適性とやりがいに惹かれたプラント運転維持管理
――入社前から現在に至るまでの経緯を教えてください。
地元で飲食店のアルバイトを続けた後、役所の業務委託の仕事を2年間経験しました。
当時はIT分野に関心があり、スクールに通いながらIT業界を目指していました。しかし、学習を進める中で、パソコンの前でコーディングや細かいデータ分析をする作業よりも、体を動かして働くほうが自分の性格に合っていると感じるようになりました。
学生時代は卓球に打ち込み、元々体を動かすことが好きだったため、「座ってばかりの仕事は向いていない」と考え、別の業界も視野に入れて転職活動を始めました。
その中で、適度に身体を動かせるプラントの仕事に出会いました。調べていくうちに、プラントは社会のインフラとして欠かせない存在であり、将来も安定して働ける点に魅力を感じました。実際の面接でも、業界や職種について深く知ることで入社への想いが強まり、決意を固めました。
事前のイメージよりも快適で安全な就業環境
――プラント運転維持管理の具体的な業務内容を教えてください。
私が勤務しているのは、不燃廃棄物の中継施設です。運び込まれた不燃ごみを集約して、分別・処理を行っています。フライパンやスプレー缶、携帯電話やタブレット、電子レンジなどの小型家電といった不燃ごみが対象で、1日約30台の収集車がごみを運んできます。
事業所全体では17名のスタッフが勤務し、そのうち7名が運転員です。交代で休みを取るため、基本的に5名体制で現場を管轄。2人・2人・1人の3グループに分かれて業務を担当しています。
業務内容は、中央制御室での運転操作と運転記録の作成、大型アームロール車両の誘導とコンテナ積み降ろし誘導、各種機械の点検と記録作成、スプレー缶の破砕処理と中継場内の清掃作業などです。毎日同じ人が同じ業務をするのではなく、日によって担当が変わるので、幅広い業務経験を積むことができています。
――実際に働いてみて、事前のイメージと変わった点はありますか?
配属前は、生ごみのような臭いのあるゴミを扱うイメージを持っていました。実際に働いてみると、扱っているのは不燃ごみが対象で、臭いの強いものはほとんどありません。想像以上に清潔で快適な環境でした。
また、私たちの役割は主に分別で、専門業者が搬出に来た際にスムーズに引き渡せる状態にすることです。リチウム電池をはじめ取り扱い注意のものもありますが、特別に危険な処理作業を行うわけではないということも働いてみてわかりました。
――日々の業務で特に意識していることはありますか?
特にトラック誘導では、運転手を待たせないよう段取りよく進めることを心がけています。搬出トラックの到着時間やごみの在庫状況を把握し、運転手と連絡を取り合いながら効率的に業務を進めています。
また、点検作業では、ルーティンワークの中でも機械の異常に気づけるよう注意深く観察しています。機械にエラーが出ていたり、普段と違う音がしたりといった異常に気づけるよう、集中して取り組んでいます。
スキルアップの面では、第二種電気工事士の資格取得に向けて勉強中です。事業所内でブレーカーを触る機会があるので、電気に関する知識を身に付けたいと思っています。私の現場では残業がほぼないので、就業後は資格の勉強に励むなど、仕事とメリハリをつけてプライベートの時間も確保できています。また、会社からも教科書の支給やリモート勉強会などのサポートがあり、モチベーションを保ちやすい環境だと感じます。
リサイクルや資源の再利用に直接貢献できる安定職
――働く中で最もやりがいを感じるのはどのような部分ですか?
自分の仕事を通じて環境貢献を実感できることです。私たちが適切に分別・処理することで、金属やガラス、プラスチックなどがリサイクルされ、資源として再利用されます。廃棄するのではなく、次の段階に送り出すことで環境保護に直接貢献できているという実感があります。
――苦労した点はありますか?また、それをどのように乗り越えてきましたか?
毎月、月末から翌月初めにかけての繁忙期です。月末は施設が休みに入るため、その間に搬出できなかった分のゴミが蓄積されて、翌月頭に一気に処理しなければならないからです。この時期は、ゴミの量に比例して搬出トラックの台数も増えるので、誘導や搬出作業が複雑になります。
配属されて間もないころは段取りがわからず、苦労した時期もありました。経験がなかったので瞬時に判断できず、「どうしようか」と考えている間にトラックがずらっと並んでしまい、冷や汗をかいたこともあります。マニュアルもあるのですが、現場では実践が重要なので、先輩について実際に動きながら覚えました。
現在は経験を積んで、全体の流れを把握しながら臨機応変に対応できるようになりました。他の運転員とも息が合うようになり、誘導担当の2人でトランシーバーを使って連絡を取り合ったり、運転手さんとの連携を密にしたりして、トラックを待たせることなくスムーズに誘導できるようになりました。今ではおおかたの業務を任せてもらえるようになったので、後輩への指導に意識を向ける余裕も出てきました。
体力面では、外作業での気温変化、特に夏場の暑さでしょうか。スプレー缶の破砕処理など、空調のない場所での作業もあるので、その場合は1時間ごとに5分程度の休憩を取り無理のないように調整しています。会社から冷却剤やスポットクーラー、空調服などの支給もあるので、万全な熱中症対策の中働いています。
――プラントでのお仕事に興味を持たれている方に向けて、アドバイスをお願いします。
プラントの運転維持管理業務は、人がいる限りなくならない安定して長く働きやすい仕事です。環境問題への関心が高まる中、リサイクルや資源の再利用に直接貢献できることは私の誇りです。
未経験でも手厚いサポートの中、仕事に最適な環境は整っているので、興味のある方はぜひチャレンジしてほしいと思います。
※2025年7月24日時点の記事です