仕事を継続できる可能性は十分にあります。転職すれば、問題のすべてが解決するわけではありません。年収が下がる、キャリアが中断するなどのデメリットもあるので、まずは仕事の問題点を改善できるか考えてみましょう。
辞めたい理由や退職のメリット・デメリットを紙に書きだすと客観的になり、冷静に判断できるようになるため、ぜひ試してください。
信頼できる人に相談する
仕事を続けるか悩んだら、信頼できる身近な人に相談するのも良い方法です。自分だけで悩むと考え方が偏りがちですが、他人からアドバイスを受けると広い視点で考えられるようになり、解決策を見つけやすくなります。
「誰かに話す」行為はストレスを緩和させ、仕事でいらだった気分をすっきりさせる効果も期待できます。
期間を決めて前向きに働く
仕事を辞めるか続けるかで迷っているなら、思い切って期間を区切り、現在の職場で前向きに働いてみましょう。嫌な仕事でも、決まった期間までなら頑張れるかもしれません。また、集中して働くと気持ちの整理ができ、自分の気持ちが一時的な思いかどうか見極めるのに役立つでしょう。
冷静になって気持ちが収まれば、仕事を続けても問題ありません。逆に、期間が過ぎても辞めたい気持ちが強い場合は、転職を検討しても良いでしょう。資格やスキル習得を頑張ってみるのも、辞めたい現状を改善するのにおすすめです。
他現場への異動を願い出る
転職しなくても、働く場所を変えれば問題が解決するケースはあります。大きな企業に勤めているなら、別の部署や現場に異動を願い出ても良いでしょう。
異動希望を出すときはネガティブな理由を挙げずに、今後の展望を明るいイメージを強調するのがポイントです。前向きな意見だと、異動願いが通りやすくなります。
転職を検討する
冷静に考えて、仕事ではなく働く環境があわないと感じたら、同じ施工管理に転職するのがおすすめです。キャリアの中断はあっても、いままでの経験や頑張りがあるためスムーズに仕事を探せます。
なかには、自分を守るために転職を決断すべき場合もあります。仕事のストレスで心身に異常がでている、状況の改善が見込めない、努力が評価されないなら、無理は禁物です。
転職を決めたら、退職前にリサーチを始めましょう。転職が決まってから円満に辞職を切り出すほうが後々のトラブルを回避できるので、スケジュールを立てて取り組んでください。
働く環境を変えたいなら施工管理の派遣がおすすめ

より良い条件で転職を目指すなら、正社員型派遣も検討しましょう。福利厚生に力を入れている会社もあり、大手の現場で働ける可能性が広がります。
共同エンジニアリングには技術社員をサポートする専門の部署があり、現場での不安や課題について常時相談できます。転職に不安を抱えているなら、ぜひ検討してください。
キャリア形成・適正配属・社内情報連携の3つを主軸にサポートし、一人ひとりが充実して現場で働けるよう支援いたします。カウンセリング面談を実施しているほか、社内研修や交流会でも悩みの解決が目指せるため、一人で悩みを抱える必要はありません。
このようなサポートや資格取得の支援は継続して受けられるので、さらなるキャリアアップを目指すのにも役立ちます。大手ゼネコンとのつながりもあり、経験値や仕事の幅を広げるチャンスです。
環境を変えて施工管理として働き続けたいなら、どうぞお気軽にご相談ください。
まとめ
施工管理の仕事は魅力的でも、人材不足に起因する忙しさや納期のある仕事のプレッシャー、現場の人間関係など、難しい側面があります。とはいえ、辞めたいと思ったときにすぐにアクションを起こすのは早計です。まずは冷静になり、なぜ辞めたいのかをもう一度考えてみましょう。将来的なキャリアアップを望む場合やいまの環境を変えたい場合は、正社員型派遣や派遣で働くのがおすすめです。幅広い案件を担当したい、意欲のある方にも向いています。



