建築現場のDX化の最前線で、効率化を地道に浸透させていく

学生時代はスポーツに打ち込み、大学はラクロスの強豪校に進学して部活に励んでいたという園部里菜さん。部活動で培ったコミュニケーションスキルなどを活かし、現在はクライアント先のDX化サポート業務で活躍されています。今回はそんな園部さんに入社のきっかけや、仕事のやりがいなどを語ってもらいました。

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本気で向き合い、誠実に話を聞いてくれた就活時代の思い出

──就活の方針や、共同エンジニアリングに入社したきっかけを教えてください。

就活では信頼していた先輩からのアドバイスもあり、業界や職種にこだわらず、幅広く企業説明会に参加していました。そこで興味が湧いた企業へ積極的に応募し、面接の雰囲気が自分の感性と合っているかどうかを重視する方針でした。共同エンジニアリングとの出会いは、就活支援のサービスからの紹介です。ちょうど金融業界に興味を持ち出していて、建築業界は全く視野に入っていなかったのですが「一旦話を聞いてみよう」と、応募を決めました。

面接では、人事の方からとても誠実に話をしてもらい、「専門知識を武器にして、大きな建造物を関係者全員で造る」という魅力を知りました。また、「今まで男性の方が多かった建設業界だが、現在では女性が増えている」という現状も教えてもらい、入社を決めました。入社後、多くの女性が活躍されているのを見て、安心した記憶があります。

そのほかに、「園部さんなら、当社でも他の会社でも活躍できると思う」という言葉をかけてもらったことをよく覚えています。「私のことを本気で考えてくれている」と感じ、「ここで働きたい!」と入社を決めました。

──現在は、『ICT推進部』として活躍されていますね。

入社研修で業界の基礎的な要素を学んだ後に、業界のDX化をサポートするICT推進部に配属になりました。デジタル技術を使い業務の改善・効率化を図ることが業務で、特に建設業界では、人手不足を解決するための重要な役割として位置づけられています。具体的には、クライアント先に常駐し、施工管理業務の効率化を促進するツールの導入や、継続利用のため、使い方のレクチャーなどを行っています。例えば、これまで紙ベースで実施してきた書類作成業務や情報共有、現場の写真撮影などをタブレット1つに集約し、広い工事現場でも関係者全員がリアルタイムで進捗や情報を共有できるようになるソフトや、写真管理や工数管理など、土木工事に関わる情報をまとめて管理できるソフトなどがあります。これまでのやり方と比較して、効率化と確実性が担保されるのが大きなメリットです。

──困難に感じたことや、それを乗り越えた方法をお聞かせください。

先ほど説明したツールやソフトウェアは、打ち合わせ段階~現場で使う書類を一元管理でき、既存のやり方では煩雑だった作業をスムーズに行える画期的なものです。ただ、導入のコストや周知の難易度から、「これまでのやり方を続けたい」と抵抗を感じるメンバーも多く、最初は大変さを感じました。そこでまず、「使うことで、いかに便利になるか?」を体験していただくため、現場の責任者の方に導入のメリットを説明。支援ツールを使うメリットを、私から直接説明するのではなく、実際に現場で働く方から伝えてもらうようにしました。すると、口コミ的にメリットや利便性が伝わり、「どう使ったらいいですか?」という問い合わせが増えました。そこからは個々の状況に沿った、細かい部分をレクチャーするようにしています。

組織行動の変化から、細かい事務作業までを支えるおもしろさ

──仕事でのやりがいについて教えてください。

「導入して楽になった」といった感想をいただけると、うれしい気持ちになります一例を挙げると、これまでは現場に出る前にみんなで1つの事務所に集まり、安全事項の確認や最新情報の共有を実施していたところがありました。それを、デジタルサイネージ(電子掲示板を使用して情報発信するシステム)を駆使することで、それぞれの場所で情報共有できるようになり、事務所に移動する時間や労力を削減することに成功したのです。

また、手書きのメモを工事進捗管理用のファイルに入力する作業が発生している現場では、ソフトウェアを導入し、現在の工事状況を一括で管理することによって、事務を担当する別のスタッフにもスムーズに引き継ぎができます。そうしたところも含めると、DX化による全体的な利便性の向上と実効性は計り知れません。

──導入支援をするなかで、「おもしろさ」を感じるのはどんなときですか?

DXツールが日々どんどん進化していくので、「次にどんな機能が追加され、どんな業務を改善できるのか?」というところは、変化が多くおもしろさを感じます。あとは、特にツールに慣れていない方に見受けられるのですが「初回の研修以来、タブレットを起動していない」というケースも少なくありません。ヒアリングしてみると、利用していない理由も現場や社員によってさまざまで、そういった課題の改善策を一緒に考えると「ありがとう!」と感謝の声をいただけることも多いのです。それもまた、この仕事のおもしろさです。DXツールは先ほどのものも含め、名刺ソフトやビジネスチャットなど複数存在するので、わかりやすく一つひとつ丁寧にお伝えすることを心がけています。

最新技術で、コツコツと効率化をサポートする

──クライアント先では、どんなメンバーが活躍されているのでしょうか。

メンバーは同期や土木の経験者、新卒入社で現在研修中の女性の4名です。その女性メンバーに、DXツールの使用方法や「どのように導入支援を行うか」などを教えて育成するのも、私の重要なミッションになります。ただ、互いに教え合うことも多く、マネジメントというより「一緒に頑張る仲間」という気持ちで接していますね。クライアント先でのDXツール導入率は昨年度比で数値化されるので、そのパーセンテージの拡大を意識して、メンバーが一丸となって業務に取り組んでいます。

──共同エンジニアリングの「魅力」について教えてください。

まず配属前の研修が役立ったと思います。そのときに採用担当の方が色々と相談に乗ってくれたことで、「未経験からでも大丈夫だろうか?」という不安が払拭されました。配属後は、クライアント先に営業がフォローをしてくれる環境だったのも大きいです。普段は配属先に常駐しているのですが、定期的に、営業担当者が話を聞いてサポートしてくれるのは助かりますし、当社の魅力だと思います。

──思い描いているビジョンをお聞かせください。

DX化推進事業に対して、当社がさらに力を入れていくという話を聞いています。これまでICT推進部として、クライアント先の現場の効率化をお手伝いしてきた実績があるので、そのノウハウを活用して、別の企業にもどんどんとDX化を広めていきたいです。そして「相談したら、すぐに応えられる」という存在になるために、もっと知見を磨き続けることを頑張りたいと思います。

今、建築業界は施工管理支援ツール以外にもAR(拡張現実)など、最新のテクノロジーが普及していっています。ただし、実際の現場では活用までのハードルが高く、導入に時間がかかってしまい、効率化は簡単なものではありません。それだけに、その現場に必要な新技術を常に考えながら地道に支援していくことが求められます。そのサポートができれば、私もうれしいです。

 

※2024年12月20日時点の記事です