多方面からのサポートで妊娠中も安心して現場に立てる。ライフステージの変化に柔軟に対応

入社3年目で妊娠7か月を迎える今も、200名の職人さんとともに高級マンションの建設に携わる前原優里さん。施工管理者として着実にスキルを磨き続けています。建設業界へ飛び込んだきっかけから現在に至るまでの道のりと、女性がライフステージの変化を経ても働き続けられる環境について、詳しく語ってもらいました。

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将来は海外へ。「夢を応援します」の言葉で入社を決意

――入社までの流れを教えてください。

大学では法学部で労働法ゼミに所属し、コロナ禍の影響で変化した労働現場や雇用社会の実情について研究していました。アルバイト先は写真店。お客様の要望を会話や表情から汲み取り、年齢に合わせて説明や対応の仕方を変えるなど、一人ひとりに寄り添う接客を心がけていました。

そのような学生時代を経て、建設業界に興味を持ったのは「建物はどうやって人の手で造られているんだろう」という素朴な疑問らでした。就職活動の中で、いろいろな業界や仕事を調べていくうちに、施工管理という仕事があることを知りました。文系でも未経験者でも女性でも、建設業界に携われると知って興味が湧き、建設業界に足を踏み入れたのです。

――数ある企業の中から共同エンジニアリングを選んだ決め手は何でしたか?

決め手となったのは、人事担当者の人柄の良さと会社の雰囲気です。

特に心に残っているのは、将来の夢について話したときのことです。私は語学が好きで、英語のほか大学で学んだ中国語に加え、韓国語やタイ語も勉強しています。面接では思い切って、「語学力を活かして将来的には海外で仕事をしたい」と夢を話しました。すると、「あなたの夢を応援します」と心強い言葉をいただいたのです。さらに海外の案件もあると聞き、この会社で頑張ろうと決意しました。

――実際に働き始めて、建設業界のイメージは変わりましたか?

正直な話、入社前はやはり実際の現場を知らないので、不安も大きかったです。

でも、実際に入社してみると、意外と休みが取りやすくて驚きました。有給休暇と土日の休みを組み合わせて長期休暇を取ることも可能です。私は、入社してから5回も海外旅行に行っています。語学の勉強も兼ねて、台湾やタイなどを訪れました。

もうひとつ大きく変わったのは、職人さんに対するイメージです。最初は「職人さんは怖いかもしれない」と構えていたのですが、実際はとてもフレンドリーな方が多いです。わからないことを聞いたら何でも教えてくれますし、頼んだら気持ちよくすぐに仕事をしてくれます。本当に優しい方がたくさんいて、安心して働けています。

各方面からの手厚いサポートで妊娠中の現場仕事も安心

――現在担当している現場について詳しく教えてください。

現在は千代田区の高級マンションの新築工事を担当しています。私にとってここは2現場目で、最初の現場も高級マンションの新築工事でした。現在の現場は規模が大きく、ピーク時には200名以上の職人さんが働いています。

私はバルコニー・共用部担当として、主に工程管理と品質チェック業務を行っています。職人さんが作業した後に、間違いがないかチェックしたり、次の工程に向けた調整を行ったりする仕事です。作業の進捗を見ながらの入場順番の調整もあります。

働く中で特に意識しているのは、とにかく「報告・連絡・相談」を徹底すること。些細なことでも、悩みや不明点、自分で解決できないことはすぐに相談して、1人で問題を抱え込まないよう気をつけています。

――現在妊娠7か月と聞いています。お仕事とはどのように両立していますか?

妊娠がわかったタイミングが、ちょうど1現場目が終わって2現場目への異動が決まったころでした。本来なら喜ぶべきことなのですが、当初は「この段階で報告して大丈夫なのか」「私に任せてもらえる仕事があるのか」と不安な気持ちが大きかったです。

おそるおそる、まず営業担当に連絡したところ、開口一番「おめでとう!」という言葉をかけてくれました。さらに、「次の所長さんにも私から話すから安心してください」とまで言ってくれたのです。その温かい対応で不安が解消されたのを覚えています。

対応のお陰もあり現場では体調が悪いときはいつでも休んでいいと言ってもらえていますし、現場の所長さんから土曜日は休みにしてもらったり、定時で帰れるように調整してもらったりしています。今の自分に一番合った働きやすい環境を整えてもらえて、ありがたい限りです。

また、何人もの職人さんが各地の安産お守りをプレゼントしてくださって、コレクションのようになっています。食欲旺盛になった私にお菓子をくださったり、「うちには子どもが4人いるんだ」と写真を見せてくださったりと、温かく見守ってもらっています。

――共同エンジニアリングで働く魅力について教えてください。

社員のうち4割程度が女性という女性比率が高い会社なので、女性のライフステージの変化に対するサポート体制が整っていることです。営業担当は定期的に「体調は大丈夫?」「困っていることがあったらいつでも言って」と声をかけてくれます。現場で言いづらいことがあっても、営業担当になら相談できるという安心感は大きいです。

また、共同エンジニアリングは全国にいろいろな現場があるので、将来子育てと両立する際に家の近くの現場に配属してもらえる可能性があるのも魅力のひとつです。

語学力を活かした将来を見据えつつ、育児と両立したい

――今後のキャリアについて、どのように考えていますか?

まずは子育てと両立して施工管理の仕事を続けていきたいと思っています。将来的には、海外の建設現場に携わってみたいという夢があります。今は趣味として語学を楽しんでいますが、語学力を活かした仕事ができる機会があれば、ぜひ挑戦したいです。

産休・育休復帰後の働き方については、お迎えや子どもの体調などで、今のように定時まで仕事をするのは難しくなるかもしれません。時短勤務や勤務地の調整について、これから会社と相談していく予定です。施工管理を続けるのか、社内でキャリアチェンジをして事務やCADオペレーターといった職種に挑戦するのか、柔軟にチャレンジしていきたいと考えています。

――建設業界を志望する女性へ、メッセージをお願いします。

共同エンジニアリングなら、女性ならではのライフステージの変化の過程においても、働きやすい環境を整えてくれています。私自身、妊娠してもストレスなく私生活も充実して働けているので、安心して入社してほしいと伝えたいです。建設はみんなで協力して一つのものを作り上げる素晴らしい仕事です。性別に関係なく、やりがいを感じながら誰もが活躍できるチャンスが広がっています。

ただ、現場においては、職人さんがほとんど男性なので、やはり女性は少数派ではあります。現場で働く上でのコツがあるとすれば、とにかくいつも笑顔で素直に、そして明るく挨拶することですね。「なめられないように」と過度に緊張感を持って接するのではなく、男女関係なく若手としてかわいがってもらえるような関係性を築くことが大切だと思います。

私も、3年目になってようやく経験に裏打ちされた自信を持って、職人さんに的確な指示が出せるようになりました。法学部で学んだ規則を守ることの大切さも、現場の安全管理や書類チェックの面で活かされています。未経験に不安を感じる方もいるかもしれませんが、これまでの経験はどこかで活かせる場面があります。

建設業界は確実に変わってきています。女性が働きやすい環境づくりも進んでいるので、ぜひ安心してチャレンジしてほしいと思います。

※2025年7月8日時点の記事です