学生時代から学んでいた建築業界の扉を開く
──学生時代に学ばれていたことと、共同エンジニアリングに就職された理由を教えてください。
実家の図面を見せてもらったときの強烈な印象から、「こんな構造や建材が使われているんだ!」と興味をもち、建築やインテリアを学べる大学に進学。学校ではCADを用いた図面の引き方や西洋や日本建築の歴史、企業とコラボした実践的なカリキュラムなどを経験し、多面的に建築の理解を深めることができました。心に残っているのは、建築家の隈研吾さんの「カーブが連続した構造」です。「建築物はボックス型」という私の固定概念がくつがえされるような驚きがあったことを覚えています。
当社を選んだ理由は、大学での学びを活かせる点と、多種多様な業種の会社を経験できる環境に魅力を感じたからです。将来的にライフステージが変わっても、どこでも役立つスキルを身につけられると考えました。また、資格取得のサポートや講習がしっかりしている点や、面接担当者の明るくて積極的にコミュニケーションをとってくれるサポート体制や担当者の姿勢も決め手になりました。
──最初の配属先が決まったときの流れと、5年間のキャリアについてお聞かせください。
営業担当者から、いくつかのクライアントの打診とそれぞれの現場の説明を受けて、その中から配属先が決まりました。1社目は石油プラントの会社で、ちょうどコロナ禍だったこともあり、最初は在宅ワークをしながら知識を吸収していました。
社内・職人・協力会社問わず積極的に話しかけ、安全に工事を遂行できるよう心がけて業務を行っていました。この経験を通じて、工事を円滑に進めていくための提案力や先を見通す力、工事を安全に効率良く進めるためのコミュニケーションスキルを磨けました。また、工事では急な変更やトラブルも発生するため、対応力も身についたと感じています。
次のクライアント先は解体の会社で、CADで図面を引いたり、現場の方が見やすいように修正したりしていました。ここでは大学で身に付けたCADのスキルが役立ちましたね。一方で、大学では低層建築や一軒家をメインに勉強していたのですが、ここでは巨大なビルディングなどの図面作成などもあったので、自分の知識を大きくアップデートすることができました。そして3社目が、今の職場になります。
──今の業務内容を教えてください。
大手メーカーの関係会社で、作業員名簿や再下請負通知書などの安全書類(グリーンファイル)の管理や、これまで紙ベースで進めていた作業のクラウドサービスへの移行による効率化の推進を担当しています。安全書類については、例えば、保有資格証の写しはもちろんですが、個人情報の観点から提出書類の必要箇所にマスキングがされているか、社会保険の加入状況は適切か、注文書と請書はきちんと交わされているか、などを一つひとつ確認します。また、不備や訂正があれば協力会社にご連絡を入れご対応をお願いしています。
協力会社によっては「なぜこのような対応が必要なのか」といった問い合わせもいただくため、ご対応いただかなければならない根拠についても説明・指導を行います。 また、現在使用している安全書類管理のクラウドサービス(Greenfile.work)の操作方法の説明や、協力会社の安全書類を代行して作成することもあります。
建設業法の知識や国土交通省に関する知識が必要になるほか、臨機応変に対応するスキルが求められるため、迅速かつ的確な指導・指示に留意しながら業務を進めています。
仕事を通じて、世界が広がる。感謝と頼られるやりがい
──働く中で大変さを感じたことや、乗り越え方を教えてください。
今の仕事を任せてもらうにあたり、安全書類に関わる専門的な関連法規やクラウドサービスの使い方などを、イチから主体的に覚える必要がありました。例えば、建築業法や協力会社の作業員の社会保険といった知識を身に付けた上で、協力会社とやりとりをするのですが、安全書類管理のクラウドサービスへの移行にともない既存のやり方との間に差異が生まれてしまうこともあり、大変さを感じましたね。学び方としてはまずは自分で調べた上で、わからないことについては周りの先輩たちに聞くようにすることで、着実に頭に入るように心がけています。
最近では、クラウドサービスの使い方について、現場に出向いて説明会を開く機会も増えてきたので、より知識を深めつつ、対応の仕方や伝え方などをブラッシュアップしていく必要性を感じています。そうした大変さを感じるところもありますが、「今の経験は、着実に自分のスキルになる」というポジティブな気持ちで挑んでいます。
──仕事における「やりがい」は、どんなときに感じますか?
現場でのクラウドサービスの説明会で、「こんな使い方もあるんだ。便利だね」「作業員のことを詳しく把握できることがわかった。ありがとう」といった感謝の声を聞けると、この仕事をしていて良かったと感じます。また、説明会では想定してなかった視点からの意見や疑問が飛び出すことがあり、新たな発見にもつながります。例えば、先日の説明会では、「保険証がマイナンバーカードに一体化されるにあたって、どのように対応すればいいのでしょうか?」という質問を受けました。社会情勢の変化に伴って柔軟に対応していく必要があると新たな気づきを得ました。
クラウドサービスの導入は、これまでのやり方に慣れている協力会社や現場で忙しい作業員にとって、一時的にマイナスに感じられることもあるかもしれません。現場が望んでいることや抱えている課題はさまざまですが、根気よくコミュニケーションを図りながら浸透させていくことは、仕事の醍醐味でもあります。これからも現場のニーズを汲みとり、より寄り添った形で効率化が実現できるように発信していきたいです。
施工管理での経験が、オフィスワークで存分に活きる
──共同エンジニアリングで働く魅力を教えてください。
ライフステージが変わるタイミングで、営業担当者に相談をしたのですが、とても親身になって話を聞いてもらえました。その上で、「事務系の業務はどうでしょうか?」など、さまざまな案件を探しだして提案してくれたのです。このサポート体制は、最初の配属先選びのときから一貫しており、安心して働ける環境だと思います。以前は残業で帰宅が遅くなることもありましたが、今では定時に退勤してプライベートの時間を充実させることができています。
──現在、事務系の業務で活躍されていますが、施工管理の経験はどのように活かされていますか?
現場でしか学べないことは多いので、施工管理の経験はさまざまな局面で役立っています。例えば、CADを使う場合でも「このように描けば、現場の人に伝わりやすい」と意識して図面を引くことができます。また、施工管理には多岐に渡る資格が存在しますが、「この業務には、こんなスキルが求められる」と、書類に記載してある資格のイメージがしやすいです。また、職人さんとの交流で培ったコミュニケーション能力は、協力会社との意思疎通においてとても活かされています。施工管理も事務系の業務も「建築業界を支える」という共通した目標を達成するために、なくてはならない重要な役割だと認識しています。
──これからの目標を教えてください。
今は「玉掛け」免許や、第一次検定の筆記試験に合格して「2級施工管理技士補」資格を取得しています。次は「1級施工管理技士補」を目指して第二次検定の対策をしています。CADにもさまざまな資格や種類がありますから、例えばCAD利用技術者試験1級の取得や、3D CADの勉強など、少しずつスキルアップしていきたいです。資格取得以外にも、今の職場でやるべきことや挑戦したいことは山ほどあるので、当社のためにも自分自身のスキルやキャリアップのためにも、もっと高みを目指します。
※2025年3月6日時点の記事です