思い切ってキャリアチェンジしたら、子どもに自慢できる仕事に出会えました

大学で法律を学び、通信業界の営業職としてキャリアをスタートさせた冨森大輝さん。2019年に共同エンジニアリングへ入社。現在は施工管理技士として活躍中です。今回はそんな冨森さんに、キャリアチェンジの理由や施工管理のやりがいなどをうかがいました。

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現場経験豊富な面接官の確かな言葉が決め手

──前職の営業から、共同エンジニアリングの施工管理技士にキャリアチェンジされた理由を教えてください。

前職でも多くの学びがありましたが、1年ほど経験するなかで営業という仕事に疑問を感じ、転職を考えるようになりました。「資格や技術を身につけ、それを基に、将来に渡って活躍が見込める仕事」はないかと模索するなか、転職エージェントから紹介された企業のうちの1社が、共同エンジニアリングだったのです。当時は、自分の将来像を見据え、「IT企業のエンジニアになる」か「日本の土台を支える建築業界の施工管理技士になるか」で悩んでいた記憶があります。

最終的に施工管理を選んだのは、祖父が大工をしていたことや大学で建築に関する法律を学んだことなどから、建築業界に興味をもっていたことが背景にありました。ですが、決め手になったのは面接官との会話でした。現場の出身だった面接官の方が、「手に職をつけられる仕事」であることを順序だてて丁寧に説明してくださいました。「体力的に大丈夫だろうか?」という不安も、実際の業務内容を紹介していただくことで払拭でき、施工管理技士を目指すことを決意しました。

──施工管理技士として、普段どのような業務をしていますか?

大学や病院、テナントビルの新築・改修工事の施工管理業務を行なっています。直近では改修工事が多く、テナントの立ち退きにともなう撤去作業や原状回復工事に携わっていました。具体的には、朝礼の司会進行や業者の方への指示出し、現場に入る前の安全確認の説明、計画書の作成などの業務全般を担当しています。総合病院の一室を、それまで診療科目になかった「歯科・口腔外科」の病室に改修する工事などに関わると、縁の下の力持ちとして、その時、その地域のニーズに沿って社会を支える仕事なのだと実感します。

──5年間働かれるなかで、ご自身の気持ちの変化や成長を実感されたことはありますか?

未経験の頃は、現場の作業員の方々と関わるなかで、仕事を学んでいきました。最初はみなさんと会話をするだけでも、勇気が必要だったことを覚えています。今では、仕事の合間に冗談を交わすほどの関係を築けていて、我ながら「成長したな」と感じます。ただ、責任者の方からかなり専門的な内容を聞かれたときに、すぐに答えられない場面もあるので、5年の経験では「まだまだこれから」と、この仕事の奥深さを感じています。スキルや資格の面では、土木施工管理技士2級を取得。試験では、現場で培った知識と経験、ノウハウが役立ちました。また、資格取得希望者のための研修実施や過去問集の支給など、当社のサポートにも助けられました。

苦労があるから、やりがいも大きい仕事

──仕事で大変だったことや、それを乗り越えたエピソードを教えてください。

竣工間際だった現場が突然大雨に見舞われ、半地下の部屋が水没するという事態が発生しました。まだ排水装置が完全には通っていない状態で、仮設のポンプも不具合で作動しないという危機的な状況に陥ったのです。担当以外の社員や現場の管理者までもが駆けつけ、全員で解決策を考えました。そして、各部署の協力のもと安全を確保したうえで、機械やバケツを使って水を外に掻き出し続けました。屋外での仕事である以上、こういった事態はどうしても起こり得ます。そんなとき、全員の力を集結して問題を解決。もともと強かった連帯感がさらに強固になる、ということを身をもって体験しました。

