研修期間でみっちり学んだ基礎が、現場での土台に
──大学時代に学んだことや、共同エンジニアリングに入社された経緯を教えてください。
コンピューターゲームが好きだったこともあり、大学は情報学部に進学。CADを使った立体空間のモデリングやCG制作を通じて空間デザインなどを学ぶうちに、当初は関心がなかった建築物に興味をもつようになりました。就職活動では、ITや広告、映像制作など幅広い業界を探している中で、エージェントの紹介で当社のことを知りました。面接では採用担当者が親身に話を聞いてくれました。「建築業界に関わりたい気持ち」「CADのスキルを活かし、伸ばせそうところに魅力を感じたこと」といった、私の志望理由をスラスラと引き出してくれたことを覚えています。また、未経験者に対する手厚い研修やフォローアップ体制が整っていることを知り、入社を決めました。
──内定後、希望者に向けての研修があったそうですね?
入社前の夏ごろにOSTechグループ全体で、希望者を対象に「基礎的なビジネスマナー」や「社会人になるための心構え」などを学べる、レクリエーションを兼ねた研修がありました。さらに、内定者でグループを組んでCMを制作するというプロジェクトがあり、私も参加しました。4名のチームで望んだのですが、私たちが作ったCMが最終選考まで残ってメディアで放送されたのは、良い想い出です。 内容としては、「最初はみんな失敗することもあるけれど、一緒に頑張ろう」という構成を考えて、「新入社員を応援する」というメッセージを打ち出しました。チームには当社のメンバーだけでなく、グループ会社の社員も参加していたのですが、みんなで協力したことで団結力が高まりました。その後、グループ会社全体での内定式や入社式が大きな会場で営まれ、その盛大な雰囲気の中で「この一員になるんだ」という心を新たにしました。
──入社後の研修について、お聞かせください。
1か月間みっちりとありました。まずは、施主さんやゼネコン、協力会社などから成り立っている建築業界の形態といった基礎的なことを学びました。その後、自分は設備の施工管理として働くことが決まったので、電気や配管に特化した研修を受講。電気については、発電所から家庭に電気が流れる仕組みや「電力・電圧・電流」といった中学生の理科の授業のおさらいのようなことを教わります。配管については「水・空気・ガス」があり、それぞれがどのようなルートで届けられるのかを理解したり、地域ごとの規格や法規などを教わりました。また、それぞれに必要な資格についての説明を聞きました。そのときは、詳細まで覚えるのは難しかったですが、基礎的なことは身に付けてから現場に出られたと思います。
現場を管理するうえで不可欠な、「調整力」の重要性を知る
──研修の中で、心に残っていることはありますか?また、配属先はどのように決まったのかお聞かせください。
建築業界の形態について、大規模な工事になると協力会社の裾野が大きく広がっていることを知りました。そこで当社が、元請けのゼネコンから専門領域を担う協力会社に至るまで、幅広くアプローチしているというビジネスモデルに驚かされたことが心に残っています。また、講師が施工管理経験のあるベテランの方だったので、実際に現場であった体験談や「こういうところに配慮していた」というリアルな話は、非常に興味深かったです。配属先については、「希望勤務地」を伝えていたのですが、実際に今、望んでいたエリアで働けています。
──講師の話の中で、特に印象的だったエピソードを教えてください。
研修を受ける前は、「図面を描く建築士がトップに君臨し、現場はそれに従う」というイメージを持っていました。しかし、講師は「図面が現実に即していない場合はしっかりと意見を出すし、反論することも数多くあるよ」とおっしゃっていたのです。それを聞いて「建築士も現場を取り仕切る施工管理もプロ意識を高く持ち、切磋琢磨する業界なんだな」と感じました。例えば「デザイン重視過ぎる」ような図面だと、現場から反発が起こってしまうので、調整する能力が求められています。そのとき、自分もスキルアップを重ね、高度な調整力を発揮できるような施工管理を目指そうと決心しました。そうした高い目標や、仕事の醍醐味の部分を研修の段階で知ることができたのは、とても幸運なことだと思います。
──設備施工管理としての、今の業務内容をお聞かせください。
クライアントは東証プライム上場企業の機械メーカーで、業務としてはスーパーマーケットなど設置する業務用冷凍・冷蔵庫やショーケースなどの施工管理を担当しています。現場には、建築や電気、配管などさまざまな業者が参画して工事を進めていくので、工程がスムーズになるようにスケジュールを組んだり、例えば配管の前に全面をコンクリートで塞いでしまうと通せなくなるので「この部分に穴を開けておいてください」と調整したりする役回りです。設置位置を決めるための「墨出し」も重要なタスクになります。まだ1年目で知識やノウハウを蓄えながら仕事を進めているのですが、ゆくゆくは今の上司が担っている発注業務などにも携われるようになり、責任ある役割を果たせるようになるのが目標です。
職人さんとの密なコミュニケーションが、成果に繋がる
──仕事で楽しいと思ったことや、自身の成長を感じたエピソードなどを教えてください。
成果につながったという意味でも、楽しさを感じるのは、職人さんとのコミュニケーションです。普段から良好な関係を築くことで、職人さんたちがより協力的に接してくれるようになり、工程がうまくまとまったり、作業時間を短縮できたりします。そうした、職人さんたちのおかげで得られた成果が会社に利益をもたらすことになりますし、私もうれしい気持ちになります。
成長を感じたエピソードとしては、「以前の経験を、次に活かした」という出来事がありました。業務用冷凍・冷蔵庫の中には、プレハブ型のものもあります。そうした大型の冷凍・冷蔵庫の室外機はとても人手では運べない重量で、専門業者がクレーンで吊って移動するため、絶対に設置位置は間違えられません。そして現場のスケジュール上、早めに設置位置の「墨出し」が必要なのですが、1度ギリギリになってしまい動揺したことがありました。その経験から、次からは前段階である「設置位置の図面作成」を早いタイミングで設計の担当者に依頼し、余裕を持って墨出しできるようにしました。
──一緒に働く上司の姿を見て、学んだことはありますか?
新築と改装、双方の現場がありますが、特に改装の場合は「明日の朝までに、工事を終えなければ、店舗がオープンできない」という事態に陥ることがあります。そのため、スピード感と判断力が同時に求められる場面が多々あります。スケジュール調整をしながら、職人さんたちに指示を出している上司の姿を見ると「高度な調整力が求められる」と感じます。だからこそ、的確に仕切り、時間通りに工事を推進することで“達成感”を味わえる仕事なのだろうなと、あらためて感じます。
──今後の目標をお聞かせください。
現在、知識を頭に叩き込んでいる最中なので、着実に業務を習得しながら職人さんとのコミュニケーションにもっと力を入れたいと考えています。将来的には、今の上司のように多くの人と関わりながら現場を円滑に進められる、高い調整力をもつ施工管理になりたいです。また、学生時代に学んだCADは「図面を読み解く力」としても、大いに役立っています。「図面を引いた人の想い」も汲みとれますし、現場の意見も理解できるので、ゆくゆくはそういった部分も含めて柔軟に調整できるようになりたいです。
※2025年3月7日時点の記事です