三者三様の希望を叶える。難易度が高いからこそ得られる、仕事の醍醐味
──共同エンジニアリングに転職された理由と、部長になるまでの社内キャリアを教えてください。
前職は契約社員だったので、結婚を機に正社員に転職しようと思ったのがきっかけです。前職では、コールセンターでのマネジメントをしていたのですが、派遣スタッフから営業への不満を耳にすることが多かったんです。「自分が営業だったら、もっとうまくやれるのに」と思い、「人材派遣会社の営業」という軸で転職活動を始めたところ、共同エンジニアリングの存在を知りました。ただ、入社した時点では建設業界や施工管理のことなどは知らない領域ですし、営業も初経験でした。右も左もわからない状態でしたが良い上司に恵まれ、ときには雷を落とされながらも、みっちりと営業の基本を教えてもらいました。それから約7年経ち、部下の育成や調整力といったところを評価していただき、支店長・統括本部の部長への就任という結果に繋がったと思っています。
──仕事のやりがいは、どういうときに感じますか?
当社の場合、「施工管理という職種に初めて出会った」という未経験の状態からスタートして技術者になる社員が多いため、配属に関わった技術者から「この配属先で良かった、この仕事を選んで良かった」と聞けた時は、達成感を感じます。
この事業の難しいところでもあり、やりがいにもつながるポイントなのですが、当社では「共同エンジニアリング」「お客様」「働く技術者」という3つのパズルを上手く合わせる必要があります。それぞれの立場や意見を調整するのが大変ではありますが、三者三様の希望を叶えた時は、全員に喜んでもらえるのが仕事の醍醐味になりますね。
個人的なエピソードとしては、未経験で入社した施工管理のスタッフが「辞めます」と伝えてきたのでビックリして理由を尋ねると、「実は技術が認められて、市役所の専門人材として勤務することになりました」と。本人にとって、大きなステップアップにつながる卒業だったので、快く送り出したことが印象に残っています。
常にアンテナを張り「気づき」を大切に
──新しいアイデアや発想を、柔軟に取り入れる社風だと聞きました。
現場を支える技術者たちからの声を聞き、会社に対して提案することが多いです。社内で「こんなことにチャレンジしてみませんか?」と提案すると、「じゃあ資料をつくってきて」という前向きな返答があり、決して「前例がないから無理」と言われることはありません。あとは、「こういうやり方が働きやすい」という社内からの意見もしっかりと汲み取る体制です。思ったことを発信しやすい職場であるように、私自身も心がけています。
──若手社員と、どんなお話をしながら意見交換をしているのでしょうか?
かしこまって「この仕事なんだけど」といきなり話をすると、どうしても肩に力が入ってしまったり、本音を聞けなかったりするのでフランクに話しかけるコミュニケーションを大切にしています。相手との距離感にもよりますが、「昨日のサッカーの試合おもしろかったね」といった趣味の話や、「この前話していた、結婚式の様子はどうだった?」といったプライベートな話題など雑談ベースからスタートして、業務の話に発展することも多々あります。逆に雑談に終始したときには「最近は波風が立つようなことがないんだな」と、部下の状況を判断する材料にしていますね。
──リーダーという立場で、とくに意識されていることは何でしょうか?
小さい「気づき」を大事にしています。「まあいいや」が取り返しのつかない失敗に発展してしまわないよう気を配ったり、データには出てこない日常の会話から次のビジネスの種が生まれたりすることもあるので、常にアンテナを張っていますね。これは上司から教わった仕事術です。また、メンバーと接する際は「考え方を否定しない」ことを心がけています。いったん相手の意見や考え方を飲み込んだ上で「こういう方法もあるんじゃない?」と示唆することが多いですね。
そして「何かあったら直接技術者・取引先に会いに行き、コミュニケーションを図る」ようにアドバイスしています。オンラインにもメリットは多いのですが、やはり対面だからこそわかりあえることもあります。今は私が直接現場の技術者と話をすることは少ないですが、そうしたメンバーからの報告を通して状況を適切に把握し、必要に応じた指示を出す体制を取っています。
共同エンジニアリングの常識を、業界のスタンダードにしていきたい
──技術者を大切にされているのが、お話の節々から伝わります。
当社では、定年まで働きやすい制度など、中長期計画で制度を整えている最中なので、技術者のキャリアパスの選択肢は増えていくことでしょう。そうした活動の結果、当社で一緒に働き続ける仲間が増えてくれれば嬉しいと考えています。さまざまなキャリアを重ねていくという選択もある中で、すべての社員が気兼ねなく働ける会社にしていきたいですね。「世の中に貢献できて、社会から必要とされる人間になりたいけれど、どうすれば良いかわからない」と悩んでいる方にとっても、当社は働きながら建設に関するノウハウや経験を得られる最高の環境だと思っています。当社で作ったキャリアを活かして次のステップに移行した時、「共同エンジニアリングで働いて良かった」と本人からも、その周りの友人や家族からも言ってもらえるような存在であればうれしいですね。
──「建設業界の派遣というイメージをガラリと変えていきたい」とうかがいました。現状や未来についての想いを聞かせてください。
現在推進している「技術者の次のキャリアパスを一緒に考え、やりがいを持って働いてもらって給与もアップしていく」というサポート体制をさらに加速させていきたいです。今は「現場に配属が当たり前」ですが、将来的な話として「VRで現場を見回れるので、週3回は在宅ワーク」といった働き方ができるようになれば、真っ先に取り入れたいですね。そうなれば産休育休の取得や子育てと仕事の両立が、もっとしやすくなるでしょう。また、社会の進歩や意識改革に伴い、研修内容もより時代にマッチするようにブラッシュアップをし続けることが重要です。
まずは「お客様の要望」「技術者の求めていること」「当社が提供できる可能性」を模索し、関わる全員がなるべく多くのメリットを享受できるようにすることを目標にしています。そして、当社のモデルが「建設業界の派遣」をリードし、「共同エンジニアリングがやっているから、うちも取り入れよう」という風潮が生まれるような、業界の常識となるのが終着点ですね。
※2024年5月1日時点の記事です