──働いていて印象に残っている出来事を教えてください。

初めて基礎から参画して竣工までを担当した、思い入れのある現場での出来事です。それまでより責任のある職務を任された分、現場の責任者の方からの指導にも熱が入っていました。自分自身も、求められる責任が大きくなることに、プレッシャーを感じてもいました。そんななか、「トラブルにならないよう、日々注視するように」と指示を受けた工事がありました。ある日、自己判断で日々の確認業務の優先順位を変更してしまったのです。指摘を受け確認に向かったところ、責任者の方の懸念が的中し、トラブルが発生していました。日々のルーティンの重要性を軽視してしまったことが原因でした。このことを教訓に、ルーティン作業の意味をしっかりと理解し、トラブルを未然に防ぐことに細心の注意を払うようになりました。

この出来事をとおして、自分の未熟さと、責任者の方とのキャリアの違いを明確に認識しました。現場に関わるすべての作業員の安全と利益を守る立場であれば、重要度の高い場面では、厳しい指導も求められます。ですが、多くの知識や経験を基にしたアドバイスは的確で、現場に臨む姿勢も含めて、その現場責任者の方は心から尊敬する存在です。私もこれからさらにキャリアを磨き、後輩に背中を見せられる人間になりたいと思っています。

──現場の意見を吸い上げ、円滑に業務を進めるために心掛けていることを教えてください。

現場の作業員の方々と積極的に交流を図ることを、意識して実践しています。交流を深めることで良好な関係を構築できれば、皆さんがどんな考えや傾向をもっているのかを理解しやすくなりますし、信頼が深まれば、こちらの意向もスムーズに伝えられます。現場は作業員の割合が圧倒的に高く、現場で実際に手を動かす方々からさまざまな意見をいただくことが、特に重要だと思っています。休憩中に輪の中に入って、仕事の話だけでなく雑談などの軽い会話を楽しんでいます。そんなときは、家族がいる方と、お互いに子どもの写真を見せ合うなど、和気あいあいとした雰囲気です。

営業担当は「常に自分の味方」という頼もしい存在

──技術者を支える営業担当者との間で、絆を感じたエピソードはありますか?

入社して5年が経ち、その間に3名の営業担当と関わりましたが、みなさんとは「何かあったらすぐに相談できる関係」です。昨年結婚して子どもが産まれたので、会社への届け出について聞いたところ、すぐに回答があり、必要なことを丁寧に教えてもらいました。このとき、私の休日に配慮して、電話ではなくショートメールで連絡をくれるなど、細かな気遣いがありがたかったです。

「今の現場はどうですか?」とこまめに連絡をくれ、困っていることがあればすぐに動いてくれます。また、「こんなことが現場で起こっているけれど、どう思いますか?」と相談すると、第三者目線で客観的な意見を出してくれます。事情があってどうしても今の現場が厳しい場合は、配属先の変更も含めいろいろな角度から相談にのってくれるなど、徹底して技術者に寄り添う姿勢です。私にとって営業担当は、良きアドバイザーであり、常に技術者の味方という、本当に心強い存在です。

──今後のビジョンや、個人の夢を教えてください。

今は、建築施工管理技士1級の資格取得を目指しています。というのも、資格によって任せていただける業務範囲が広がり、お客様からの信頼度もアップするからです。社内には資格手当制度もあるため、メリットは多いですね。そのほか、先の長い夢ですが子どもが大きくなったときに「この建築物は、お父さんが施工管理をしたんだよ」と胸を張って、我が子に自慢することですね(笑)

──どのような方が共同エンジニアリングの技術者に向いていると感じますか?

現場では、みんなで団結して仕事を進めることが重要なので「コミュニケーションを大切にする方」が向いていると思います。まずはあいさつや軽い雑談を交わすところから始めると、スムーズに現場に溶け込めると思います。とはいっても、無理に「輪に入ろう」と気構える必要はありません。現場に慣れてくると視野が広がり、「あれはなんだろう?」と、気づくことが出てきます。そんなとき、周囲の職人さんたちに素直に聞くことからはじめれば、快く教えてくれ、自然とコミュニケーションがうまれます。人間関係を大切に考え、周囲と交流を深められる仲間が増えてくれたら嬉しいですね。

※2024年7月19日時点の記事です