成果が形として残り続ける仕事に惹かれ、建設業界へ
――建設業界に関心をもったきっかけと、中でも共同エンジニアリングを選んだ理由を教えてください。
大学では情報学部でメディア系分野を学んでいました。高校時代からテレビやラジオに興味があったので、広告やポスター、新聞、ラジオ、テレビといったメディア関連の勉強をしていました。しかし、就職活動をしていく過程で「有形のものを作るのも面白そうだ」という思いが強くなっていきました。自然と、形に残る建築や建物に目が行くようになったのです。目に見える形で仕事の成果が残り、それが社会に貢献するという建設業界に魅力を感じました。
そんな中、共同エンジニアリングの就職説明会に参加しました。他社と明らかに違ったのは、選考段階で「本当にこの仕事をやりたいのかどうか」を採用担当が真剣に見極めようとしてくれたことです。突き詰めて将来を一緒に考える機会を与えてくれ、入社後ギャップがないように生半可な気持ちではダメだとしっかりと伝えてもらえたことで、その誠実さに心を動かされ、入社を決めました。
――建設知識ゼロからのスタートに不安はありましたか?
正直に言えば、現場に出るまでは不安がありましたが、できる仕事を1つずつ覚えていき、わからないことは上司に相談しながら、徐々に手応えを得て、不安を解消していきました。
振り返ると、実は建築を学んでいないことでのハンディキャップは、それほど大きくないのです。なぜなら、「施工管理」という仕事は、そもそも学校で習うものではないからです。建築学科で学んでいるのは、設計やデザイン、構造計算などで、施工管理の手法自体を学んではいないと聞いています。ですから、現場に出てからの学びが中心となるため、学科によるスタートラインの差はそれほどないと感じました。
スーパーゼネコンでの学びと働くやりがい
――入社後、どのようなキャリアを歩んでこられたのでしょうか?
最初の現場は、世界スポーツイベントで使用される馬術競技場でした。その後も競馬場、大型倉庫、有名私立大学などニュースで取り上げられるような大規模プロジェクトを経験しました。共同エンジニアリングでは、複数の現場を回ることで豊富な経験値が身につくと感じています。「前の工事でやったこの手法を、ここでも使えるかも」など応用力がつき、ステップアップにつながると実感しています。
――改めて、現在担当している現場について教えてください。
競馬場のリニューアル工事を担当しています。この現場は約5年間の大規模プロジェクトで、私は2回配属されています。最初はコンクリート工事担当で職人さん最大500名規模の現場であり、現在は大型ビジョン工事担当で100名程規模の現場を担当しています。
――今の現場では、どのようなポイントを意識して働いていますか?
限られた予算の中でエラーなく、無駄を出さないような原価管理を意識しています。突貫工事の場合は進めることが第一であり、ある程度予算がかかってもいいことが多いのですが、今担当しているようなリニューアル工事では予算が細かく決められており、それをオーバーしないような調整が求められるのです。
たとえば、こちらの段取りが不十分であった場合、次の工程を担当する職人さんが現場に来ても作業ができず、引き返してもらうことになってしまいます。こういった事態が続くと、コストが跳ね上がってしまいますから、段取りを丁寧に行っています。
――スーパーゼネコンで働くやりがいについて教えてください。
なんといっても高いレベルの技術やスキルを、さまざまな人との出会いや経験を通じて学べることです。
現場には模範となるような上司や職人さんが多く、日々の業務が学びの連続です。特に印象的だったのは、ある上司のコミュニケーション力。彼は相手に応じて柔軟に対応できるコミュニケーション力に長けていました。秘訣を尋ねてみたところ、経験を重ねる上で「この人の話し方いいな」というような参考になる人の話し方や対応の仕方を真似し、そのパターンをどんどん自分の手札として増やし、その中から場面ごとに最適な対応を選ぶようにしていると教えてもらいました。
この考え方は、施工管理として職人さんや協力会社の方とやり取りする上でひとつの指標となっています。
隙間時間を活用して1級資格を取得、現場経験が活きた合格
――1級施工管理技士の取得は大変な挑戦だったと思います。取得の流れや学習方法のコツを教えてください。
試験2か月前くらいから学習を開始し、1か月前から本腰を入れて取り組みました。土木の1級については、「30日合格プログラム」というスマートフォンアプリを活用し、通勤時間や隙間時間を使って効率的に学習していました。もちろん座学も重要ですが、日々の現場経験が試験の内容と直結していることを実感しました。
たとえば、1級建築施工管理技士の二次記述試験で、ある現場の経験が生きたことがあります。業界でも有名な厳しい監理者の方が取り仕切る現場で鍛えていただいたことがありました。その際の学びを詳細に書いたところ、合格につながったのです。
――共同エンジニアリングで働く魅力を教えてください。
共同エンジニアリングは、資格手当が充実しているのが魅力ですね。特に、1級建築施工管理技士補でも取得すると毎月手当がつくので、頑張って良かったと思っています。努力に見合った報酬をいただけるのはありがたいですね。
また、スキルアップや家庭の都合に合わせて全国の現場を経験できる柔軟な体制が整っていることも長く続けられている理由のひとつです。私は静岡出身で、いずれUターンしたいと考えており、共同エンジニアリングの全国対応という特徴が活かせると考えています。
――今後のキャリアビジョンについて聞かせてください。
共同エンジニアリング内の教育部署に行く道、全国の現場で経験を積み、技術者としてスキルアップを目指す道など、多様な未来を思い描いています。
資格取得の点では、2級建築士を目標にしています。また、去年受験した1級造園施工管理技士の一次試験では、悔しいことに1点及ばず落ちてしまったので、再挑戦する予定です。
――興味を持っている方に向けて、一言メッセージをお願いします。
知識より大切なことは、現場での積極性。まずは経験を積むことが大事です。やる気のある人が仕事を任されます。派遣でも「スーパーゼネコンの同年代の社員には負けないぞ」といった気概を持つことです。同じ現場にいるのだから、同じだけのノウハウを得られるし、スキルアップもできるはず。その意気込みがあれば、きっと成長できると思います。
※2025年7月14日時点の記事です