「人と深く関わりたい」と覚悟を持って入社後、一貫して採用に携わる
──共同エンジニアリングに入社を決めた理由を教えてください。
就活期間はちょうどコロナ禍の影響を受け、ひとつ上の先輩たちは「内定取り消し」があったような厳しい情勢でした。私たちの世代はそこまでひどくはなかったのですが、大型のイベントなどが全部中止になるなど、就活の方法が限られている状況でしたね。いろいろと調べて模索した結果、転職エージェントが開いていた複数の企業が出展する小規模な会社説明会に参加することができ、その会場で出会ったのが当社だったのです。
面接では「人と深く関わる仕事だから、覚悟をもってきて欲しい」という言葉が印象的でした。他社は企業の良い面ばかりを話している印象を受けたのですが、厳しい話も真っ直ぐに話してくれる当社だからこそ「信頼できる」と感じましたし、「こういう人たちと一緒に働きたい」とも思い、入社を決意しました。
──入社後、ずっと人事担当をされておられますね。現在の業務について教えてください。
総合職として入社したので、最初の配属は「営業職だろう」と考えていました。実際、同期の8割は営業からのスタートでした。ところが入社式のときに、いきなり「大澤さんには人事担当を任せたい」と告げられてびっくりしました。理由を聞くと「オンラインの内定者懇親会で、物怖じせずによく喋っていたのが目に止まった」からだったのですが、人に寄り添って毎日コミュニケーションをとる仕事なので「刺激的で、面白そうだな」と感じ、そのまま人事担当として働くことを決めました。現在の業務は、技術社員の中途採用の担当です。求人票の制作から求職者の面接、入社後のフォローなどがミッションになります。核となる業務は何と言っても「面接」ですね。ひとりの人生に関わるだけに、毎回が真剣勝負です。
甘い言葉で飾らない。求職者と会社双方の利益を実現
──「真剣勝負の面接」など、業務で大事にされていることを聞かせてください。
いろいろありますが、たとえば面接は「一発勝負」なので互いに気合が入る部分ですが、同時に求職者にリラックスして本音を話してもらうことも重要なので、場の空気づくりに注力しています。また、当社や仕事内容の素の魅力を的確に伝えるのはもちろんのこと、採用担当者の人柄にも良いイメージをもっていただくことが大切です。これは私自身、面接官の印象で入社を決意した経験があるので、「求職者にとって、会社の顔になるポジション」を常に意識しています。加えて「ミスマッチを防ぐこと」も重要な役割だと認識していますね。
──ミスマッチを防ぐために、努力されていることはなんですか?
甘い話ばかりをしないことですね。求職者に寄り添うことは大切ですが、ときには厳しいと思われるような言葉も必要だと思うのです。たとえば「早期離職の回数が多い」という経歴の方であれば、その背景をしっかりとうかがい、ギャップが生まれないようにしっかりと伝えます。当社でも同じことを繰り返すことになれば、本人にとっても、会社にとってもマイナスになるからです。私自身のミッションは採用ですが、「すぐに辞めそうな人を、聞こえの良い言葉で飾って誘う」のは私の信念に反します。たくさんの方の人生に携わる仕事だけに、その部分にはとくに気を配っていますね。そして、入社後に技術社員がギャップを感じることがないように、現場の大変なところも責任感をもって徹底して伝えることを心がけています。
──今のスタイルになるまでのご苦労や、乗り越えた経験を教えてください。
新卒で配属された直後は、「会社のことで間違った説明をしてはいけない」と緊張が先行していました。今、ある程度誇れるような仕事ができるようになったのは、上司のおかげです。付きっきりで仕事をレクチャーしてくれて、私がダメだったところの洗い出しや適切なアドバイスをしてくれました。ときには、上司が面接する場に同席させてもらったこともあります。そんな学びの中で、上司のやり方を吸収しつつ自分の頭で考えて行動することができるようになったのです。そうして今のスタイルにたどり着くことができました。
過去よりも将来。覚悟に対して、本気で向き合う
──印象に残っている、求職者の方とのエピソードを教えてください。
仕事に慣れてきて、「信念を貫く」という“自分の型”ができてきたころの話です。年齢とキャリアが釣り合っておらず「履歴書が真っ白の状態」という方の面接をしました。お話をおうかがいすると、とても素直なタイプの方で、仕事に対しても前向きに考えておられる反面、「ちょっと楽天的過ぎる」という印象を持ちました。そこで、イレギュラー対応で、通常は1回のところ2回目の面接を実施することにしたのです。
2回目の面接では、お互いに本音をぶつけ合って「本気で仕事をする“覚悟”がありますか?」という質問をぶつけたところ、その方が感極まって目元がうるむような場面もありました。それでもハッキリと私の目を見て「やり抜きます」とおっしゃった力強い言葉が、今でも印象に残っています。その言葉から「これまでの自分を変えたい」という気持ちが明確に伝わったのです。振り返ると、私自身も人生や就職活動で悩んでいた時期があったので、その経験と重なり合ったのかも知れません。
その方は無事に入社され、現場で苦労された時期もありましたが、それを乗り越え、今はクライアントからも営業からも信頼される技術者として活躍されています。貪欲にチャレンジする意欲がある方であれば、「過去にとらわれることなく、面接でお話をうかがう」という方針を大切にしていて良かったと感じたエピソードです。
──技術社員として活躍されている方の特徴などはありますか?
「質問ができる人」でしょうか。当社の技術社員のほとんどが業界や職種未経験なので、スタートラインはみんな一緒です。基礎的な業務は事前に社内研修で身につけることができますが、応用編については現場に出てから実地で学ぶことになります。そのため、「これは何なのか?どういうことかなのか?」をうまく質問することができれば、知識が増えて、業務の領域が拡大していき、仕事がどんどんとおもしろくなることでしょう。私の採用基準としては、個人のやる気や意欲に重きをおいているので、「頑張りたい!」という気持ちがあれば大歓迎です。ヒアリングに時間をかけ、じっくりとお話をおうかがいしています。
──今後のビジョンについて教えてください。
現在、札幌拠点で勤務しているのですが、拠点内に採用担当者は私ひとりだけです。主任という役職を拝命してはいるものの、同じ部署のメンバーはそれぞれ違う拠点で活躍しているという環境になります。距離的に離れているため「頼られる」という経験が少なく、メンバーたちの役に立っているという実感をあまり持つことができないのが実情です。しかし、信用以上の「信頼」を得たいという気持ちが強いので、自分をコツコツと磨き続けることで今以上に「頼られる存在」になりたいですね。あと、個人的には新しいことへのチャレンジが好きなので、もしも会社の次のフェーズとして、「別事業に進出」などがあれば、真っ先に手を上げたいと考えています。
※2024年5月27日時点の記事です