「ワークライフバランスを最優先に」未知の業界で見つけたやりがいとは

現在、クリーンセンター(ごみ焼却施設)で工事のスタッフをまとめたり、工程を策定したりする「運営維持管理」として2021年から勤務されている若手社員の伴駿之介氏。仕事に勤しむだけでなく、プライベートでは子どもたちにサッカーを教える指導者として活動されています。今回はワークライフバランスを大切にしながら働く伴氏にお話を聞きました。

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耳目を集めるニュースの裏で、縁の下の力持ちとして活躍

──共同エンジニアリングへ入社されたきっかけを教えてください。

 大学では教育について学ぶ傍ら、サッカーに打ち込んでいました。そのため、最初はサッカーに関連する仕事を志しており、実際にそういった企業から内々定もいただいていたのですが、コロナ禍の影響で取り消しに。そこで周りの人に声をかけて就職先を再び探している中、先輩の紹介で出会ったのが共同エンジニアリングだったのです。面接では仕事以外の話も熱心に聞いてもらったことが印象に残っています。「全力で業務のサポートをする」という力強い言葉もいただく中で当社に魅力を感じ、これまで想像もしていなかった新しい仕事に飛び込むことを決意しました。

 ──クリーンセンターの運営維持管理とは、どのような業務なのでしょうか?

運営維持管理とは簡単に言うと、施設が常に稼働できるよう点検・修理などの手続きを行う仕事です。まずは毎朝、工事に関するミーティングを行い、安全注意事項や運営の維持に必要な補修工事の内容や安全確認など、現場監督や作業員たちと共有。その後は所属している会社や地方自治体が集まる全体朝礼があり、そこからは事務所に戻ってデスクワークや現場の管理業務を行います。

業務は日によって変わりますが、たとえば「機器が劣化している」といった異常報告書が、1日にだいたい2~4枚ほど上がってくるので、修繕に必要な作業を考えて工程表に落とし込みます。そこから予算や内容に応じて、専門業者さんに依頼するというイメージですね。実務を担当する現場監督や作業員が円滑に業務を進められるようにサポートしたり、安全が保たれる環境づくりをすることも重要なミッションです。また、イレギュラー対応とともに、定期点検も大切な業務になります。

──仕事で大変に感じられたこと、それを乗り越えたエピソードを教えてください。

正直にお話しすると、当初は「クリーンセンターでの仕事」と言われてもピンと来ておらず、モチベーションもそこまで高くはありませんでした。しかし、当たり前のことですが、この施設がないと世の中はゴミだらけになってしまいます。「縁の下の力持ちとして社会を支える」という重大な存在意義を感じ、モチベーションへと繋がりましたね。 

以前、「リチウム電池による焼却炉の破損」という事態に見舞われ、何台も消防車がくるような出来事がありました。焼却炉が稼働しなければ、次から次へとゴミが溜まっていってしまう深刻な事態。現場検証のために1週間は待たなければなりませんでした。しかも調査の結果、破損が大きく「半年は稼働が止まってしまう」という危機的な状況だと判明したのです。そこで、定められた予算内に抑えて安全も徹底しつつ、さらに仕様変更などあらゆる手を尽くして、なんとか「1か月半」での修繕にこぎつけることができました。

これまで接してきた大人の中で、最も教育上手な先輩との出会い

──尊敬する先輩に恵まれた、理想的な職場だと聞いています。

 豊富な経験を持っていて、どんなに忙しい中でもすぐに適切な判断ができる先輩とふたりで現場を担当しています。経験が浅い私の考えや意見を、一度しっかりと聞いてくださった上で、先々をシュミレーションして適切なアドバイスをくれる、とてもありがたい存在です。たとえば工事現場で溶接など複数の専門業者さんが作業する場合、「安全策として、バリケードを設置するのはどうだろうか?」と考えて、意見をしたとします。すると、潜在的なリスクをわかりやすく説明した上で、再び検討する時間をくれるので、成長を促してくれていると感じるのです。文字通り「人生の先達」と呼べるような方と出会えたことは、本当に幸運です。

 ──仕事でやりがいを感じるのは、どんなときですか?

先輩に助けてもらいながら、知識を吸収し努力を重ねる中で、成長を実感できたときでしょうか。たとえば、「依頼した工事の立会確認」という業務があるのですが、最初はその業務が必要な理由を正確には把握できていない中で進めていました。しかし、実地で学んでいくうちに「工事の必要性や意義」を正確かつ詳細にクライアントに報告するため、「必要不可欠な業務」であることが身にしみてわかるようになりました。毎日の細かな積み重ねが安全と運営維持管理の肝なんです。

また、専門業者さんとの良好な関係性を構築するとともに、「どの職人さんが、どこに強みを持っているか」がわかるようになり、予算を計算しながらお願いできるようになったことも「成長したな」と感じる瞬間ですね。

──職人さんたちとの関係構築で、大切にされていることは何でしょうか?

とくに心がけているのは、「互いをより深く把握すること」ですね。日々の業務で交わす情報は、相手が求めていると感じたら、直接関係ない部分でもなるべくすべて伝えています。反対に、職人さんにも同じように、どんなことでも意識的に伝えてもらえるよう、お願いしています。安全のため、互いに注意をする事もある仕事ですので、そういったやりとりを普段から大切にしていますね。

仕事も趣味も楽しむ。ワークライフバランスを大切に

 ──知識を吸収する上でターニングポイントになったエピソードや、重視されていることを教えてください。

 最初の頃は、機械の正しい運用方法などもおぼつかない状況で、指示を受けてそのまま動くことがほとんどでした。ただ、ある機械の試運転に立ち会ったときに、ごくわずかなズレから微かな異音が発生し、そのズレが故障に直結する場面に遭遇しました。その体験を経て、少しでも違和感があれば職人さんに詳しく聞いたり、メーカーに問い合わせたりして知識を得るようにしています。その際も、0からいきなり質問するのではなく、資料や専門書など、調べられるところは調べた上で、どうしてもわからない部分を質問するようにしています。

──プライベートで、サッカーの指導をされているそうですね。

休日は、子どもたちにサッカーを教えるボランティアをしています。子どもたちの笑顔を見ると元気がもらえるので、自分にとって大切なリフレッシュの時間ですね。配属先の会社は融通をきかせてくれるので、仕事もプライベートも充実させることができます。人数が少ない職場なので、「どうしても出勤して欲しい」という場合は、かなり前もってお互いに共有しているので段取りが組みやすいですね。あとはどうしても工事が夜遅くまで掛かってしまうことがあると、私たちも工事管理や報告書作成などで残っているのですが、細かい神経を使うのでテンションが上がりきった状態になることがあります。そのアドレナリンを抑えるために深夜に行くサウナも、楽しみのひとつですね。

──今後のビジョンや目標を教えてください。

今後は「楽しい」だけではなく、知識やスキルを高めていき、業務の効率化にも取り組みながら、「伴くんのおかげで助かったよ」と頼られるような存在になりたいと考えています。働き始めのころ、KDEと現場双方からのサポートがあったからこそ、今「仕事が楽しい」と感じられているので、そういったサポートができるようにもなりたいですね。