利用者の「当たり前の日常」を支える
──ご経歴と、共同エンジニアリングで「技術者」の道を選んだ理由を教えてください。
学校卒業後、介護施設で調理に携わっていました。2年間勤務するなかで次第に「まだ若いし改めて未経験から、手に職をつけられる仕事はないだろうか?」と新たな活躍の場を模索するようになったのです。そこで出会ったのが、共同エンジニアリングでした。建物を造ったり維持したりすることをサポートする施工管理という業務内容や、面接で「未経験でも成長できる機会があります」と言い切ってくれたことに魅力を感じて転職を決めました。当時はコロナ禍でWeb会議ツールでの面接でしたが、こちらの気持ちを汲み取ってくれて、説明もわかりやすく安心感があったと記憶しています。
──現在、ビルの設備管理のお仕事をされているとのことですが、どんなお仕事内容でしょうか?
防災センターというチームに所属し、ビル全体が安全に稼働するため電気や空調、給排水などの設備管理やメンテナンスをしています。具体的には、エレベーターの速度を制御する動力盤や照明、コンセントの大元となる電気室や空調機と付随するポンプなどの点検です。また、地震や火災などが起こったときには、状況に即して避難を促すアナウンスを流すといった役割も担います。ビルの“万が一”に備える、危機管理的な側面もありますね。
平常時の点検では、各設備に異常があるかどうかをチェックし、何かあったら自分や、一緒に点検をしているメンバーと一緒に修繕したり、それが難しい場合は専門業者に修理を依頼します。基本的には1〜2人体制で行います。例えば、ビル内部へ水を送るポンプに異常が起こると、お手洗いで水が流れなくなったり、スプリンクラーが作動しなくなる可能性もあります。そういった異常が起こらないよう、中に通っている水流の圧力をメーターで確認します。
──異常が起こったとき、どのように対応されていますか?
「風が届かない」「異音がする」という空調関係設備の異常や、給排水設備の水漏れなどが発生したことがあります。先日もポンプに空気が入ってしまった事例がありました。そういった時は「エア抜き」など状況に応じた作業をすることで、通常運転に復旧します。異常処置には、基礎知識だけでなく経験と判断が必要です。正しく処置できるようになるまで経験豊富な先輩がしっかりと教えてくれました。独り立ち後も、わからないことがあればすぐに一緒に見に来てくれる環境なので、安心して働ける職場です。
知識が増えるほど、打ち手も限りなく増えていく
──配属当初に感じた大変だったこと、それを乗り越えた方法を聞かせてください。
ゼロからのスタートだったので、点検の手順を覚えるのがまず大変でした。さらに、ビル全体の設備を把握することだけではなく、何か連絡があったら突発的な対応することも求められます。先輩が一緒に付き添って丁寧に教えてくれるのですが、最初のころは不安でいっぱいでした。あとは基礎的なところですが、基本的な工具の使い方や設備の構造がわからないなど、技術的な部分も難しかったです。
習得した方法こうした技術的な部分の壁を、日々のインプットとアウトプットの積み重ねで克服していきました。現場の点検表作業では、先輩から教わったことを一つひとつメモし、後から振り返る地道な作業を繰り返しました。最初のころは先輩が横についてくれているので、わからないことがあればその都度質問しながら頭に定着させていきました。あとは、先輩の行動を観察しながら、「見て吸収し、同じ動きをする」ことも心がけていました。点検をするビル内に事務所があるので、わからない時はすぐに聞きに行ける環境が整っており、助けられたことも多いです。
──仕事で“やりがい”を感じるのは、どのようなときでしょうか?
ビルの設備が何事もなく作動し、利用する方々の日常を支えられていることが、やりがいにつながっています。また、設備の仕組みの理解度にともない、以前はわからなかったエラーが判別できるようになった際に、成長を感じてモチベーションにつながりますね。最近のエピソードだと、加湿装置の「配管の水抜き」が必要になったのですが、スムーズにいかないところが1か所だけありました。このとき、「建物の構造上、バルブがあの辺りに走っている。ということは、このあたりにゴミが詰まっているのでは?」と、問題がありそうな箇所を絞り込めるようになりましたね。配属当初だと全然わからなかったと思うので、成長を実感するとともに、謎解きのようなおもしろさもありました。
──共同エンジニアリングから2人の後輩が配属され、教育係もされているそうですね。
自分が先輩から熱心かつ丁寧にレクチャーしてもらったことで、仕事の知識が頭に定着しました。そこで同じように、わかりやすく伝えるようにしています。意識しているのは「入社すぐのときの私だったら、どんな風に教わったらスッと脳に入ってきただろう?」という初心に立ち戻り、後輩たちに届きやすい言葉を選んで説明することです。
能動的で前向きさがあれば、未経験でも大丈夫!
──現在、夜勤もあるとのことですが、慣れるまでに大変さはありましたか?
配属当初は生活リズムが変わるので、少し辛いと感じる面もありました。ただ、1~2か月ほどすると慣れてきます。すると夜は、静かで昼間のような忙しさがない分、じっくりと業務に取り組めるというメリットに気づきました。また、業務の特性上、待機時間もあり、資格の勉強などに時間を回しています。業務としては、みなさんが働いている昼間に確認できない設備の点検やメンテナンスなどです。夜勤に慣れて調子の良い生活を送るコツは、退勤後に「すぐに寝る」のではなく、昼から夜まで起きるようにして、その後に睡眠をとることで無理のないリズムができます。あと、前職の経験を活かしてあらかじめ「美味しい料理」を作っておき、夜勤明けに食べるのが自分へのご褒美になっています。
──共同エンジニアリングで、「魅力に感じること」を教えてください。
手厚い「サポート体制」に魅力を実感しています。先日、『第二種電気工事士』の資格を取得したのですが、当社の研修を受講したおかげで合格したと思っています。資格を取得したことで、使用できる機器が増えて設備管理業務の幅も広がりました。
それ以外でも、入社直後の基礎研修を受けたことが、現場に出て役立ちました。講師の方が専門用語などを噛み砕いて詳しく教えてくれて、疑問点などを質問すると親切に答えてくれたので、「まったくの未経験からのスタート」には最適な環境だと感じます。前提となる知識があるのとないとのでは、現場に出てからの苦労に雲泥の差があります。
──今後の目標と、将来一緒に働きたいと考える「仲間像」をお聞かせください。
設備管理は「これだけ覚えたら完璧」ということがなく、2年経過しても「建築物の構造」や「メンテナンスの技術」など、足りないと感じることがたくさんあります。それが仕事の奥深さにつながっているので、知識やスキルをアップデートし続けるのが日々の目標です。理想の仲間像としては、「前向きな方」「自分からどんどんと質問してくれる方」かなと想像しています。
本当のことをお話すると、配属当初、私自身が少し「受け身」な時期がありました。しかし、とても積極的で熱心な先輩の姿を見て「消極的だったら、仕事は身につかない!」と大いに影響を受けました。それ以来、自ら主体的に行動し、質問するようになりました。「自分を変えたいと思っている方」でも大歓迎。私も含めて当社は未経験からスタートしている先輩たちがたくさん活躍しているので、一緒に働けることを楽しみにしています。
※2024年12月20日時点の記事です